万有製薬など、新規2型糖尿病治療薬シタグリプチンの日本での第III相臨床試験を開始
新しい作用機序の経口2型糖尿病治療薬
シタグリプチン/Sitagliptin(DPP-4阻害薬)の日本国内での第III相臨床試験開始
このほど新規2型糖尿病治療薬シタグリプチン(開発コードMK-0431/ONO-5435)の日本国内における第III相臨床試験が開始されました。シタグリプチンは、米国メルク社(Merck&Co.,Inc.,Whitehouse Station,New Jersey,U.S.A.)によって開発された薬剤で、血糖(血中グルコース)の上昇時に血糖を下げるという生体が持つ能力を高める、新しいクラスとなりうる経口薬(DPP-4阻害薬)です。DPP-4阻害薬の作用機序は、現在使用可能であるどの血糖降下薬の作用機序とも異なります。万有製薬が第II相臨床試験を実施し、第III相臨床試験については、2004年に締結された米国メルク社と小野薬品とのライセンス契約に基づき、両社が共同で実施をするものです。
シタグリプチンは、強力な選択的ジペプチジルペプチターゼ(DPP)-4阻害薬です。DPP-4阻害薬は、インクレチンシステムという血糖値を下げる体内の仕組みを活性化することにより、血糖低下作用を発揮します。血糖値が上がると、インクレチンは高血糖を調整するために、膵臓からのインスリン分泌を増加させ、また、肝臓での糖(グルコース)産生を抑制するよう働きかけるという2つのメカニズムで血糖を低下させます。DPP-4阻害薬は、活性化インクレチンホルモンのレベルを上げることにより、体内に備わっている血糖値をコントロールする能力を高め、2型糖尿病患者さんにおける血糖値の低下を助けます。これまでに実施された国内外の臨床試験の結果によると、シタグリプチンは優れた血糖降下作用を示し、投与前値と比べて有意な体重増加は認められませんでした。また、これらの試験では低血糖症の発現はプラセボ群と同様でした。
以 上