日産自、米テネシー州のデカード工場でクランクシャフト鍛造を開始
日産自動車、米テネシー州デカード工場でクランクシャフト鍛造を開始
更に、新規で3,470万ドルを投資しシリンダーブロック鋳造工場を建設
日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:カルロス ゴーン、以下 日産)は本日、米国テネシー州デカードのパワートレイン工場にて新たにクランクシャフト(1)の鍛造を開始した。同社は、クランクシャフト工場の稼働開始を記念し、関係役員、従業員並びにテネシー州や地域関係者出席のもと、同工場内にて記念式典を行った。
今回新設されたクランクシャフト鍛造工場の建屋面積は、6万3000平方フィート(約5,700平方メートル)であり、最大稼働時の年間生産能力は110万台に達する見込みである。投資額は、4,800万ドル(約55億7千万円)で、60名が他の生産工程より異動して生産に従事する。
新工場で鍛造されたクランクシャフトは、デカード工場内に隣接するエンジン機械加工工場で生産するエンジンの構成部品となり、一部はメキシコのアグアスカリエンテス工場にも出荷される。デカード工場生産のエンジンはテネシー州スマーナ、ミシシッピ州キャントンの車輌組立工場で生産するニッサン及びインフィニティブランド車に搭載される。
また、日産は新たに3,470万ドル(約40億3千万円)を投資してデカード工場を拡張し、シリンダーブロック(2)の鋳造工場を建設する。同社は新たな鋳造工場を既存のエンジン工場の北側に建設する予定で、2006年晩秋に着工し、2008年春の稼働開始を目指す。今回の拡張は、1997年5月の同工場操業開始以後4度目となる。
日産は、シリンダーブロック鋳造工場の新設により、現在100万平方フィート(約9万平方メートル)の敷地面積をさらに5万1000平方フィート(約4,600平方メートル)拡大する。最大稼働時の年間生産能力は192,000台で、その際の従業員は50名を見込んでいる。新工場で生産されるシリンダーブロックは中型セダン「アルティマ」の3.5リッターV型6気筒VQエンジンの構成部品として使用される。
北米日産のダン ゴーデットSVP(生産・サプライチェーンマネジメント担当)は、「主要エンジン部品の加工・組立工場に隣接した場所でのクランクシャフト鍛造開始とシリンダーブロック鋳造工場の増設は、北米日産にとって大きなチャンスになる。デカード工場は、グローバル日産のパワートレイン工場の中でも高い実績を認められている。同工場での継続的な拡張は、日産のグローバル生産戦略に寄与するだけでなく、デカード工場操業以来9年間に培ってきたチームワークに対する信頼を意味するものである。」と語った。
(1)クランクシャフト: エンジン底部の回転軸。コネクティングロッドを通じてピストンの上下運動をトランスミッションに伝え、車輪を駆動させる。
(2)シリンダーブロック: クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、カムシャフトを組み込むアルミニウム鋳造によるエンジン本体のひとつ。エンジン性能に大きく影響するため、相互の部品が正確に組み込まれることが必要であり、多くの機械加工表面を有する。
注: 為替レートについては便宜上、最新の為替相場に基づき1ドル=116円として換算した。
以 上