ナショナルセミコンダクター、バッテリ駆動携帯機器の低消費電力を実現する「EMU」など発売
ナショナル セミコンダクター
第2世代のPowerWiseエナジー・マネジメント・ユニット(EMU)と
アドバンスト・パワー・コントローラ(APC)を発売
デジタル・プログラミング可能なLP5552と、アダプティブ・ボルテージ・スケーリング(AVS)を
サポートするAPC2により、バッテリ寿命延長と新機能搭載を実現
ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社(本社:東京都江東区木場2丁目17番16号、代表取締役ユーゲン・ヘルト、資本金:42億750万円)は、バッテリ駆動携帯機器の低消費電力を実現する、第2世代のデジタル・プログラミング可能なPowerWise(R)エナジー・マネジメント・ユニット(EMU)LP5552とアドバンスト・パワー・コントローラ(APC)IP(設計資産)パッケージAPC2の両製品を発売したと発表しました。
APC2 IPとLP5552を併用した場合、周波数スケーリング機能を搭載した高速デジタル・プロセッサの消費電力を、最大70パーセントも低減します。
APC2 IPは、英ARM社のインテリジェント・エネルギー・マネージャ(IEM)周波数スケーリング技術と互換性があります。また、LP5552とAPC2は、ナショナルとARMが今年前半に導入した業界共通のオープン標準PowerWiseインタフェース(PWI)2.0と互換性を持っています。
LP5552は、デジタル・プロセッサの電源電圧をアダプティブに調整して必要最小限のレベルに抑えることによって、大幅な消費電力低減を実現します。LP5552は、プロセッサ・コア用のアダプティブ電源電圧降圧型レギュレータ2個と、プログラム可能なレギュレータ5個を内蔵しています。これらのリニア・レギュレータは、低消費電力システム・オン・チップ(SoC)のI/Oリング、オシレータ/PLL(フェーズ・ロック・ループ)や組み込み/外付けメモリに電力を供給するほか、システム内の他の補助デバイスの電源にもなります。PWI 2.0インタフェースは、LP5552の機能をコントロールし、デジタル・プロセッサと容易にインタフェースできます。
AMBA(TM)仕様に準拠したAPC2は、アダプティブな電圧調整/周波数スケーリングをサポートするためのハードウェア・パフォーマンス・モニタ(HPM)を内蔵した、同期可能なマクロセルです。ナショナルが2004年に発表したAPC1と同様、プロセスと温度の変化を自動的に補正しながら、PWI 2.0インタフェースを介してLP5552とコミュニケートします。さらに、リーク低減のためのバイアス電圧のしきい値スケーリング、豊富な機能を搭載したマルチプロセッサSoCの複数のパワー・ドメインに対し、電圧/周波数スケーリングを同時に行います。
LP5552の主な技術仕様
LP5552は、先進的なプロセッサ・パワーマネジメント向けの2本(CLK 1本、DATA 1本)の高速シリアル・パワーマネジメント制御インタフェースであるPWI 2.0インタフェースをサポートしています。アダプティブ・ボルテージ・スケーリング(AVS)を可能にするため、LP5552は、高速負荷応答特性を持ち、最大効率が90パーセントでデジタル・プログラミング可能な600mA、0.6V-1.2V降圧型レギュレータを2個内蔵しています。加えて、0.6V-3.3Vの出力電圧範囲を持ち、プログラム可能なLDO(低ドロップアウト)レギュレータ(出力電圧固定)を5個搭載しています。これらのリニア・レギュレータは、50mAから250mAの出力電流範囲をサポートしています。リニア・レギュレータのうち2個は、SoCプロセッサがスタンバイ時にシステムの消費電力を最小限に抑え、素早いリカバリ・タイムの要件にも対応した低静止電流保持モードを内蔵しています。
鉛フリーの36ピンのmicro SMDパッケージで提供されるLP5552は、卓越したパッケージ放熱特性を持ち、-40℃から+85℃の全温度範囲にわたって動作し、入力電圧は2.7Vから4.8Vです。
APC2の主な技術仕様
APC2は、先進的なマルチコア・プロセッサICの電圧制御に適しており、携帯アプリケーションに使用されるデジタル・ベースバンド・プロセッサやアプリケーション・プロセッサなどのSoCデバイスに組み込まれます。APC2は、RTL、コンフィギュレーション/合成スクリプト、テスト・ベンチ、導入/プログラミング・ドキュメンテーション、リファレンス・ドライバ・ソフトウェアを含めたコンフィギュラブルなソフトIPとして提供されます。このIPパッケージは、業界で標準的な設計ツールや設計フローと互換性があります。APC2は、独立した周波数スケーリング対象となる最大4つのクロック・ドメインを持つパワー・ドメインを、最大4つまでサポートします。また、8つの周波数設定や各クロック・ドメインのためのクロック停止/パワーダウン・モードもサポートしています。APC2は、周辺デバイスを仲介するPWI 2.0対応マスター・インタフェースと、コンフィギュレーションや制御のためのAMBAアドバンスト・ペリフェラル・バス(APB)ホスト・インタフェースを内蔵しているほか、テーブル・ベースのダイナミック・ボルテージ・スケーリングとPowerWise AVSの両機能をサポートしています。
第2世代のアダプティブ・ボルテージ・スケーリング(AVS)について
