東レ合繊クラスター、植物タンパク繊維の新素材「アミノス」を来年春夏向けに本格展開
人と環境に優しい植物タンパク繊維
「アミノス(R)」の本格展開について
東レ合繊クラスターではこの度、大豆から抽出したタンパク質を原料とする植物タンパク繊維「アミノス(R)」について、「天然由来繊維分科会」(委員長会社:(株)ミツヤ)で商品開発を進め、衣料用テキスタイル(織・編物)としての実用化に成功しました。人と環境に優しい新素材として、2007年春夏向けに本年12月から本格展開を開始します。
まずはブラウス、シャツ、ワンピース、ジャケットなどの高級婦人アウターウェア用途向けに販売しますが、その後、紳士アウターウェアや婦人・紳士インナーウェアなどにも用途拡大を図る予定です。販売量は初年度10万m、3年後100万m(150cm幅、クラスター参加企業からの出荷数量の合計として)を計画しています。
「アミノス(R)」は、大豆タンパク質が原料であることから、従来の化繊・合繊や天然繊維とは違ったソフトでなめらかな風合いを持ちます。また、綿と同等の吸・放湿性を有しており、更には比重が小さいことから衣服にした際に軽量であるなど、「人に優しい」特長があります。
また、大豆からタンパク質を抽出した後の残りは肥料や飼料として活用できるために無駄が無く、加えて、天然由来成分を原料としているので石化原料を削減することができるなど、「環境に優しい」事も特長です。
近年、原油価格の高騰や環境対応の観点から、繊維業界でも非石油系の素材開発が急務となっており、ポリ乳酸(PLA)をはじめとする天然由来繊維の開発が進められています。
今回のような大豆由来の植物タンパク繊維についても、中国で繊維としての開発が進められ、日本国内でも婦人ニット等一部の商品が店頭で販売されていますが、物性や染色性の課題がありアウター織物用途を含めた商品の本格展開には至らず、広く市場には浸透していない状況です。
今回は、東レ合繊クラスターの分科会活動において、産地企業がこれまで培ってきた紡績技術、織物・編物設計技術、染色加工技術を結集することにより、約1年半に亘って、用途・アイテム毎に東レの特品原糸との複合、天然繊維との複合など最適な素材の組み合わせを行い、商品の多様化を図ることで、素材の持つ優れた特長を十分に発揮できるテキスタイル開発を進めてきました。また、本年4月から本格的に活動を開始した「マーケティング部会」にて用途・分野ごとの最適な販路を検討し、賛助会員(一村産業、蝶理、丸佐、東レインターナショナル、東レアルファート等)である各商社及びクラスター参加企業各社の自販といったそれぞれの得意分野へのアプローチなどを実施することで、本格的な上市に至りました。
東レ合繊クラスターでは、先端材料と感性で世界をリードする日本の繊維産業の復権を目指し、これからも産地の経営力・技術力を結集した商品開発・販売開拓の活動を進めて参ります。
「アミノス(R)」に関する詳細は下記(関連資料)の通りです。
以 上
<お問い合わせ先>
■ 商品について
株式会社ミツヤ 営業部 TEL:0776-55-1100
■ 東レ合繊クラスターについて
東レ合繊クラスター事務局(東レ株式会社北陸支店内) TEL:0776-22-5370