日立、ネットTV端末向け高性能映像配信サーバシステム「Videonet.tv/Lite」を販売
ネットTV端末向け高性能映像配信サーバシステム
「Videonet.tv/Lite」を販売開始
高精細・高品質なハイビジョンコンテンツに適したオンデマンド配信を実現
日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:篠本 学、以下 日立)は、ネットTV端末(*1)向けに、高精細・高品質なハイビジョンコンテンツのオンデマンド配信に適した、高性能映像配信サーバシステム「Videonet.tv/Lite」を製品化し、9月25日から販売を開始します。
「Videonet.tv/Lite」は、ネットTV端末への国内接続仕様であるデジタルテレビ情報化研究会仕様(*2)に業界で初めて対応した映像配信サーバシステムであり、業界最高水準の1,500Mbpsの高い配信性能を実現します。
ユビキタス・ネットワークのインフラとして次世代ネットワーク(NGN)(*3)が整備されつつある中、TV端末が直接ネットワークに接続することで、新しい映像配信サービスのビジネスが興隆する環境が整ってきています。また、地上デジタル放送の普及やTVの大画面化とともに、ネットワークを経由した映像配信においても、高精細・高品質なコンテンツが要求されます。映像サービス事業者は、新たなビジネスチャンスが広がる一方で競争の激化も進み、その設備の負担もますます増大していくと考えています。
このような背景のもと、2007年度に本格化していくと考えられるネットTV端末向けの映像サービス市場の立ち上がりを前に、日立はパイロットサービスやスモールスタートなどの小規模なオンデマンド映像配信サービス向けに、「Videonet.tv/Lite」を提供します。
本製品は、いち早くネットTV接続仕様を盛り込み、ハイビジョンコンテンツに対応した高性能な映像配信システムを、簡易的に構築することを可能にします。
また、日立は映像サービス市場の本格化に向けて、大規模映像配信サービス用途の映像配信サーバシステム「Videonet.tv」の提供を2007年春に予定しており、今回販売を開始する「Videonet.tv/Lite」と合わせ、2007年度末までに100システムの販売を見込んでいます。
■ Videonet.tv/Liteの主な特長
1. デジタルテレビ情報化研究会仕様に準拠
デジタルテレビ情報化研究会仕様に準拠しており、ネットTV端末からのリクエストに応じた映像配信を実現できます。また、今後充実及び拡張されるネットTV端末仕様にも対応していきます。
2. 配信専用エンジンの採用
(1) ハイビジョンコンテンツ等の高精細・高品質な大容量データを配信するため、配信専用エンジン(*4)を採用し、1,500Mbpsの高い配信性能を実現します。10Mbpsのコンテンツの場合には、150ストリームの同時配信が可能です。
(2) 大容量および多数のコンテンツを配信するために、ファイバーチャネルによるSAN(*5)接続の外部ストレージよりコンテンツを配信します。
(3) VOD配信制御を行うRTSP(*6)機能とVOD配信ポンプであるRTP(*7)機能を分離させることにより、サービススケーラビリティに応じた構成に対応できます。また、異なるサーバにRTSPとRTP機能を最適配置することで、RTSP接続数(ユーザーリクエスト数)とコンテンツ配信ストリーム数の増減に応じた配信設備のスケールイン・スケールアウトが柔軟に行えます。
3. 次世代フォーマットに対応
放送規格に準拠した映像フォーマットであるMPEG-2に加え、次世代フォーマットであるH.264/AVC(*8)に対応しました。これにより、ネットTV端末でのハイビジョンコンテンツの提供および視聴が可能です。また、送出仕様についても、両フォーマットともTS(*9)、TTS(*10)をサポートしています。これより、ネットTV端末側のコンテンツ受信処理に合わせた配信が可能です。
4. 他システムとの連携
GUIによるコンテンツの登録/管理を行うとともに、コンテンツ制作系システムとのインタフェースを容易にするファイル入力をサポートすることで、運用要件に応じたオペレーションを可能にします。
また、配信フォーマットへのエンコードやネットTV端末など、ユーザーのニーズに合わせたソリューションを提供します。
■ 「ネットTV端末向け高性能映像配信サーバシステム」の価格及び提供時期
・製品名 「Videonet.tv/Lite」(小規模版)
コンテンツ登録管理プログラム
VOD配信制御プログラム
高性能I/Oエンジンプログラム
価格 650万円~(*11)(税抜:619万円~)
提供時期 2006年10月3日~
・製品名 「Videonet.tv」(大規模版)
価格 未定
提供時期 2007年春
【推奨最小構成例】
「Videonet.tv/Lite」(小規模版) 650万円(税抜: 619万円)
サーバ(RTSP用): 「HA8000/110W(1Uラック)」 168万円(税抜: 160万円)
サーバ(RTP用): 「HA8000/110W(1Uラック)」 136万円(税抜: 130万円)
ストレージ: 「SANRISE AMS200」 861万円(税抜: 820万円)
合計: 1,815万円(税抜: 1,729万円)
* 高性能映像配信サーバシステム「Videonet.tv/Lite」は10月3日~7日に幕張メッセで開催されるCEATEC JAPAN 2006 日立ブースに出展します。
■ 本文注記
(*1) ネットTV端末 : ネットワークに接続されたTV端末。
(*2) デジタルテレビ情報化研究会仕様 : 通信サービスに対応したテレビが持つべき機能の検討を行う研究会であるデジタルテレビ情報化研究会が策定した仕様。映像配信サービスを提供するための必要な機能としてネットTV端末ストリーミングプロトコル仕様(骨子)、ネットTV端末ストリーミングコーデック仕様(骨子)を新規に策定。
(*3) NGN (Next Generation Network) : IP技術でサービス統合された次世代ネットワークで、電気通信の国際的な標準化を担う機関であるITU-Tが標準化を進めている。音声・データ・映像などのマルテメディアを統一的に扱うことが可能で、固定通信と移動体通信も融合されるオールIPネットワーク。
(*4) 配信専用エンジン : ファイルI/O性能が向上するゼロコピーI/O、CPU負荷に関わりなくQoSを保証したり配信に伴う読み出しレートの保証やバースト配信を抑止するアイソクロナススケジューラなどを特長とする高性能I/Oエンジンプログラム
(*5) SAN(Storage Area Network) : 外部記憶装置間および記憶装置とコンピュータの間を結ぶ高速なネットワーク
(*6) RTSP(Real Time Streaming Protocol) : TCP/IPネットワーク上で、映像音声をリアルタイムに配信するプロトコル
(*7) RTP(Real Time Transport Protocol) : 音声や映像をストリーミング再生するための伝送プロトコル
(*8) H.264/AVC : ITU(国際電気通信連合)によって勧告された、動画データの圧縮符号化方式の一つ。ISO(国際標準化機構)によって動画圧縮標準MPEG-4の一部(MPEG-4 Part 10 Advanced Video Coding)としても勧告されている
(*9) TS(Transport Stream):ISO/IEC13818-1にて規定される映像や音声を多重化する形式
(*10)TTS : タイムスタンプ付きTS形式
(*11)650万円~ : 本価格は、ハードウェアを除いたソフトウェアのみの金額となります。
デジタルテレビ情報化研究会 http://nw-dtv.jp/
■ お問い合わせ先
株式会社日立製作所 情報・通信グループ ネットワークソリューション事業部
ソリューション本部
〒212-8567 神奈川県川崎市幸区鹿島田890(日立システムプラザ新川崎)
電話 : 044-549-1430(ダイヤルイン)
以上