アダプティブ・ボルテージ・スケーリング(AVS)は、デジタル・プロセッサの動作に必要な最低限の電源電圧を確定する技術です。この技術は、プロセッサIC内部のプロセスやダイ温度の変化による影響およびシステム内のIRドロップやレギュレータ・トレランスに関連した電圧マージン(余裕度)を排除して、デジタル・プロセッサの電源電圧を大幅に低減します。APCをLP5552と併用することにより、AVS技術をプラットフォームに容易に導入することができます。
業界共通のオープン標準PWI 2.0について
PWI 1.0標準は、1個のパワーマネジメントICとシングルコアSoCを搭載したような単純なシステムに対して、ポイント・ツー・ポイント接続を提供するために開発されました。ナショナルの第2世代PWI標準のPWI 2.0は、携帯電話や携帯ゲーム/メディア機器など、マルチコアSoCとさまざまな周辺デバイスを搭載した、より複雑なシステムに対して、リアルタイムのパワーマネジメント制御を可能にする高速マルチドロップ・バス性能を提供します。PWI 2.0のコマンドセットと通信プロトコルは、ダイナミックおよびアダプティブな電圧/周波数スケーリング、先進的なSoCデバイスでの独立したさまざまなパワー・ドメインの制御、周辺デバイスのフレキシブルな制御などの先進的なパワーマネジメント技術に最適です。
LP5552の詳細情報やサンプルの注文については、
http://www.national.com/pf/LP/LP5552.html をご覧ください。
PWI 2.0 AVS技術については、 http://powerwise.national.com をご覧ください。PowerWise インタフェース(PWI)技術に関する詳細情報は、 http://pwistandard.org で入手できます。また、オンデマンド・オンライン・セミナー「PowerWiseアダプティブ・ボルテージ・スケーリングが、 http://www.national.com/onlineseminar/2003/powerwise/adaptive.html でご覧になれます。
ナショナルのパワーマネジメント製品ラインナップ
iSuppli社の2005年度半導体市場シェア調査レポートによると、ナショナルは、電圧レギュレータICの分野においてナンバー1のサプライヤで、その市場シェアは14パーセントにのぼっています。ナショナルの革新的なパワーマネジメント製品には、クラス最高のリニア・レギュレータ(電源監視および制御、リファレンスIC)やスイッチング・コンバータ(DC/DC変換用高耐圧IC、スイッチト・キャパシタ型コンバータ、ライティング・マネジメントIC、コイル型スイッチング・コンバータ)などがあります。ナショナルはまた、各種アプリケーション用に最良のパワーマネジメント・チップを選択できるようにする、オンライン・ツールも提供しています。ナショナルのWEBENCH(R)オンライン設計ツールを使えば、回路設計と解析を行い、さらに数日以内に納品されるカスタム設計キットで試作品を製作することができます。ナショナルのパワーマネジメント製品に関する詳細情報については、 power.national.com/jpn をご覧ください。
<価格と供給>
LP5552はすでに出荷が開始されており、1000個一括購入時の価格は633円です。APC2については、ナショナルおよびARMを通じてライセンスを提供しています。
高解像度の製品画像は米国本社のフォト・ギャラリ、
http://www.national.com/company/pressroom/gallery/power.html で入手できます。
このニュースリリース(製品画像付き)はナショナル セミコンダクター ジャパンのウェブサイト http://www.national.com/JPN/news/item/0,4140,627,00.html でもご覧いただけます。
<商標>
PowerWise、National Semiconductorはナショナル セミコンダクター コーポレーションの登録商標です。その他のブランドおよび商標または登録商標は、各社の所有に属します。
ナショナル セミコンダクター コーポレーションは、付加価値の高いアナログ・デバイスやサブシステムを創造し、世界の市場をリードするアナログ企業です。ナショナルはパワーマネジメントIC、ディスプレイ・ドライバ、オーディオ・アンプ/オペアンプ、インタフェース製品およびデータ・コンバージョン・ソリューションを提供しています。主要アナログ市場はワイヤレス・ハンドセット、ディスプレイおよび医療、自動車、産業用、計測/測定向けアプリケーションなどの広範なエレクトロニクス機器です。本社はカリフォルニア州サンタクララで、2006年5月28日に終了した2006会計年度の売上高は21億6,000万ドルでした。
ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社(資本金 42億750万円)は、ナショナル セミコンダクター コーポレーションの全額出資の日本法人で、各種半導体、集積回路(IC)の輸入、販売を行っています。本社は東京で、大阪に支社を持っています。設立は1969年11月、従業員数は約130名です。
ウェブサイト・アドレス:
ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社: http://www.national.com/JPN/
米国本社: http://www.national.com/
お問い合わせ先
TEL: 03-5639-7300(大代表)
E-Mail: jpn.feedback@nsc.com