タカラバイオ、アメリカでの慢性リンパ性白血病の遺伝子治療に「レトロネクチン」を供給
世界でがん治療の最先端を行く
メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターが行う
慢性リンパ性白血病の遺伝子治療にレトロネクチン(R)を供給
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center; MSKCC、ニューヨーク市)のレイナー・ブレントジェンス(Renier Brentjens)博士らが実施する慢性リンパ性白血病の遺伝子治療の第I相臨床試験に当社が開発したレトロネクチン(R)をライセンス供給します。
慢性リンパ性白血病は主に成人の中年以降で発症し、末梢血、骨髄、リンパ節の中に成熟したリンパ球が異常に増加した状態となる白血病です。年間発症率は10万人に1~3人、米国では毎年約7,000人が発症していると言われています。現行治療法は主に抗がん剤を用いた化学療法ですが、慢性リンパ性白血病の原因はまだ明確にはされておらず、完全に治すことは難しいのが実情で、新たな治療法の開発が求められています。
ブレントジェンス博士らのグループが行う本臨床試験では、まず、患者から取り出したT細胞に、がん化したリンパ球(B細胞)に発現しているCD19という抗原を認識するキメラ抗原受容体(Chimeric Antigen Receptor; CAR)遺伝子をレトロウイルスベクターにより、当社の開発したレトロネクチン(R)を用いて高効率に導入します。この遺伝子を導入したリンパ球を培養して大量に増やした後に、がん患者の体内に戻すと、これらの遺伝子導入した細胞が、がん化したB細胞の表面に発現しているCD19を認識して、がん化B細胞を攻撃しト消滅させます。本臨床試験は、現行の抗がん剤療法が有効でなかった慢性リンパ性白血病の患者約30名を対象とし、2~3年をかけて行われる予定です。
当社のレトロネクチン(R)を用いて行われる遺伝子治療の臨床試験は、世界で日、米、英、仏、伊、独、蘭の7カ国にわたり、40施設目となります。今回の臨床試験の実施により、当社のレトロネクチン法が遺伝子治療のスタンダードとして世界的によりいっそう認知され、さらに広がっていくものと期待しています。
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