古河電工、中国での自動車部品事業の商圏拡大で事業拠点を再編
中国における自動車部品事業の商圏拡大に向けた再編について
-中国国内の事業拠点を再編し、2009年度には売上高を300億円に-
■概要
古河電気工業株式会社(以下古河電工)と1987年以来のパートナーであるシンガポール・GPIndustries Limited(社長 Brian Li Yiu Cheung 以下GPI)は、1997年香港に両社が折半出資で設立した中国事業拠点への戦略投資会社であるFurukawa GP Auto Parts (HK) Limited(以下FGP)の経営権を古河電工が取得することに合意しました。
上記経営権を取得するために、古河電工はFGPのGPI所有株式30%を買収し、FGPを子会社化します。その後FGPがGPIと古河オートモーティブパーツ株式会社が90:10で出資するワイヤーハーネス(組み電線)製造の技術拠点である恵州金山電装有限公司(以下GPAC)を100%買収します。
今後、古河電工が経営権を取得する形で中国国内の自動車部品事業拠点の再編を行い、古河電工主導でQCDDME(注1)の顧客対応をより充実させ、中国国内の自動車部品市場で商圏拡大を推進していきます。
なお、本買収は2005年3月に設定した戦略ファンドを約20億円使用して実施しますが、今後更なる再編を進めていくために積極的な投資を予定しています。
■商圏拡大の背景
今後、ますます成長が見込まれる中国の自動車部品市場において、商圏拡大を図るには、古河電工の主要顧客である日系自動車メーカーへの拡販が必須です。そのためには、戦略投資会社であるFGPの経営権を古河電工が得る必要がありました。FGPとGPACの買収により、中国市場でのワイヤーハーネス事業を積極的に推進できる体制が整い、更なる商圏拡大の足掛がりを築くことになります。
■再編の内容とその効果
古河電工が経営の主導権を握る形で中国国内の四拠点対応構想(華南地区、東北・華北地区、華東地区、華中地区)を実現し(別紙参照)、自動車部品事業拠点の再編を行います。
再編を実施することによって、自動車用ワイヤーハーネス事業と部品事業の一体化によるシナジー効果を創出し、日系・欧米系の自動車メーカーの進出が相次ぎ、急速に成長している中国市場でのプレゼンスを高め、2009年度には中国での売上高300億円を目指します。
■GPIの概要
(1)本社:1 Temasek Avenue #18-02, Millenia Tower Singapore 039192
(2)会長:Victor Lo Chung Wing
(3)資本金:142.3百万米ドル(2006年3月末現在)
(4)売上高:299.3百万米ドル(約350億円、2006年3月期)
(5)従業員数:5,700名
(6)事業内容:オーディオ製品、バッテリー、ワイヤーハーネス・ケーブル、照明器具関係、LED スクリーン、電子部品等の製造販売
経営研究環境情報通信エネルギー・産業機材電装・エレクトロ二クス金属
■買収前のFGPの概要
(1)本社:Gold Peak Bldg. 7F, 30 Kwai Wing Rd, Kwai Chung N.T., Hong Kong
(2)社長:Brian Li
(3)資本金:62百万香港ドル(2006年3月末時点)
(4)事業内容:投資会社
■買収前のGPACの概要
(1)本社:No.20, Xing San St. Jin Long Rd. Xiao Jin Kuo Town Huizhou City, Guangdong, P.R.China
(2)社長:Stephen Mak
(3)資本金:6.15百万米ドル(2005年12月末時点)
(4)売上高:435.2百万香港ドル(約64億円、2005年12月末時点)
(5)従業員数:2,216名
(6)事業内容:ワイヤーハーネス製造・販売
(注1)QCDDME
Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期遵守)、Development(開発能力)、Management(運営管理)、Eco-Friendliness(環境保護)の略
※参考図=中国・古河電工自動車部品拠点(再編後)は添付資料を参照