NTTソルコ、IP対応コンタクトセンターを構築
NTTソルコ、IP対応コンタクトセンターを構築
~東日本地域に点在するコンタクトセンターを仮想一元化~
(株)NTTソルコ(本社:東京都港区、代表取締役社長:川守祐市)は、自社設備として運用している汎用型コンタクトセンター*1について、平成18年10月より順次IP対応型プラットフォームを導入します。各コンタクトセンターの基幹設備をIP化しネットワーク接続することにより、データや音声等の顧客とのコミュニケーションをマルチチャネルで対応するとともに、コンタクトセンター運営・構築における効率化を推進いたします。
【IP化の背景・目的】
企業におけるコンタクトセンターの位置付けは、IT技術の進化・消費者の変化・企業競争環境の変化等に伴い、単純な社内の業務処理を行う労働集約的なコストセンターから、顧客の声を企業経営に反映させ収益に大きく貢献するプロフィットセンターとしての期待が高まっております。コンタクトセンターの構築・運営を根幹事業とするNTTソルコにとってもこれに応えることを最優先事項として捉えておりました。
このような背景の中、東日本地域に多数のコンタクトセンターを有しているNTTソルコでは、各拠点において独立して運営することによる非効率性が課題の一つとなっておりました。
この度IP対応型プラットフォームを導入することにより、点在する各コンタクトセンターをIP網で結び、仮想一元的な運営を図ることで、業務の効率化、迅速化、コスト削減を行ない、これにより得られるメリットを品質面・サービス面においてクライアント企業様へ大きく還元することが可能となります。
【IP対応コンタクトセンター構築のメリット】
1.ロケーションフリーによる効率化
各コンタクトセンターを相互接続し、仮想的な1つのコンタクトセンターとすることにより、地理的な制約を排除できるため、1つの顧客対応業務を複数の拠点で実施し、その業務に関わるデータを一元管理するなど、弾力的な運営が可能となります。
また、従来、コンタクトセンターの新設には高額な投資及び長い期間が必要でしたが、今後は、基本的にIPネットワークで接続利用できる環境であれば、場所を選ばず、短期間且つ低コストで、コンタクトセンターを開設することが可能になります。
2.品質・生産性管理の効率化、応対品質の高水準化
コール状況・オペレーター応対状況等の統計情報の一元管理や、全コンタクトセンターの通話録音・オペレーター操作画面録画が可能となり、対象となるデータの共有化により、品質・生産性管理の効率化を図ることができます。また、各コンタクトセンターのスペックが統一されることに伴い、全社的な関連業務のBPR*2を行ない、その運用方法についても一本化を図ります。
これによりクライアント企業様の希望に応じたレベルでの応対履歴を残すことが可能になるほか、各オペレーターのレベルに応じた育成などについても従来以上にきめ細かく実施することで、応対品質の高水準化を実現し、クライアント企業様の満足度向上に寄与します。
3.強固なセキュリティ・災害対策の実現
ネットワークについては、セキュリティの高いVPN*3接続を用いており、外部からの侵入に対して防御性の高いネットワーク網を構築しています。また、IP-PBX交換機本体を、耐震・耐火に優れたデータセンターに設置し、更にこのメインとなる処理部は遠隔地の2拠点に冗長配置し、NTTソルコの各コンタクトセンター間を結ぶIP回線も二重化しました。データセンターでは最低24hの自家発電能力を持ち、また回線についても将来的にマルチキャリアすることにより、災害に強いシステム構成を実現します。
更に、入退出などの物理的なセキュリティを高めるとともにネットワーク化したサービス部分を含めてのアクセス管理、操作ログの履歴管理などの徹底を図ります。これらの実施により、高度なセキュリティ対策とトレーサビリティの向上を実現し、クライアント企業様に従来以上の安心感のあるサービスを提供することが可能となります。
4.メール・Web等IPを駆使したマルチチャネル化サービスの実現
仮想1センターの実現とIP化により、これまで独立して運用していた電子メールやWeb業務等のプラットフォームの共通化による一元的な提供が可能となります。
これによって、従来よりも容易に電子メール・メッセンジャー等と音声とを組み合わせたサービスの連携が出来るようになり、更に高いレベルでのワンストップソリューションを提供可能となるため、今後は従来以上にクライアント企業様にとってのお客様に対する利便性向上に貢献できるサービスメニューを検討し、提供していく予定です。
5.柔軟な料金設定の実現
通話録音、画面録画、PVD*4/PDD*5機能の要否などお客様の業務ニーズに応じた、きめ細かな管理が可能となります。この利点を利用して各設備の使用の有無による料金設定が可能になり、よりシンプルな運用を望まれるクライアント企業様から付加価値の高い運用を希望されるクライアント企業様まで、ニーズに合った料金設定が可能となります。
【今後の予定】
平成18年10月仙台センターを皮切りに、東日本地域に点在する自社設備汎用型コンタクトセンターについて順次IP化を行ない、平成20年を目途に全て完了する予定です。
【注釈】
*1 自社設備で運営している汎用型コンタクトセンター:NTTソルコが保有する自社設備にて、様々な業種業態の顧客コンタクト業務に対応する汎用的なコンタクトセンターです。
*2 BPR(Business Process Reengineering):戦略的なコスト優位性と収益性を獲得するために業務を抜本的に改革する手法です。
*3 VPN(Virtual Private Network):共有ネットワーク上にプライベートネットワークを構築すること、またはそのための技術であり、仮想的な専用線のように利用することができます。
*4 PVD(Preview Dialer):発信する顧客情報等をオペレーターの操作画面に転送し、内容を確認してから電話発信できる仕組みです。
*5 PDD(Predictive Dialer):アウトバウンド用の機能で、機械があらかじめ用意された宛先リストに従って、オペレーターの数を超えた発信を行い、発信先が応答すると始めて空いているオペレーターに接続します。
別紙
仮想1センターのシステム構成とサービス改善イメージ
※添付資料参照