ミック経済研究所、CRMアウトソーシング市場の現状と展望の調査結果を発表
◆2006年度、CRMアウトソーシング市場は、実質二桁増の5,794億円。
◆2007年度以降、市場は依然として拡大するが、伸びは率が安定し、年平均成長率9.7%で推移。2011年度で市場規模は9,200億円へ。
情報・通信、アウトソーシング分野専門の市場調査機関である株式会社ミック経済研究所(本社:東京港区、社長:有賀章、以下ミック)は、国内のテレマエージェンシー、ヘルプデスクエージェンシーといったコールセンタ/コンタクトセンタ関連のアウトソーシングを請負う企業を対象とした
「CRMアウトソーシング市場の現状と展望2007 (第4版目)」(調査期間2006年12月~2007年3月)を発刊した、と発表しました。
同マーケティング資料は国内の主要CRMアウトソーサ41社を対象に、各社のCRMアウトソーシング売上高及び動向について調査しています。本調査では、各社の売上実績および予測値を、業態別、業務別、需要分野別、BtoC/B/E別、外販・系列販売先別といった観点から集計・分析しています。また、各社の動向を積み上げ、2011年度までのCRMアウトソーシング市場の中期予測をしています。
本調査が対象とするCRMアウトソーシング市場は、下記7セグメント市場。
1 CTIコールセンタ市場
受託企業側サイト・設備で、コンピュータと電話を融合したCTI設備で業務を行う。
2 eCTIコンタクトセンタ市場
受託企業側のサイト・設備で、CTIに加え、メールやWebといったマルチメディアチャネルに対応した設備で業務を行う。
3 非CTIコールセンタ市場
受託企業側のサイト・設備で、CTI設備を利用せず、単に電話・FAXとマンパワーのみで業務を行う。
4 派遣・請負市場
クライアント企業側のサイト・設備で、コールセンタ/コンタクトセンタの運営を一括して行う。もしくは、オペレータ、SVなど派遣を行う。
5 データベースマネジメント市場
コールセンタ/コンタクトセンタで取得した情報を一元管理し、データマイニングするサービス。
6 フルフィルメントサービス市場
コールセンタ/コンタクトセンタ業務のバックオフィス業務を行う。
7 コンサルティング市場
CRMアウトソーサが提供するコンサルティングサービス。業務受託するにあたり、クライアント側に費用の生じない「営業コンサル」、「導入コンサル」は除く。
調査結果の概略は、下記のとおりです。
<CRMアウトソーシング市場>
2006年度CRMアウトソーシング市場は、前年度比107.8%で579,400百万円となる見込です。
ただし、今回の調査でCRMアウトソーシング売上が約150億円減(△90.9%)の企業があり、同社を除いて集計すると前年度比111.1%と二桁台の伸び率で好調に推移する見込みです。
同年度は、2006年10月に開始されたMNP(携帯電話の番号ポータビリティ)制度以外に、CRMアウトソーシング需要を押し上げるようなインパクトのあるトピックはありませんでした。MNPは元々キャリア向けの業務を受託しているアウトソーサの売上増加には繋がりましたが、予想されていたほど契約者が動かなかったことで、他のアウトソーサが業務を拡大するほどのコールセンタ業務の急増には至りませんでした。しかし、各アウトソーサとも得意な分野で売上を伸ばしている企業が多く、市場全体は依然として好調と言えます。
2007年度は、参議院選挙など選挙関連の世論調査のようなCRMアウトソーシング需要増加要因もあり、前年度比114.9%の665,900百万円と非常に好調に推移する予測です。
2007年度以降の5年間、市場は平均成長率9.7%で推移し、2011年度には920,000百万円まで拡大すると予測しました。今後も選挙や新技術、新サービスの開始に伴って、伸びが一時的に強まる可能性はあるものの、かつてのマイライン特需のような大きな要因は見当たらないため、CRMアウトソーシング市場は安定期に入ってきたと言えます。
また、CRMアウトソーシング市場をオフサイト(CTIコールセンタ/eCTIコンタクトセンタ/非CTIコールセンタ)、オンサイト(派遣・請負)のカテゴリで見ると、オフサイトの合計は、2006年度234,755百万円(前年度比99.9%)で、CRMアウトソーシング市場全体の40.5%を占めています。一方、オンサイトである派遣・請負は、同年度267,030百万円(前年度比116.7%)・市場構成比46.1%となる見込みです。ただし、既述した150億円減の企業がオフサイト売上に含まれており、同社を除くと前年度比107.2%と、オフサイト市場も堅調に推移する見込みです。
オンサイト売上は、2004年の個人情報保護法施行からインソースを希望する顧客が増加したことに加え、オンサイトでの対応が多い金融分野の需要拡大なども要因となって、2006年度、2007年度と二桁台の高い伸び率で好調に推移する予測です。
今後も顧客情報を管理する観点から、顧客の設備で業務を行うオンサイト型の需要が高く、オフサイトに比べてオンサイトが強めに伸びる傾向はしばらく続くと考えられます。
なお、資料の体裁はA4版616頁のファイル製本で、価格はハードコピー版で199,500円(消費税込み)です。(CD-ROM版 399,000円もご用意しております。)