ファンケル、「ビタミンC」の美白効果を「グレープフルーツエキス」が高めることを確認
~ビタミンCの美白効果を増強する素材を発見~
日本皮膚科学会で研究発表、商品化に着手
株式会社ファンケル(本社:横浜市中区、代表取締役社長執行役員:藤原謙次)は、総合研究所での基礎研究を通じ、「ビタミンC」の美白効果を「グレープフルーツエキス」が高めることを確認しました。この研究成果を10月14~15日に青森県で開かれる「日本皮膚科学会東部支部学術大会」で発表致します。また、研究成果に基づく商品を早ければ来春にも発売する予定です。本研究はビタミンCを細胞内に取り込む入り口のメカニズムに着目した新しい理論で、商品化は日本で初めてとなります。
◆研究の経緯
肌の美白成分として知られるビタミンCは、細胞に存在する「ナトリウム依存性ビタミンC輸送体」(以下:SVCT)を入り口にして、細胞内に取り込まれ、しみなどの原因となるメラニン色素を還元し、美白効果を発揮します(右図)。一方、ファンケル総合研究所が行った基礎研究によって、SVCTの遺伝子発現は紫外線や老化の影響で減少することが分かりました。
さらに研究所では、この現象に着目し、数年前からSVCTを増強して、細胞の中により多くのビタミンCを取り込ませることが可能な素材の探索を進めて参りました。
参考図1:SVCTは細胞にあるビタミンCの入り口
◆「グレープフルーツエキス」に高いSVCT増強効果を確認
数百種類の素材の中から、SVCTの発現を増やす成分を探索した結果、「グレープフルーツエキス」に最も高いレベルでSVCTの遺伝子を増やす効果があるこ
とを発見しました。
グレープフルーツエキスを加えた場合とそうでない場合では、遺伝子の発現量に約2倍の差がありました。
また、ビタミンCの効果増強を測定したところ、ビタミンC単独のメラニン産生抑制効果を100%とした場合、グレープフルーツエキスを添加したケースは250%でした。
参考図2:グレープフルーツエキス+ビタミンC誘導体が最も速くシミを改善しました
さらにヒトでの塗布試験(参考図2)においても「ビタミンC誘導体+グレープフルーツエキス」の組み合わせが、ビタミンC誘導体単独などに比べ、紫外線による(1)炎症をできにくくする効果(2)色素沈着を改善する効果が高いことを確認しました。
◆日本皮膚科学会で研究成果を発表、商品化にも着手
SVCTのメカニズムに着目した研究は、非常に新しい分野となります。当社では、研究成果を受け、本年10月14日~15日に青森県で開かれる「第70回日本皮膚科学会東部支部学術大会」で、関連の研究成果2題を発表します。
また、早ければ来春にも研究成果に基づく化粧品を販売する予定です。SVCTのメカニズムに基づく美白化粧品の販売は、日本で初めての商品となります。