セイコーNPC、携帯電話の薄型化を実現するELドライバICをサンプル出荷
携帯電話の薄型化を実現するELキーパッドに最適、
正弦波駆動方式採用「SM8146AD」サンプル出荷開始
セイコーNPC株式会社(略称:NPC、本社: 東京都中央区日本橋兜町15番6号、社長:五味 佳文)は、携帯電話向けに、新方式の正弦波駆動により、外付け抵抗なしで圧電性可聴ノイズの低減を実現するEL(*1)ドライバIC「SM8146AD」を開発し、サンプル出荷を開始しました。
携帯電話市場では、高機能・多機能化が進む一方、筐体のデザイン性も重視され、とくに薄型化へのニーズが高まっています。これまで、携帯電話のキーパッド部にはLEDが使用されていましたが、ELシートを採用することにより、薄型化に加え、ムラのないキー照光を実現することができます。
NPCは、携帯機器の高効率で安定したELシート駆動に幅広く対応し、高耐圧プロセスを用いたELドライバIC「SM814xシリーズ」を商品化して参りました。この度、リリースする「SM8146AD」は、携帯電話向けに特化し開発した商品で、以下の特長を備えています。
3.10mm×2.85mm×0.75mmサイズのSON-10パッケージを採用し、最大30cm2までのELシートを駆動可能です。また、定電圧EL駆動により、Li-ion電池等からの直接駆動時においても、電池の電圧降下に影響を受けず、安定したEL輝度を保つことができます。さらに、パルス入力による8段階の輝度調整、入力端子(ENA,DIM)が1.8V系CPUからの直接制御に対応しているため、キーパッドイルミネーションなどの設定が容易にできます。
また、ELシート駆動において、部品密度が高い携帯端末で問題となる可聴ノイズの発生に対し、「SM8146AD」は正弦波駆動を採用しています。これにより、ノイズの少ない滑らかな正弦波形によるEL駆動を得ることができ、高調波成分を抑制します。加えて、本製品を使用することにより、ノイズ対策用の外付け抵抗による調整が不要となり、設計にかかる負担を軽減することができます。
本製品を使用することにより、ELシート駆動による携帯電話の薄型化、キーパッド部のムラのない照光を実現することができます。また、外付け抵抗に頼ることなく、可聴ノイズを低減することができますので、設計の負担を軽減し、周辺部品削減による小型・薄型化へ貢献します。
NPCでは、ELドライバICに加え、白色LEDドライバICをラインナップしています。このドライバICのラインナップ充実に加え、今後、パワーマネージメントICの製品展開を図って行きます。
(*1)
EL:Electro Luminescence
ELシート:高誘電率バインダ中に分散した蛍光体に交流電圧をかけることにより発光する面発光素子
[新製品概要]
製品名:SM8146AD
サンプル出荷時期:2006年8月
サンプル価格:150円/個(税込価格:157円/個)
量産出荷時期:2006年9月
量産予定数量:150万個/月
[新製品の主な特長]
・可聴ノイズの少ない正弦波EL駆動波形
・電源電圧変動に依存しない定電圧EL駆動
・コイルとELの駆動周波数を個別調整可能
・イネーブル機能搭載(ENA端子)
・調光機能搭載(DIM端子)
・1.8V系CPUから直接制御可能(ENA/DIM端子)
VIH = 1.4V (min) @VDD = 2.5~5.5V
・電源電圧範囲:2.5V~5.5V
・最大EL駆動電圧:170Vp-p (typ)
・EL駆動周波数:250Hz (typ, ROCE = 200kΩ)
・動作電流:0.5mA (typ)
・待機電流1.0μA (max)
・推奨インダクタンス値:220μH (typ)
・パッケージ:10ピンSON
◇NPCは、1975年に設立、操業を開始したセイコーグループの半導体IC専業メーカーです。
◇日本プレシジョン・サーキッツ株式会社は、2006年4月1日より社名を「セイコーNPC株式会社」に変更いたしました。