協和発酵、L-チロシンの発酵による工業的製法を確立
発酵法によるL-チロシンの工業的製法を世界で初めて確立
-非動物由来L-Tyrosineの大量生産に成功-
協和発酵(社長:松田譲)は、アミノ酸の一種であるL-チロシンの発酵による工業的製法を世界で初めて確立しました。2007年中に実製造を開始する予定です。
L-チロシンは、タンパク質を構成するアミノ酸の一種で、アミノ酸輸液や経口・経腸栄養剤(医療食)などの栄養成分として、或いは、ストレス症状を軽減することが報告されていることから健康食品などの成分として用いられています。また、今後、医薬中間体の合成原料としての需要も期待されています。
従来、L-チロシンは、人毛や羽毛など動物のタンパク質を原料とする製法が主流でしたが、昨今、BSE(牛海綿状脳症)や、鳥インフルエンザを始めとする動物由来のウィルスのリスクを回避するため、非動物由来の原料を求めるお客様が増えております。
また、大豆など植物を原料とする製法も一部にはありますが、この方法では大量・安価に製造することが難しいという問題点があります。
当社は、L-チロシンの生産能力に優れた微生物を自然界から見つけ出すと共に、これまで蓄積してきた発酵・精製技術を駆使して、大量生産の可能な発酵によるL-チロシンの製法を開発しました。当社の発酵技術による安心、安全という信頼に加え、安定的な供給を実現することでL-チロシンのお客様のニーズに応えてまいります。
発酵法によるアミノ酸の工業生産に世界で初めて成功した協和発酵は、生命科学の進歩を発酵技術に生かして、今後も、発酵法により有用な物質を製造・供給し、世界の人々の健康と豊かさに貢献していきたいと考えています。