富士写真フイルム、東大病院の「22世紀医療センタープロジェクト」に参画
富士フイルムと東大病院
医用画像データの臨床・教育分野への高度活用研究を目的に
「統合画像情報学」講座を開設
富士写真フイルム株式会社(社長:古森 重隆、以下 富士フイルム)は、東京大学医学部附属病院(病院長:永井 良三、以下東大病院)の「22世紀医療センタープロジェクト」に参画いたしました。この提携により、東大病院22世紀医療センター内に、東京大学大学院医学系研究科放射線医学教室を親講座として、新たに寄付講座「統合画像情報学(富士写真フイルム)」が開設されました。
富士フイルムは、先進・独自の技術をもって、『人々のクオリティ オブ ライフのさらなる向上に寄与していく』という企業理念のもと、メディカル事業を主要な事業領域の一つとしてグローバルに事業展開しています。具体的には、世界に先駆けて開発したデジタルX線画像診断システム「FCR」(Fuji Computed Radiography)を通じ、画像診断の画期的な進歩に貢献するとともに、近年はWeb技術を駆使して、FCRやCT、MRなどの各種画像診断機器で撮影された医用画像をネットワーク上で管理する医用画像情報システム(PACS:Picture Archiving and Communications System)「SYNAPSE」が世界中の多くの医療機関において導入され、高い評価を得ています。
近年の画像診断機器の進歩とあいまって、臨床の現場では、これまでにはない膨大な量の画像情報が生み出されており、画像活用の重要性が高まっています。コンピュータによる情報通信、処理能力も飛躍的に向上していますが、コンピュータ支援による画像解析や診断法をとり入れた、臨床的に有用な情報の抽出・蓄積法の開発が急務となっています。また、その成果については、臨床、研究、教育のいずれの分野においても有用性が期待されます。
今回開設した講座では、さまざまな種類の先進的な画像診断機器から得られる大量の画像データから、臨床的に有用な情報の抽出・解析、統合・蓄積、再利用する手法について、連続的かつ体系的な研究を行います。富士フイルムが1936年のX線フィルムの発売以来、長年培った医用画像に関する独自の知見および画像処理技術を東大病院に提供し、東大病院の保有する工学系の研究成果、認知科学などの幅広い知見をとりいれた研究を行います。この研究成果を、疫学的研究への貢献、さらに、専門医の診断を支援する高度なエキスパートシステム、初学者から臨床医まで広い層を対象とした教育システム、遠隔地から利用可能なシステムなどへ応用することにより、医療の質の向上に幅広く貢献していきます。
【寄付講座の概要】
寄付講座の名称 : 東京大学大学院医学系研究科「統合画像情報学(富士写真フイルム)」
設置期間 : 2006年7月1日から5年間
担当教官 : 吉岡直紀客員助教授
【22世紀医療センター】
22世紀医療センタープロジェクトとは、東大病院をフィールドとして新たな臨床医学または医療関連サービスの研究と開発を行うプロジェクトです。センターにおける研究・開発成果は、早期に東大病院などを通じて患者さまに提供することを目標としています。このプロジェクトを推進することで、東大病院は高次の医療を社会に還元し、また、日本の臨床医学の持続的発展ならびに医療関連産業の展開に寄与することができると考えています。
【中央診療棟2の概要】
竣工 : 平成18年9月 面積 : 約30,000m2。
1.診療部分(地下3階~地上7階)
手術室、放射線診断・治療、生理検査、周産母子、リハビリテーション、病理検査、組織バンク、CPCなど
2.22世紀医療センター(地上8、9階部分、約6,000m2)
(1)予防医学・健康関連サービス研究/事業
(2)治験研究/事業
(3)創薬関連研究
(4)医療関連教育研究/事業
(5)インキュベーション事業
(6)その他、医療サービスの研究/開発など
【22世紀医療センター 施設写真】 ※中央建物の赤点線部分
(*添付資料参照)