三洋電機、音声の入出力を同時に行えるイヤホンマイク用LSIを開発
騒音環境下でもクリアなハンズフリー通話を実現する
イヤホンマイク用LSI開発
製品名 LC70700W
サンプル出荷開始 2006年11月
生産計画 2007年度末 100万個/月
サンプル価格 3,000円
三洋半導体株式会社はこのほど、独自の音声信号処理DSPをコアとするアナデジ音声信号処理用システムLSIを構築し、ハンズフリーシステムを利用する電話、トランシーバ等の通話で、耳に装着したイヤホンあるいは、ヘッドホンだけで音声の入出力を同時に行うことのできる、専用LSIを業界で初めて開発いたしました。
当社は、新ビジョン「Think GAIA」のもと、快適空間をつくり出す機器開発を支え、環境保全に貢献する半導体製品を提案してまいります。
◆主な特長
1. 業界初(※1)!イヤホンマイクの機能をワンチップLSI化
イヤホンだけで会話が行える、イヤホンマイクを機能させるための、すべての機能をワンチップシステムLSIとして集積
2. 周囲の騒音が通話の相手に伝わらない
このLSIの応用により、大きな騒音環境下での通話において、周囲のノイズを拾うことがないため、クリアな会話を行うことが可能となる
3. マイク不要のハンズフリーシステムを実現
このLSIの応用により、装着した状態のイヤホンがそのままマイクとして機能するため、音声入力用のマイクが不要となる
(※1) 2006年10月3日現在
I. 概要
電話、トランシーバといった通信機器を利用しながら、他の作業を行わなければならない、あるいは、機械を操作しなければならないといった場合、体にイヤホンとマイクを装着し、ハンズフリーで会話を行うことがあります。
従来こうしたハンズフリーシステムには、イヤホンとマイクは必須とされていましたが、イヤホンの振動板をマイクとしても利用することにより、イヤホンからの音声入出力を実現し、イヤホンだけでハンズフリー通話を行うことができるようになります(※2)。 このため、この技術を機器に応用するための専用LSIの開発が待たれていました。
このほど当社は、当社独自の音響用デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)をコアとして、高利得アナログアンプ、AD/DA変換器、PCMシリアルインタフェース、ホストCPUインタフェース等の機能ブロックをワンチップに集積し、音声信号処理プログラムを組み込むことにより、イヤホンだけの音声入出力を実現する、イヤホンマイク用LSI LC70700W を世界で初めて開発しました。
LC70700Wの利用により、耳の鼓膜から発生する微弱な音声を、イヤホンから直接入力することができるため、大きな騒音環境化においても周囲のノイズを拾わない、クリアな会話が行える通信が実現します。 また、マイクのいらないスマートなハンズフリーシステムが実現するため、イヤホンとマイクを装着する煩わしさが払拭され、ブルートゥース等の無線システムとの融合などにより、ハンズフリーシステムが今後普及拡大する弾みになると期待しています。
(※2) 人間は音声を発する際に、口から出る30分の1というレベルながら、耳からも音声信号を発しています。 これを、通常スピーカーとして装着しているイヤホンの振動板にマイクの機能も付随させ、耳孔内のエアー伝道を利用して、音声を入力させる技術。骨伝導方式より高音質。
II. 主な特長
* 関連資料 参照
III. 主な仕様
電源(電圧) :2電源(3.3V(I/O、アナログ)、1.5V(内部ロジック))
ホストCPU インタフェース(4線式):スレーブ
シリアルPCMインタフェース(4線式/3線式):マスター/マスター・スレーブ
GPIO:11ポート
A/Dコンバータ(ΔΣ方式16bit/8kHz):2チャネル
D/Aコンバータ(ΔΣ方式16bit/8kHz):3チャネル
高ゲインアンプ (ゲイン切替え付き:4レベル)
各種LPF 、ソースセレクタ
パッケージ:SQFP64 (10mm x 10mm 1.7mm (ピンを含む:12mm x 12mm))
IV. 主な用途
携帯電話用ハンズフリーセット、電話オペレーター用ハンズフリーヘッドセット、業務用インカムトランシーバ
◆お客様からのお問い合わせ先
三洋半導体株式会社 経営企画室
商品戦略ユニット 商品戦略部
〒110-8534 東京都台東区上野 1-1-10
TEL 03-3837-6401 FAX 03-3837-6402