三井物産、ロシアのユージナヤ・ウラン鉱山開発事業化調査に参画
ロシアにおけるユージナヤ・ウラン鉱山開発事業化調査への参画
当社は、ロシア国営企業テネックス(TENEX)(正式名;テクスナブエクスポート(TECHSNABEXPORT))との間で、ロシア連邦サハ共和国アルダン(Aldan)地区にあるウランの未開発鉱床「ユージナヤ」(Yuzhnaya)鉱区の事業化調査を共同で行い、当社が将来、本プロジェクトに参画する為の独占交渉権を得ることに合意し、10月5日、モスクワにて関連契約書に調印致しました。
ユージナヤ鉱区内には、25万トン超のウラン埋蔵量が予想されており、世界的に見ても最大級の鉱床です。これまでテネックスが単独で同鉱区の探査を進めてきましたが、今後約1年半をかけて投資決定の為の最終的な事業化調査を行うにあたり、当社をパートナーとして迎え、共同で調査を進めることとなりました。本調査の所要資金6百万米ドル(約6億9千万円)は当社が負担し、テネックスはオペレーターとして技術調査や国内の各種許認可取得手続を行います。
当社は、事業化調査の資金を拠出することにより、将来事業性が確認され両者間で諸条件の合意が整った場合、テネックスから同鉱区の権益保有会社の株式の約25%を買取る権利を保有します。テネックスと当社の共同出資による合弁事業が実現した場合、当社はロシア国内においてウラン権益を取得する初の外資企業となり、ユージナヤ鉱山の建設・ウラン生産ならびにマーケティングを行う予定です。鉱山の総工費の見込みは2億45百万米ドル(約282億円)で、出荷開始は2009年を目処とし、フル生産体制の年産1,000トン(ウラン精鉱)には2015年頃に達することを目標としています。
現在、全世界の発電量の2割弱は原子力発電により賄われており、世界のウラン需要は年間約6万7千トン (内日本の需要量は約87百トン)です。地球温暖化は世界全体の深刻な問題という認識が広まる中、原子力を再評価する流れが各国で生まれており、経済発展の目覚しいアジア諸国及びロシアを中心に多くの新規原子力発電所建設が計画されています。ユージナヤ・プロジェクトで生産されるウランは全量が発電用に供され、当社は、電力会社向けにCO2を排出しない原子力発電の燃料となるウランの安定供給を通じ、地球温暖化防止に貢献します。
【 テネックス概要 】
テネックスは、ロシア連邦原子力庁(ロザトム)が国内に持つ原子力施設で生産される原子燃料製品・役務を輸出・販売する権利を持つロシア政府100%出資の国営会社です。近年ではウラン鉱山投資にも乗り出し、カザフスタンおよびウズベキスタンにおいて新規資源開発に取り組んでいます。当社は、テネックスの濃縮役務等についての日本向販売代理店としてこれまで好関係を築いて来ましたが、本ユージナヤ・プロジェクトを通じ、ウラン精鉱供給源の共同開発においても更なる関係強化を図る予定です。
添付資料:ユージナヤ鉱区の位置