日本TI、ポータブル機器向けClass-Dオーディオ・パワー・アンプ製品ファミリーを発表
日本TI、ワンセグ受信機器に適した業界最高レベルの低EMI特性を提供する
新型Class-Dオーディオ・パワー・アンプ製品ファミリを発表
基板実装面積を50%縮小、業界で最も低い27μVrmsのノイズ・フロア特性を
提供する高集積度の新型デバイス
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、携帯電話、ポータブル・メディア・プレーヤ、携帯用ゲーム機器、ポータブル・スピーカーをはじめ、基板実装面積が限られ、より高い性能を要求されるポータブル・アプリケーション向けに、固定ゲインのClass-Dオーディオ・パワー・アンプ・ファミリ、『TPA203xD1』を発表しました。これらの新製品はTIの従来の可変ゲインClass-Dアンプである『TPA2010D1』の機能を補完します。
『TPA203xD1』は、出力の波形を最適化することにより業界最高水準の低EMI特性を実現し、ワンセグ受信可能な携帯機器の受信感度を劣化させること無く、システムの設計が可能になります。また、従来は外付けで必要だった入力抵抗をオンチップに集積しているため、基板全体の大きさを約50%縮小できます。一般的な外付け抵抗は誤差が5%程度あるので内蔵抵抗とのマッチングを取るのが難しいですが、内蔵抵抗の場合はマッチングが容易なため、外付け抵抗で構成された回路と比較して、PSRR(電源リップル除去比)を20dB(デシベル)、CMRR(同相信号除去比)を12dB向上でき、音質の向上に貢献します。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/tpa203xD1(日本語)から参照できます。
『TPA203xD1』ファミリは、次のような性能を提供します。
・5V(ボルト)電源から、4Ω(オーム)負荷に2.75W(ワット)の出力を供給
・ノイズ・フロア(A-weighted)は業界最小の 27μVrms(マイクロボルト、実効値)
・効率は88%と従来のアナログアンプの2.5倍以上のバッテリ寿命を実現
・1.5 mm(ミリメートル)角のWCSP(ウェハ・チップ・スケール・パッケージ)
TIのハイパフォーマンス・アナログ事業部のマーケティング・マネージャであるニコラス・ホーランド(Nicholas Holland)は次のように述べています。「多くのポータブル・オーディオ機器のメーカー各社がClass-Dアンプを採用するようになり、この競争性の高い市場において、TIの提供する専門知識と製品が大きな強みとして広く認識されつつあります。『TPA203xD1』アンプはClass-ABパワー・アンプと比較して2.5倍以上の電力効率を提供することから、より小さな基板実装面積でバッテリ動作時間の延長ならびに、より高品質のオーディオ特性を追求するポータブル機器メーカーに最適です」
『TPA203xD1』ファミリは基板実装面積やシステム・コストの低減に加え、入力抵抗の集積化、およびこれらの抵抗値の一致により、CMRRやPSRRなど、パワー・アンプにおいて重要な特性が大幅に向上しました。CMRR特性は聴感上、ブーンという雑音として現れる近隣のRF(高周波)妨害信号など、アンプの入力に加えられる同相雑音を打ち消す能力の指標です。PSRR特性は電源に重畳する雑音を除去する能力の指標です。『TPA203xD1』のCMRRは-69dB(代表値)、PSRRは-73dB(代表値、217Hz)であり、雑音に曝されることの多いさまざまなワイヤレス・ポータブル・アプリケーションに最適です。
『TPA203xD1』ファミリは『TPA2010D1』オーディオ・パワー・アンプとの間でピン互換性を持ち、共に広範囲のポータブル・オーディオ・アプリケーション向けパワー・アンプの要件を満たします。『TPA203xD1』ファミリは固定ゲインであり、性能や効率を最適化するための外付け抵抗が不要です。また可変ゲインが必要なアプリケーション向けには『TPA2010D1』パワー・アンプを供給中です。
以下、『TPA203xD1』と従来品との比較などは添付資料をご参照ください。
【 読者向けお問い合わせ先 】
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
プロダクト・インフォメーション・センター(PIC)
URL:http://www.tij.co.jp/pic/