アナログ・デバイセズ、Blackfinプロセッサを日立のDVDレコーダーに提供
アナログ・デバイセズのBlackfin(R)プロセッサを、日立がDVDレコーダ「Wooo D」に採用
高精細DVRの革新的な機能にBlackfinプロセッサの性能が貢献
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、本日、同社のBlackfin(R)プロセッサを、株式会社日立製作所(以下、日立)が同社のデジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)「Wooo Dシリーズ」に採用したことを発表しました。Blackfinプロセッサにより、日立のWooo Dシリーズでは、録画したビデオからハイライト・シーンを自動的に抽出して再生するという革新的な機能が実現しました。「いいとこ観」として知られているこのダイジェスト機能は、重要そうな場面以外を省くかたちで早送りし、そして再生するもので、Blackfin上で動作する独自アルゴリズムにより実現しています。日立のこのDVRレコーダは、4月に日本で発表されました。
高度で大量の演算を必要とするアルゴリズムを実行するBlackfinの能力を駆使して、日立は録画した番組の中から重要なシーンを、音量が上がったり、輝度や色分布が変わったりといったオーディオやビデオ出力の変化に基づいて自動検出するプログラムを開発しました。これにより、ユーザは早送りの必要なくコンサート番組の中から人気の音楽や、野球の得点シーンなどのハイライト・シーンを楽しむことができるようになります。Blackfinは、この先進的な機能を実現するとともに、ホスト・ストレージ機器とのインターフェースや、オーディオ/ビデオの信号処理も行います。
株式会社日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ マーケティング事業部 マーケティング本部 ストレージ機器商品企画部 担当部長 島上和人氏は、次のように述べています。「今日のコンスーマは、忙しいライフスタイルにあった高精細なエンターテインメント番組を求めています。日立のDVR Wooo は、アナログ・デバイセズのBlackfinプロセッサの採用により複雑なオーディオ/ビデオ信号処理を行うことが出来るようになり、ユーザはこれまでにないスタイルで録画コンテンツを手軽に楽しむことができるようになりました」
Blackfinアーキテクチャの特長である容易なプログラミングが、「ADSP-BF531」プロセッサを、日立がハイエンドDVRに採用した最大の理由でした。ADSP-BF531は最高400MHzの動作スピードで、マルチチャンネルのオーディオ/ビデオ処理アプリケーションに最適であり、Blackfinがもたらすオーディオ/ビデオ処理の最適化性能と優れた信号処理能力も日立がADSP-BF531を選んだ理由でした。
アナログ・デバイセズ社コンバージェント・プラットフォームおよびサービス・グループのゼネラル・マネージャ、ジョン・クロトー (John Croteau)は以下のように述べています。「このDVR Woooの投入により、視聴者は、録画した番組の『重要な部分』にアクセスするためにスキッピング機能を駆使する必要がなくなります。日立は、Blackfinプロセッサのマルチメディア・パワーと性能を活用して、テレビ番組愛好者向けに、機能豊かなDVRを創出しました」
日立の新しいDVRは、ハイビジョンという日本のHD(高精細)フォーマットで最高1テラバイト(TB)までのメディアの格納・録画を特長としています。このシリーズのHDD/DVDレコーダには、「DV-DH1000D」、「DV-DH500D」、「DV-DH250D」、「DV-DH160D」などの製品がありますが、すべて、録画番組の重要なシーンを自動検出し、ダイジェストで再生する「いいとこ観」(自動ダイジェスト)機能を装備しています。さらに、ツイン・デジタル・チューナ・システム(2個の地上波デジタル・チューナと2個のBS/CSデジタル・チューナ)を搭載しているため、2つの番組を、同時にHD品質で録画することができます。これらの新モデルは、独自のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを搭載しており、ユーザは、大容量HDDに録画した番組を、簡単にソート、選択、再生することができます。
将来の機能統合はBlackfinクラスの処理を要求ADIのBlackfinプロセッサは、マルチフォーマットのオーディオ、ビデオ、音声および画像処理、マルチモードのベースバンドとパケット処理、リアルタイムのセキュリティやコントロール処理といった、機能の統合処理が不可欠なアプリケーション向けに、業界最高の性能と消費電力効率の両方を備えた、新しい種類の16/32ビット組込みプロセッサを実現したものです。Blackfinプロセッサは、そのソフトウェア・フレキシビリティとスケーラビリティの強力な組み合わせによって、デジタル・ホーム・エンターテインメント、ネットワークおよびストリーミング・メディア、自動車用テレマティックスおよびインフォテインメント、デジタル・ラジオといった、統合アプリケーションを実現します。
■アナログ・デバイセズについて
アナログ・デバイセズ(ADI)は、半導体市場において40年という長い間成長を続けてきましたが、その成長を支えてきたのが技術革新、高性能、および卓越した技術力を受け継いできた企業文化です。ADIは、データ・コンバージョンおよびシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として、業界で高い評価を得ており、実質的にあらゆる種類の電子機器分野を網羅する世界各国の60,000社以上の顧客にサービスを提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、従業員数は8,900名です。マサチューセッツ州、カリフォルニア州、ノース・キャロライナ州やアイルランド、フィリピンに製造拠点があります。アナログ・デバイセズの普通株はニューヨーク証券取引所に上場しており、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。http://www.analog.com
※Blackfinはアナログ・デバイセズ社の登録商標です。
【 製品に関する読者からのお問い合わせ先 】
アナログ・デバイセズ株式会社
techsupport.japan@analog.com