ガートナー ジャパン、2006年上半期の日本プリンタ市場に関する調査結果を発表
ガートナー ジャパン発表
2006年上半期(1~6月)日本プリンタ市場
出荷台数は前年同期比3.6%減少
インクジェット市場では複合機への移行が鮮明に
ガートナー ジャパン株式会社(所在地:東京都目黒区、代表取締役社長:日高 信彦)は、2006年上半期の日本プリンタ市場(注1)に関する調査結果を発表しました。
2006年上半期の日本プリンタ市場は、ベンダー出荷台数で364万8,000台(前年同期比3.6%減)、金額で1,648億100万円(同5.0%減)となりました。市場が縮小した理由は、出荷台数の8割を占めるインクジェット機器の出荷台数が減少したことです。金額での減少率の方が高いのは、プリンタ本体価格の値下がりによるものです。
インクジェット市場は、2005年に好調な出荷が続いた反動から、2006年上半期は前年同期比5.5%減のマイナス成長となりました。市場全体ではマイナス成長となりましたが、インクジェット複合機については前年同期比27.6%増のプラス成長となり、インクジェット出荷台数の58.2%を占めました。
モノクロ・ページプリンタ市場は、出荷台数が前年同期比1.1%減とマイナス成長が続いています。この要因としては、カラー・ページプリンタの価格が低下して購入しやすくなったためにモノクロからカラーへの置き換えが徐々に進んでいること、印刷速度が高速化しているために買い換え時にこれまでと同じ台数のプリンタを購入しないことなどが考えられます。
カラー・ページプリンタ市場は、前年同期とほぼ同じ出荷台数となりました(前年同期比0.8%増加)。この市場では、A3サイズのプリンタが前年同期比5.1%減少しました。これはカラー複合機(注2)増加の影響を受けているためで、2005年後半からマイナス成長に転じています。一方、A4サイズのプリンタは、低価格、小型であること、印刷性能の向上などの理由により、A3モノクロ・ページプリンタやインクジェット・プリンタの置き換えとして購入されており、同15.0%増加しました。
注1:プリンタとインクジェット複合機(インクジェット・プリンタに複写機能やスキャナ機能が付加された機器)を含む全体市場。
注2:デジタル複写機にプリンタ機能などが付加された機器、あるいはプリンタに複写機能などが付加された機器。
表1 日本における印刷技術別プリンタ出荷台数:2005~2006年上半期(単位:千台)
添付資料をご参照ください。
日本プリンタ市場を出荷台数別に見た場合、インクジェットが市場全体の約80%を占める状況が続いていますが、インクジェット市場では、単機能機から複合機への移行が鮮明となっています。これは、複合機と単機能プリンタの価格差が縮まっていること、複合機のラインナップの充実に伴いユーザーの選択肢が広がっていることが原因であるとガートナーでは分析しています。複合機はプリンタとしてだけでなく、スキャナや複写機としても使うことができる点がユーザーの支持を得ています。今後もインクジェット市場では、多機能な複合機が増加するでしょう。
実際、インクジェット市場では、デジタル写真を印刷するためのA6/A5サイズのインクジェット・フォトプリンタの出荷台数が増加しています。一方、昨今では、DPE店や量販店でのプリント・サービスやフォト・プリント端末、インターネットでのプリント・サービスも充実してきています。このことは、今後、インクジェット市場とプリント・サービスとの競争が激化する可能性があることを意味しています。よって、プリンタ・ベンダーには、印刷コストをさらに低下させ、かつ、より手軽に高品質なプリントを行えるようにするといった施策が、今後ますます求められるでしょう。
2006年上半期の日本プリンタ市場では、キヤノンが首位となりました。2位はエプソンでした。キヤノンとエプソンは激しい首位争いを展開していますが、今期は、ページプリンタの出荷台数が勝敗に影響した、とガートナーではみています。3位はHP、4位はブラザーでした。両社ともに、インクジェット機器の出荷台数の増加がシェア拡大に貢献しました。
図1 2006年上半期日本プリンタ市場シェア(出荷台数ベース)
添付資料をご参照ください。
なお、本リリースに関する詳しい調査内容は「日本プリンタ市場四半期出荷統計」サービスで入手することができます。また、2006年11月1日に目黒雅叙園(東京都)において開催する「ガートナー・ドキュメント・ソリューション・セミナー 2006」では、本発表に関する分析をはじめ、市場展望、最新技術動向、ドキュメント・サービス、インフォメーション・マネジメントなどの動向や、ユーザー調査を基にした企業におけるドキュメント管理の課題や取り組み状況に関する知見を提供します。本セミナーに関する詳細については弊社Webサイトをご覧ください。
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