信越化学、300mmウエハーの生産能力を来秋メドに月産100万枚まで増強
信越化学工業(株)300mmウエハー生産能力早期大幅増強を決定
(2007年秋に月産100万枚体制に)
信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:金川千尋)は、全世界で需要が急伸している300mmシリコンウエハーを供給する世界最大のメーカーとして、2007年秋を目処にグループの総合力を生かし生産能力を月産100万枚まで増強する計画を定め、その工事に着手した。この増設により、急増する全世界の顧客の需要に即応する体制を築き、300mmシリコンウエハーのトップメーカーとしての責務を果たす。
信越化学工業(株)は、グループ全体の300mmウエハー生産能力を今秋までに月産50万枚とする予定で増強してきたが、旺盛な需要が続いたことから前倒しで完了し、グループ全体で現在月産70万枚に引き上げた。更に今後も顧客の300mmラインの新・増設が見込まれることから、2007年秋には月産100万枚体制を構築する。この30万枚の追加投資額は約1,200億円となり、この投資を含めた300mm事業への累積投資額は約4,000億円となる見込み。ちなみに300mmウエハーを含めた全信越グループの投資は全額自己資金で行う。尚、8月末現在の信越化学の手持資金は約5,300億円となっている。
今回の計画では、地震や風水害等の自然災害、その他あらゆるリスクを勘案した上で、高精度のウエハー加工を担ってきた主力の信越半導体(株)白河工場、SEHアメリカ社、グループ会社である三益半導体工業株式会社(本社:群馬県高崎市、社長:中澤正幸)の増強に加え、新たに長野電子工業株式会社(本社:長野県千曲市)で投資を行い、生産拠点の複数化を促進し、これら4 拠点を通じ需要家への安定供給を図る。
又、単結晶(インゴット)生産においても、リスク分散を図る為既存の白河工場、SEHアメリカ社の増強に加え、信越半導体(株)武生工場(福井県越前市)でも生産を行うことを決定した。これら拠点の複数化により、市況の変化に即応した早期増産が可能となる。
既に公表のとおり信越半導体(株)は、2001年2月世界で最初に300mmウエハーの量産を開始、継続的に設備投資を行い、2004年30万枚/月、2005年40万枚/月と生産能力を拡大する中で、技術力とコスト競争力向上を図ってきた。300mmウエハーの需要は今後も一層の拡大が見込まれ、2007年秋の月産100万枚体制構築後も、当社の投資基準に合致する限り優先的に無制限に増強投資を継続しながら顧客の需要拡大に迅速かつ的確に対応していく。尚、これらの投資は全額自己資金で賄う方針である。
以上