小田急電鉄、メトロ線内直通運転用の新型ロマンスカーの製造を決定
新型ロマンスカー・MSEの製造を決定
2008年春東京メトロ線内初の座席指定制特急の乗り入れを開始
小田急電鉄株式会社では、特急ロマンスカーの東京メトロ千代田線への乗り入れについて、東京地下鉄株式会社と合意しておりましたが、このほどメトロ線内の運行に必要な設備を備えた直通運転用の新型ロマンスカーの製造を決定しました。
新型ロマンスカーは、20m長のボギー車で6両固定編成と4両固定編成から成り、併合・分割しての運転が可能となっています。10両編成時の乗車定員は578名と、ビジネス特急として多くのお客さまにご乗車いただける設計とします。車体には流線型のデザインを採用するほか、地下の駅でも明るさを感じさせる「フェルメール・ブルー」に、ロマンスカーの継承してきた「バーミリオン・オレンジ」の鮮やかな帯を配します。
また、室内については2.3m の天井高を確保するほか、蛍光灯による間接照明と電球色のLED式直接照明の採用により、落ち着きのある居住空間を創出します。
この新型ロマンスカーは、東京メトロ千代田線湯島駅から小田急線町田・相模大野方面へ、平日の夕方から夜間の帰宅に便利な時間帯に運行する計画で、2008年春の営業運転開始を予定しています。なお、メトロ線内への座席指定制特急の乗り入れは、初めてとなります。
特急ロマンスカーは、現在、箱根・江の島方面への旅行や、通勤の足として、年間約1,300万人にご利用いただいていますが、当社ではこの新型ロマンスカーの運行により、お客さまの利便性や快適性のより一層の向上を図っていきます。
新型ロマンスカーの概要は下記のとおりです。
記
1.車両形式:60000形
2.愛 称:MSE(Multi(マルチ) Super Express)
※多彩な運行が可能な特急列車の意。
3.編 成:6両編成2本
4両編成1本
※6両編成と4両編成の併合・分割が可能です。
※1両20mのボギー車。
4.編成定員:10両編成時・・・578名
(6両編成・・・352名、4両編成・・・226名)
※全席指定制
5.竣 工:2007年9月(予定)
6.営業運転開始:2008年春(予定)
7.製作費用:約38億円
8.製作会社:日本車輌製造株式会社
9.デザイン設計
2005年3月に就役したロマンスカー・VSEに続き、岡部憲明アーキテクチャーネットワーク代表岡部憲明氏(神戸芸術工科大学教授)に依頼し、車体外装と居住性を含む内装を一体的にデザインします。
※岡部憲明氏の参加プロジェクト例
ポンピドゥーセンター(パリ)、関西国際空港ターミナル(大阪府)等。
10.主な特徴
●車両性能
(1)東京メトロ千代田線への乗り入れが可能です。
(2)6両編成と4両編成との併合・分割が可能です。
●車体外観
(1)先頭車両※には、ロマンスカーの伝統である流線型のデザインを採用します。
※6両編成の小田原側、4両編成の新宿側。
(2)外観の色彩は、地下駅でも明るさを感じさせる「フェルメール・ブルー※」を基調とし、ロマンスカーの継承してきたカラーである「バーミリオン・オレンジ」の鮮やかな帯を窓下の高い位置に配置します。
※17世紀のオランダの画家、フェルメールが作品の中で用いた青色。その美しさは「フェルメール・ブルー」と称えられ、高く評価されています。
●居住性
(1)ロマンスカー・VSEの構造をベースにし、2.3mの天井高の採用など、ゆとりある居住空間を確保します。
(2)蛍光灯による間接照明に加えて、電球色のLED式直接照明を採用し、落ち着きのある空間を演出します。
●バリアフリー
(1)車いすやオストメイト※のお客さまにも安心してご利用いただける多目的トイレを設置します。
※人工肛門や人口ぼうこうをお持ちの方。
(2)車いす対応型の座席や車いすスペースを設けます。
●環境面への取り組み
(1)主電動機(モーター)は全密閉式とするほか、コンプレッサー等各種機器についても低騒音型のものを採用し、走行音の低減を図ります。
(2)アルミ車体による車両軽量化で、走行音・振動の低減を図ります。
以 上
*「新型ロマンスカー」の参考画像は添付資料を参照