中部電力、アイシン精機と共同で極低温パルス管冷凍機を開発
世界最高出力!高信頼性極低温冷凍機の開発について
当社は、アイシン精機株式会社(社長:山内 康仁氏、住所:愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地)と共同で、世界最高出力の極低温パルス管冷凍機の開発に成功しましたのでお知らせします。
極低温冷凍機とは-100℃以下に冷却する冷凍機で、圧縮したヘリウムガスが膨張する際に熱を奪う性質を利用し冷却するものです。主な用途として磁気共鳴画像診断装置(MRI)やリニアモーターカー等に使われています。昨今、この冷凍機の用途はさらに多様化し、大容量でメンテナンスフリーな冷凍機が必要とされています。
開発したパルス管冷凍機は従来の冷凍機と異なり、冷凍能力を向上させるため、ヘリウムガスを膨張させる部分を1気筒から世界初の2気筒構造とすることで、出力を2倍に高めると共に、冷凍機効率の面でもクラス最高を達成しました。また、閉じこめたヘリウムガスを圧縮・膨張させる部分に摩擦する部品を持たないため、摩耗による劣化がなく、従来機の課題であった半年毎のメンテナンス間隔を10倍に延ばすことが出来ます。
今回開発した冷凍機には次の特長があります。
1.世界最高出力の極低温冷凍能力
-196℃においてパルス管型従来機の2倍の300Wを達成
2.世界最高の冷凍機効率
パルス管型従来機に比べ1割向上し、クラス世界最高の6.7%※を達成
3.メンテナンス間隔の延伸化
150W級冷凍機において、従来の10倍となる5万時間を実現
※ 冷凍機の圧縮・膨張する部分での仕事量(容器内圧力×容積)と冷凍能力の割合
なお、この冷凍機開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託して進めている経済産業省資源エネルギー庁のプロジェクト「超電導電力ネットワーク制御技術開発」の一環として行っているものです。今後、開発した冷凍機を超電導電力貯蔵装置(SMES)に組み込み、平成19年度まで耐久試験を実施し検証して参ります。
また、開発した冷凍機は、平成18年10月31日と11月1日の2日間、名古屋国際会議場で開催される第19回国際超電導シンポジウム(ISS2006)に実物展示します。
研究期間 平成16年6月~平成20年3月
以上
(※ 別紙あり。)