ナリス化粧品、広葉樹パルプ由来成分の美白効果の作用機序を解明
ナリス化粧品、新規美白成分の作用機序を解明
製紙原料である広葉樹パルプ由来の新規美白成分「酸性キシロオリゴ糖」の作用機序を解明、化粧品への配合に成功
株式会社ナリス化粧品(本社:大阪市、社長:村岡弘義)は製紙原料である広葉樹パルプ由来の酸性キシロオリゴ糖の美白効果の作用機序を解明いたしました。本成果は、日本薬学会第126年会(2006年3月28日~30日、仙台市)において、神戸大学医学部等との共同研究として発表し、このたび製品化にこぎつけました。
(研究背景)
●日本人の「シミのない白い肌」に対するこだわりは非常に強く、世界の化粧品市場の中でも美白化粧品の日本での売り上げはトップレベルにあります。そのため化粧品会社各社はより効果の高い、新しい美白成分の開発に余念がありません。しかし、その多くは化粧品製剤への安定的配合が困難であったり、皮膚安全性が不十分で製品化出来ていないのが現状でした。
●一方、キシロオリゴ糖を含むオリゴ糖類は整腸作用に優れることが知られており、美容食品、健康食品などに利用されています。
(研究結果)
シミは無色のチロシンからチロシナーゼ等の種々の酵素の作用によって段階的に黒色化され(メラニン)、シミとなって現れます。今回、メラニン産生細胞を用い、細胞を黒色化する3種の酵素に着目して、酸性キシロオリゴ糖のメラニン産生抑制効果およびその作用機序を確認しました。つまり、この結果は美白効果を示しています。
一般的に生体はDNAの情報を受けてmRNAが出来、酵素などのタンパクを合成します。今回、細胞に酸性キシロオリゴ糖を添加することで、(1)チロシナーゼ、TRP-1(チロシナーゼ関連タンパク1)、TRP-2(同2)といった酵素のmRNAは発現している(2)先の3種類の酵素を構成するタンパクの生成が抑制された(3)チロシナーゼ、TRP-2の酵素活性が抑制されたという以上3つのことが分かりました。即ち、酸性キシロオリゴ糖はmRNAの発現には影響を及ぼさず、タンパクへ翻訳する過程に作用し、チロシナーゼなどの酵素の産生を抑制することが示唆されています。これは、酸性キシロオリゴ糖は「DNAに影響を及ぼさず、高い安全性を持つ美白成分」であると考えられます。
※mRNAとは・・・DNAの持つ情報からタンパクが作られる際、DNAの情報が転写されます。その時作られるのがmRNAで、そこに写されている情報から種々のアミノ酸が合成され、そのアミノ酸がつながってタンパクが合成されます。
今回、当社では以上の研究結果を元に酸性キシロオリゴ糖を当社の最高級スキンケアラインへ配合し、製品化いたしました。