IDC Japan、2006年第2四半期国内PC市場速報を発表
2006年第2四半期国内PC市場速報を発表
.2006年第2四半期の国内PC出荷台数は、前年同期比2.3%減の341万台
.サッカーワールドカップ開催の影響等により家庭市場が低迷
.上位5社に大きな順位変動。デルが2位、ソニーが5位に浮上
IT専門調査会社IDC Japan株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、日本国内におけるPC市場出荷速報について発表しました。これによると、2006年第2四半期(4月から6月)の国内PC出荷台数は、前年同期比2.3%減の341万台となりました。
2006年第2四半期には、ビジネス市場が前年並みの結果を示す一方、家庭市場はサッカーワールドカップが開催され、TVなどの家電製品にボーナス需要が流出したことや、2006年第1四半期(1月から3月)から持ち越した流通在庫が新規出荷を圧迫したことなどによりマイナス成長となっています。
ベンダー・ハイライト
2006年第2四半期には、2005年第1四半期以来、約1年ぶりに上位5社の順位に変動がありました。デルが富士通を抜いて国内PC市場で初めて2位に浮上したことに加え、ソニーが5位となり、2004年第1四半期以来、約2年ぶりに上位5社入りしています。
NECは、順位、シェアは維持しましたが、市場低迷の影響を受け、出荷台数は前年同期比2.0%減となりました。金融系企業向けに大規模案件出荷があったため、前年同期比のマイナス幅は比較的小幅に留まっています。
デルは国内市場において初めて2位を獲得しました。デルに代わり3位に転落した富士通が、流通在庫圧縮のために新規出荷を抑制する、価格的に厳しい案件から手を引くなど、収益重視の事業戦略を採っている一方、デルは日本国内市場でのシェア拡大のため、積極的な価格攻勢や広告露出を進めています。また、防衛庁向けの大型案件(約5万6千台)の納入が2006年第2四半期から第3四半期にかけて行われており、これもシェアの上昇に貢献しています。
東芝は、前年同期比10.9%となり、高い成長率を維持しています。家庭市場、ビジネス市場ともに好調で、両市場において、前年同期よりシェアを拡大しています。今回5位に浮上したソニーは、前年同期比13.2%増と、デルの防衛庁向け出荷の影響分を除くと、上位5社のうち最も高い成長率となりました。デスクトップPCと比べて市況がよいポータブルPCにおいて強みを発揮し、収益を維持しながらの成長を実現しています。
IDC Japan パーソナル・コンピューティングシニアマーケットアナリストの新行内久美は「ソニーは全社的には現在事業改革の途上にあるが、PC事業に関しては他事業が好調であった時期に事業再構築に着手していた。その結果、他事業に先行して収益体質への転換が完了しており、攻めの体勢が整ってきている」と分析しています。
2006年第3四半期の見通し
2006年第3四半期の国内PC市場について、家庭市場の落ち込みが大きいことなどから、2006年通期の市場規模は当初の見方より下方に修正される見通しです。
家庭市場においては、マイクロソフトの次世代OS「Windows Vista」のコンシューマー版の発売予定が2007年となっているため、年末商戦においては買い控えが発生し、需要が2007年へと持ち越されることが見込まれます。また、需要変動が例年と異なる動きとなるため、ベンダー各社の出荷計画にも影響が及ぶ見通しです。ビジネス市場では、PCセキュリティへの関心が強まっている一方で、企業におけるリプレース需要の一巡から需要の鈍化傾向がみられます。
今回の発表は速報値であり、将来変更となる可能性があります。IDCが発行するレポート「Japan PC 2006-2010 Forecast and Q206 Vendor Shares: Quarterly Model Analysis 」( J6020303 )にその詳細が報告されています。本レポートでは、2006年第2四半期の国内PC市場実績と2006年から2010年までの市場予測が掲載されます。(※レポートの詳細についてはIDC Japanへお問合せ下さい)
本調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自の分析を行い算出したものです。ここでいう国内のPC市場には、x86サーバー、デスクトップPC、ポータブルPCが含まれています。IDCではより正確な情報を提供するため、過去の実績を含むデータの見直しを随時行っております。そのため、本発表で用いられる数値はIDCが過去に発表したものと異なることがあります。
(※本リリースは http://www.idcjapan.co.jp でもご覧いただけます。)
<参考資料>
2006年第2四半期 国内PC 出荷台数トップ5ベンダーシェア、前年同期比成長率(速報値)
Source: IDC Japan, 8/2006
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