ナリス化粧品、中国の薬用植物ガジュツから従来の効果を上回る新美白成分を発見
ナリス化粧品、従来の効果を上回る、新美白成分を発見
中国の薬用植物ガジュツにアルブチンを上回る美白効果を確認
株式会社ナリス化粧品(本社:大阪市、社長:村岡弘義)はショウガ科の植物ガジュツから抽出したエキスに従来、効果が高いとして知られているアルブチンの4倍の美白作用があることを発見しました。本成果は、2006年 IFSCC大阪大会(IFSCC:国際化粧品技術者会連盟 2006年10月16日~19日、大阪市)において、ポスターセッションの発表を行います。
(研究背景)
●「シミ」は老化現象の一つとして、いつも日本人の肌悩みランキングの上位に位置します。美白化粧品の日本での売り上げ規模は世界のトップレベルにあり、化粧品会社各社はより効果の高い、新しい美白成分の開発に余念がありません。これまで、シミが出来るまで、出来たシミが消えていくまで等、様々な段階で作用する美白成分がいくつも見出され、常に新しい成分が期待されています。
●シミ等の原因となるメラニンは外部の刺激によって「メラニンを作れ!」という信号を受けたメラノサイトという細胞の中でメラニンが作り出され、シミとなって現れてきます。信号がメラノサイトに伝わる時、メラノサイト側では「レセプター(受容体)」がこの信号を受け取り、メラノサイトの中へと伝えていきます。このレセプターの部分に着目した美白成分の研究はこれまで余り行われておらず、本研究はガジュツエキスがこのレセプターの発現を抑制することを発見したものです。
●ショウガ科のガジュツ根茎は従来、漢方薬として胃炎等、胃の病に使われており、最近は「紫ウコン」としてサプリメント等でブームになっています。
(研究結果)
今回ガジュツエキスがレセプターの発現を抑制、ひいては美白効果を現すのを検証するために、培養した細胞を用いて2種類の試験、及びヒトへの日やけの試験を実施し以下の結果を得ました。
1.レセプター遺伝子の発現を60%も抑制した
培養メラノサイトを用いて、レセプターのmRNA(DNAが転写されたもの)の発現量を計測しました。その結果、ガジュツエキス無添加と比較して60%も発現が抑制されていました。これはガジュツエキスの効果によって、紫外線を浴びても、「メラニンを作れ」という信号を受け取るレセプターが作られていないので、メラニンは生成されないということが示唆されます。
2.メラニンの産生量を40%抑制し、アルブチンの4倍の効果があった
3次元ヒト皮膚モデルの細胞を使ってガジュツエキスがどの程度メラニン生成を抑制するかを確認しました。同じく美白成分として知られているアルブチンとの比較もしたところ、何も添加しないものと比較して40%メラニンの産生が抑制されており、またアルブチンとそのメラニン産生抑制効果を比較すると濃度比約4倍の効果が認められました。(参考:メラニンによって黒化している細胞の写真)
3.実際のヒトへの日やけ試験で、高い効果が認められた
紫外線を照射したヒトの皮膚に、ガジュツエキスを配合した化粧水を塗布し、経時での日やけの回復度を写真撮影と色差測定により評価しました。その結果、非常に高い回復が認められました。
この結果は特許出願済みで、今後、当社では美白製品への配合を目指す予定です。
(参考資料)
●(株)ナリス化粧品 ホームページ http://www.naris.co.jp/
●IFSCC大阪大会ホームページ http://www.ifscc-congress06.org/
●化粧品技術者会 ホームページ http://www.sccj-ifscc.com/