ヤンマーなど、バイオディーゼル燃料でコージェネレーションシステムの実証実験を開始
バイオディーゼル100%燃料によるコージェネレーションシステム長期実証運転試験を開始
滋賀県高島市(以下、高島市)とヤンマー株式会社(以下、ヤンマー)は、バイオディーゼル燃料(植物油から製造される軽油代替燃料)100%を使用した9.9kW小型ディーゼルコージェネレーションシステムの実証試験を開始いたします。本試験は、本年度から2008年度(平成20年度)の予定で、高島B&G海洋センター(*1)において実施いたします。
今回の実証試験で使用するバイオディーゼル燃料は、高島市内で回収した廃食油を原料とし、市内に既設のバイオディーゼル燃料製造装置(*2)で製造された燃料です。バイオディーゼル燃料は軽油代替燃料としてディーゼル機関で使用可能な燃料であり、バイオマス(廃食用油)を原料としていることから、その燃焼によって発生するCO2は温室効果ガスとしてカウントされないカーボンニュートラルという特徴を有します。また燃料中に含有硫黄分が少ないために、硫黄酸化物の排出が少ないことや含酸素燃料であることからエンジン内での燃焼が促進され、一酸化炭素や"すす"の排出も少ないなどクリーンな燃料として注目されています。
3年間の試験運転期間中、発電された電力ならびに排熱はB&G海洋センター内で使用するとともに、この間に、バイオディーゼル100%燃料対応エンジン及びシステムの性能評価や各部部品の耐久性評価を行います。
近年、地球温暖化防止・CO2削減に向け全国各地でバイオディーゼル燃料活用の動きが拡がっています。
高島市においても、平成11年から旧新旭町において一般家庭や事業所から発生する廃食油の回収を行っており、この回収した廃食油は、社会就労センターアイリスにおいて、石鹸の製造、バイオディーゼル燃料の製造を行い、保育園バス等に利用しています。
今回の試験により、廃食油の利用を市民の身近なところで行うことにより、市民の環境への関心を高め、バイオマスを利用したエネルギー自給自足のまちづくりを目指します。
ヤンマーにおいては、従来より高効率で耐久性のあるコージェネレーションシステムを開発・販売しておりますが、本試験においても、バイオディーゼル燃料燃焼技術の評価を行ない、信頼性の高いコージェネレーションシステムを構築していきます。
高島市ならびにヤンマーは、回収-製造-利用までの一貫したシステムの実証試験を通じて、地域分散型のバイオマス利活用方法を構築し、その普及を推進して参ります。
*1:体育館・各種プール・グランド等を有する運動施設
(所在地:滋賀県高島市宮野1516)
*2:社会就労センター「アイリス」(滋賀県高島市新旭町北畑45)内に設置
以上
※フロー図や参考画像は添付資料を参照
