日本TI、バッテリー動作アプリケーション向けステレオ・オーディオCodec製品2品種を発表
日本TI、厚木テクノロジー・センターにおいてポータブル・コンスーマ製品向けに、再生時の消費電力が7mWのステレオ・オーディオCodec製品を開発
低雑音のClass-Dオーディオ・パワー・アンプとプログラマブルのノッチ・フィルタ、その他の高機能を集積し、性能の向上とバッテリ動作時間の延長を実現
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、デジタル・スチル・カメラやポータブル・メディア・プレーヤをはじめとするバッテリ動作の各種アプリケーション向けに、ステレオ・オーディオCodec製品『PCM3793』および『PCM3794』の2品種を発表しました。これらの新製品は消費電力を低減することによりバッテリ動作時間を延長するよう設計されており、再生時に7mW(ミリワット)と低い消費電力特性と、90dB(デシベル、AD)93dB(DA)と高いSNR(信号-雑音比)特性を提供します。この両製品は日本TIの厚木テクノロジー・センターにおいて開発された製品です。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/pcm379x (日本語)から参照できます。
TIのClass-Dアンプ・テクノロジーを集積した『PCM3793』は、8Ω負荷時に1チャネルあたり最大700mWのステレオ・スピーカー出力が可能であり、電力効率の向上によりバッテリ駆動時間をするとともに、コンデンサ・レスのヘッドホン出力をオンチップで提供します。『PCM3794』はスピーカー出力なしのバージョンであり、『PCM3793』を補完するとともに柔軟にメーカー各社の要求にこたえることができます。
【 低消費電力に最適化されたステレオ・オーディオCodec 】
TIの『PCM379x』は以下にあげるコンスーマ向けポータブル・オーディオ機器メーカー各社からの要求事項を提供します。
●センター周波数がプログラマブルのノッチ・フィルタ
主にデジタル・カメラでノッチ・フィルタを利用することによって、ビデオ画像の記録動作中にカメラ・レンズの駆動モータから発生する雑音を低減することが可能です。
●トーン・コントロール
メーカー各社は低音域、高音域、中音域のイコライズ機能を使用し、ジャズやクラシックなどに最適化でき、最高のオーディオ性能を実現できます。
●3-Dエンハンスメント
左右のスピーカー間の距離が短い場合でも、より大きな音場の拡がりを作る音響効果が得られます。
オンチップのデジタル・オーディオ・プロセッサはデジタル・ドメインで信号処理を行っており、メーカー各社はより高い制御性を保持しながら、よりローノイズでより高い電力効率を実現しています。従来のCodec製品はアナログおよびデジタル回路のために複数の電源が必要であるのに対し、『PCM379x』は単一電源でも動作可能です。オンチップに集積されたコンデンサ・レスのヘッドホン・ドライバ回路は外付け部品点数の低減、ならびに低域特性の向上に役立ちます。
『PCM379x』はI2S、右詰め、左詰め、DSPなどの標準的なオーディオ・インターフェイス・フォーマットならびにI2CおよびSPIなどの制御インターフェイスをサポートしているほか、複数のシングルエンド入力と差動入力ならびに出力をサポートしています。『PCM3793』は6入力(3ステレオ入力ないしは2スレテオ入力 + 1モノラル入力)と5出力を、『PCM3794』は6入力(3ステレオ入力ないしは2スレテオ入力 + 1モノラル入力)と3出力を提供します。さらに各入力信号を選択できるとともに、出力信号をミックスできることから、設計者は広範囲のアプリケーションにおいてさまざまな制御を行うことが可能です。
『PCM379x』はDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)によるデジタル・オーディオ・プラットフォーム、オーディオ用データ・コンバータ、クロック、Class-Dオーディオ・パワー・アンプ、コンデンサ・レスのヘッドホン・アンプをはじめとするTIのポータブル・オーディオ用の製品ポートフォリオを拡張する新製品です。TIはお客様の市場投入時間を短縮するシリコン・チップ、ソフトウェアならびに幅広いサポートを提供します。各製品の詳細ならびに最新の『Audio Solutions Guide』のダウンロードに関しては、 http://www.ti.com/audio (英文)から参照できます。
【 『PCM379x』の主な特長 】
(※ 関連資料を参照してください。)
【 価格と供給について 】
『PCM3793』および『PCM3794』は現在サンプル出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。量産出荷は2006年9月に予定されています。パッケージは5mm(ミリメートル)角、32ピンQFNパッケージです。1,000個受注時の単価の参考価格は『PCM3793』が4.50ドル、『PCM3794』が4.25ドルです。PCインターフェイスを搭載し『PCM379x』を容易にプログラムできる評価モジュールも供給中です。
ハイパフォーマンス・アナログ製品に関する情報は、インターネットでも発信しています。( http://www.tij.co.jp/analog )
※ すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
【 テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて 】
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル家電、ワイヤレス市場などに向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほか、E&PS(教育関連)事業を展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は362億5,000万円です。大分県日出、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。
TIに関する情報はインターネットでも発信しています。( http://www.tij.co.jp )
< 読者向けお問い合わせ先 >
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
プロダクト・インフォメーション・センター(PIC)
URL: http://www.tij.co.jp/pic/
以上