三菱重工、高精度加工と優れた拡張性の立形高速加工機「μマシニングV1」を開発
新発想の小型精密加工機
高精度加工の実現と自動化対応・拡張性へのこだわり
三菱重工業は、小型精密加工市場へ初めて本格的に参入するマシンとなる立形高速加工機「μマシニングV1」を開発、13日から発売する。主軸最高回転速度4万回転/毎分の達成など、高精度加工を実現する基本機能を広く備えただけでなく、自動化へフレキシブルに対応する拡張性が特徴。
「μマシニングV1」は、縦軸ストローク350mm以下の、高精度金型・電極・精密部品加工用のマシン。加工精度±1μmのこの市場は、電子、光学、医療機器、半導体デバイスなどの分野にわたって急速に需要が広がっており、当社は、本機の投入により積極的な営業を展開していく。
また、本機の市場浸透をはかるため、「5軸対応」や「精密非接触工具長自動測定装置」など、高付加価値加工を支えるオプション類を充実させるほか、この分野の新たな製品開発にも取り組んでいく。
主な特徴は以下の通り。
1.高精度加工
・主軸に新開発のベアリング潤滑・内部冷却システム※1を採用、最高回転速度毎分4万回転においても熱変位は少なく、短時間で安定させることができる。
・設計的妥協のないシンプルな構造体※2を採用、機械バランスを重視して、動的変位を排した高精度加工を実現。
・コラム(機械本体を構成する柱)に特殊な温度制御媒体(商品名:W-1)を封入し、熱変化の影響を抑える。
・位置情報を正確にフィードバックする高分解能スケール(0.05μm)を装備。
2.フレキシブル自動化対応
・機械四方からの自動化機器のアクセスを可能にして、自在な自動化対応レイアウトを実現。
・自動工具交換装置(ATC)の左右配置変更を可能にして、“機械2台+自動搬送装置1台”のレイアウトを無理なく実現するなどの、優れた拡張性。
なお、本機は、11月1日から8日までの8日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催される第23回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2006)に出品、実演展示する。
※1 ベアリング潤滑・内部冷却システム=主軸が発生する熱を、軸の内側と外側から温度管理された油で冷却すると共に、その油を利用してベアリングの潤滑を行うシステム。
※2 設計的妥協のないシンプルな構造体=質量、左右対称、駆動部の重心配置、力の流れを考えたリブ配置など、熱剛性、動剛性を追求した構造体のこと。
以 上