選択的エストロゲン受容体モジュレーターをラディウス社に導出
エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、ラディウス社(本社:米国マサチューセッツ州、社長:リチャード・リトル)に、エーザイが創製した新規の選択的エストロゲン受容体モジュレーター(Selective estrogen receptor modulator:SERM)を導出する契約を締結しました。
今回の契約締結により、ラディウス社は当該化合物を新規の骨粗鬆症治療剤、ならびに更年期障害に伴うほてり等の不定愁訴の改善剤として開発する計画です。
本契約の締結により、当社はラディウス社に、日本を除く全世界をライセンス対象地域として、当該化合物の研究、開発、製造、販売に関する独占的権利を供与し、日本における権利は、引き続きエーザイが保持します。現在、当該化合物は非臨床開発段階にあり、ラディウス社は今後、ライセンス対象地域において開発を実施します。
なお、本契約に伴い、当社はラディウス社より契約一時金を、また将来、マイルストンペイメント、ロイヤルティ支払いを受け取ることになります。
当該化合物は、骨粗鬆症に対して治療効果が期待される一方、エストロゲン様活性に伴う末梢性の副作用が少ないと考えられる新規の化合物です。また、現在承認されているSERM製剤が効能を有していない、更年期障害に伴うほてり等に対する改善効果も期待されています。
ラディウス社は、婦人科領域の医薬品開発に特化したバイオベンチャー企業です。当社は、当該化合物をラディウス社へ導出することにより、更年期障害や閉経後骨粗鬆症の治療にエストロゲン補充療法が広く用いられている欧米において、さらなる患者価値の創出に貢献ができることを期待しています。
以 上
<参考資料>
1.用語解説
○SERM
SERMとは、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(Selective estrogen receptor modulator)を意味し、エストロゲン受容体に結合する非ステロイド系化合物のひとつです。
エストロゲンは、女性ホルモンのひとつであり卵胞ホルモンともいわれます。子宮内膜増生、骨代謝促進、血小板凝集能亢進、乳がん・子宮内膜がんの増殖促進などの作用があります。
一方、SERMは、臓器や組織の部位によって作用が異なり、ある部位ではエストロゲン様の作用を示しますが、別の部位ではエストロゲンに対する拮抗作用を示すことも報告されています。
2.導出会社概要
○ラディウス社
婦人科領域に特化した米国のバイオベンチャー(未公開企業)
会社名:Radius Health Inc.
社 長:C. Richard Lyttle
設 立:2003年
所在地:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