東芝松下ディスプレイテクノロジー、石川工場に環境配慮型プロセスを採用
国内で初めての環境配慮型プロセスを、最新の低温ポリシリコン液晶工場に採用
当社は、石川工場(石川県能美郡)の敷地内に新たに稼動開始した低温ポリシリコン(※1)TFT液晶ディスプレイ製造ライン(いわゆる「SOG(※2)拠点」)において、最新製造技術のみならず環境に配慮した各種コンセプトを織り込んで参りました。 特に地球温暖化対策に効果の大きい温暖化係数(※3)ゼロのフッ素(F2)ガスをオンサイトで製造・使用するプロセスを採用するとともに、その他の対策も織り込み地球温暖化ガス排出量低減ラインを構築いたしました。 本オンサイト発生装置の導入事例は、液晶あるいは半導体の生産工場として国内で初めてとなります。
液晶や半導体の製造においては、産業の規模拡大とあいまって各種薄膜を形成するCVD(化学的気相成長法)装置向けクリーニングガスの大量供給に対するニーズが高まっていますが、それにともない、クリーニング工程における地球温暖化にまつわる環境への配慮とコストの削減が求められています。フッ素(F2)ガスは、従来クリーニングガスとして使われてきた三フッ化窒素(NF3)の代替品として、条件が整えば大変有効な選択肢となることに注目しました。
当社はこのたび、フッ素(F2)ガスを使用するクリーニングプロセスを開発終了し、従来はメーカーから容器にて配送・供給されていた三フッ化窒素(NF3)に替えフッ素(F2)ガスをオンサイト製造する設備を採用いたしました。 これによりこれまで使用していたNF3ガスでは除害装置を使用しても多少残存していたクリーニング工程でのCO2換算排出量をゼロとするとともに、ガス価格単価の低減を合わせて達成し本質的なコスト削減を図ることができました。
当社は、環境経営方針に基づく「ものづくりの改善」に取り組んでおり、製造工程から最終製品に至るまで環境保護を最大限に配慮しつつ、最先端の液晶ディスプレイの開発を目指しています。 特に今般稼動の石川工場新ラインは、上記のように地球温暖化防止へ最大限の配慮をするとともに廃棄物排出量削減やさらなる廃水処理強化などの環境負荷低減を織り込んだ工場棟です。
経営理念や経営ビジョンの精神を反映させた環境スローガン「夢のディスプレイを未来にプレゼント」のもと、先進的な環境経営で、社会貢献を図ります。
※1 低温ポリシリコン技術は、東芝松下ディスプレイテクノロジーが業界をリードするモバイル用途に最適な技術です
※2 SOG:System On Glass。 液晶パネル内へ周辺回路および新規機能の内蔵が可能な高付加価値技術であり、低温ポリシリコン技術の重要差異化ポイントとなっています
※3 温暖化係数(GWP100:Global Warming Potential):F2=0、NF3=10,800