富士経済、喫茶など8カテゴリーの外食市場調査結果を発表
ファミリーレストラン、喫茶など8カテゴリーの外食市場調査を実施
―バイキングレストラン市場は2006年に785億円の見込み(前年比114%)―
総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役 阿部英雄03-3664-5811)は、2006年6月~7月にかけて8カテゴリーの外食市場を調査し、その結果を調査報告書「外食産業マーケティング便覧2006(下巻)」にまとめた。下巻では、ファミリーレストラン、喫茶、西洋料理、日本料理、東洋料理、エスニック料理、給食、宿泊宴会場の調査結果をまとめた。
尚、これら8カテゴリー以外のファーストフード、テイクアウト、ホームデリバリー・ケータリング、料飲店、交通機関、レジャー施設の調査結果は「外食産業マーケティング便覧(上巻)」(6月発刊)に収載している。
【 調査結果の概要 】
<カテゴリー別市場>
●ファミリーレストラン
イタリア料理、和食など、特定の料理への特化型が躍進してきたが、この成長にもかげりが出始めている。市場全体が成熟化している中で、バイキングレストランは、値頃感と嗜好の多様性などの消費者ニーズに対応して市場を拡大している。
●喫茶
規模の大きい喫茶店・コーヒー専門店市場が縮小しているために市場全体が減少していたが、2003年以降、消費者を惹き付けた高価格型コーヒーショップなどの躍進により、市場はプラスに転じている。ジューススタンド市場はヘルシー感の高さから新規参入と規模の拡大が続いており、喫茶市場全体の底上げに貢献している。
●西洋料理
フランス料理、ステーキ・ハンバーグレストランは長期低迷状態から脱出する兆しがないが、ドイツ料理はワールドカップの影響で2006年に限り下げ止まる見込みである。一方、イタリア料理は、有名店や人気店などが好調に拡大推移している。また、スペイン料理は料理への認知が徐々に進んできていることから僅かながらも着実な成長を続けている。
●日本料理
日本人の食の欧米化や、手軽でカジュアルな業態に需要がシフトした事などによって長期的に減少を続けていた。しかし、減少傾向も一段落しており、下げ止まり感が出てきている。消費者の嗜好も手軽さや低価格といったニーズだけでなく本格感を持つ業態にも向き始めており、今後の市場は明るい兆しも出てきている。
●東洋料理
2005年もマイナス傾向にある。焼肉料理はBSE問題が未だに影を落としており、2006年のアメリカ産牛肉輸入解禁後、スムーズに需要が回復するかが注目される。中華料理は高級・一般いずれの業態でも停滞感が漂っており、各社で苦戦を強いられている状況にある。但し、点心料理については、手軽な中華料理として人気が高く、成長を維持している。他に好調な市場として、ジンギスカン料理は、BSEによる牛肉離れの需要シフトを上手く捉える形で成長を遂げた。従来の焼肉にはないヘルシーなイメージであることが幸いし順調な拡大を続けている。
●エスニック料理
ここ数年はメキシコ料理とインド料理が停滞傾向にあるものの、好調な推移を続ける東南アジア料理に牽引される形で市場全体では拡大している。
●給食
施設数の減少とともに売上高の減少も続いており、市場全体で厳しい状況が続いている。産業給食、学校給食、病院給食は施設数が減少しているが、福祉施設給食は高齢社会に向かう中で唯一急速に施設数を増加させ、市場も拡大している。各給食施設ともに委託率が年々高まっているために、大手給食企業は委託需要を取り込んで増加を続けている。またM&Aを活発に行うことで規模拡大を行うケースが増加している。
●宿泊宴会場
ホテルと結婚式場・宴会場が増加に転じたため、2005年は前年比99.6%と縮小幅が改善された。ホテルは、2005年には法人需要が回復しつつあり5年ぶりにプラスとなった。結婚式場・宴会場は一般的な結婚式よりも高価格であるハウスウエディングが最近増加していることに加え、企業のパーティ需要も回復してきたことで、4年ぶりに拡大した。
(※ 表は関連資料を参照してください。)
<注目市場>
●バイキングレストラン 2005年 687億円 2006年見込み 785億円 前年比114%
バイキングレストランは「すたみな太郎」などを展開する江戸一がチェーン化を進めたことで市場が形成され、高価格メニューであった焼肉やすしを低価格で食べられる点が支持された。90年代後半には健康に気を遣う女性をターゲットにし、落ち着いた雰囲気の店舗を構築し、有機野菜など素材や品質にこだわったビュッフェが登場した。近年では、駅ビルや大規模商業施設へのテナント出店や従来の半分以下である70~100席程度の店舗など、立地や店舗サイズも多様化した。地産地消、安全・安心など店舗コンセプトの多様化によって利用者層が広がっており、また参入企業の出店意欲も旺盛であり、当面市場拡大が期待される。
●東南アジア料理 2005年 455億円 2006年見込み 482億円 前年比106%
90年代以降、若者層の間で東南アジア料理は急速に普及し、イタリア料理に次ぐ人気であるが、イタリア料理と市場を比較するとごく小規模にとどまっている。これは、居酒屋などでメニュー化されて人気を得るケースが多く、専門店がさほど多くないことによる。しかし、居酒屋で覚えたメニューを専門店で楽しむといった行動も見られることから、市場は比較的安定して成長を続けている。周期的にブームが訪れ、人気メニューが数年ごとに登場しており、今後も安定した増加が見込まれる。
●老人福祉施設給食 2005年 4,000億円 2006年見込み 4,191億円 前年比105%
高齢化の進行によって老人福祉施設への需要が高まっており、市場は施設数の増加によって拡大を続けてきた。給食に関しては、施設の直営から委託のシフトが進んでいるが、近年では新規開設に伴い当初から専門業者に委託するケースが多く委託率が上昇している。市場拡大と共に参入企業の注力度が高まっており、競争が厳しさを増している。各企業は一括仕入れによるコスト削減や鮮度の高い食材の使用による品質訴求、栄養管理システムの構築による運営面のサポートなど、様々な面で充実を図っている。2005年10月には介護保険制度が改正され、介護保険施設にとっては収入の減少、入居者にとっては負担額の増加となった。提供メニューに対して施設、入居者両者からの要求がシビアになっており、価格・品質・サービスにおける企業間の競争は激しさを増しているが、施設数の増加と委託化の進行によって市場は拡大が期待される。
<調査対象>
(※ 関連資料を参照してください。)
<調査方法>
富士経済専門調査員による対象企業及び関連企業・団体などへの面接取材及び公的統計等による補完
<調査期間>
2006年6月~2006年7月
以上
資料タイトル:「外食産業マーケティング便覧 2006(下巻)」
体 裁 :A4判 203頁
価 格 :98,000円(税込み102,900円)
調査・編集 :富士経済 東京マーケティング本部 第1事業部
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発 行 所 :株式会社 富士経済
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