松下電工など3社、照明器具の光合成を応用した生花の常温輸送システムを実用化
松下電工、鶴見花き、岩谷マテリアルの異業種連携
業界初、LEDなどの照明器具による「光」を応用、生花の常温輸送システムを実用化
松下電工株式会社(本社:大阪府門真市 社長:畑中 浩一)、株式会社 鶴見花き(本社:大阪市鶴見区 社長:笹井 忠則)、岩谷マテリアル株式会社(本社:東京都中央区 社長:宮本 浩一郎)の3社は、異業種で連携し、業界で初めて※1、LEDや冷陰極管を光源とした照明器具による光合成を応用した生花の常温輸送システムを実用化しました。2006年9月から試験運用を開始中で、年内の本格稼動を目指します。
また今後、「光」の生花への影響について、独立行政法人 科学技術振興機構 研究成果活用プラザ石川や、千葉大学 環境健康フィールド科学センターなどの協力により、実証する予定です。
この流通システムについては、第3回東京国際フラワーEXPO(2006年10月19日~21日:幕張メッセ)、およびアグリビジネス創出フェア(10月25日~26日:東京国際フォーラム 展示ホール)にて出展を予定しています。
※1:2006年9月26日現在 鶴見花き調べ
■ 主な特長
(1)照明器具の光を活用した光合成作用により、輸送中の花の品質・鮮度保持が可能に
(2)常温輸送とすることで、低温輸送にかかる輸送コストの削減が可能
(3)光による光合成を活用することで、花の開花調整と、流通品質の向上をめざす
■ 開発背景
従来、生花を輸送する際には、開花を防ぐために生花を箱詰めにして低温で輸送していたため、多額の輸送コストがかかっていました。また生花店で常温になり急に光を浴びることで、一斉に開花してしまい、顧客が購入した後の花もち期間が短くなってしまうという問題がありました。
そこで、照明器具メーカーの松下電工と、花き卸市場の鶴見花きでは、生花の光合成に着目。生花をバケツの水につけたまま輸送し、輸送中も照明器具による光を太陽と同じように12時間周期で当てることで、生花の光合成を促し、生花を新鮮な状態で花店まで輸送することを検討しました。さらに、輸送コンテナメーカーの岩谷マテリアルと協力し、輸送コンテナに「LED」や「冷陰極管」を光源とした省エネの照明器具を取り付けて、生花を常温で輸送するシステムを開発。これにより、より鮮度が高く長持ちする生花を一般消費者へお届けすることができるようになった上に、輸送コストの大幅な削減が可能になりました。また可動式の輸送コンテナに、照明器具を点灯させるためのバッテリー電源を搭載。輸送中もコンセントなどからの電源供給が不要となり、生花の生産現場から流通プロセスまで電源供給の制約なしで輸送できるため、作業効率アップの実現が可能になりました。
■ 特長
(1)照明器具の光を活用した光合成作用により、輸送中の花の品質・鮮度保持が可能に
(2)常温輸送とすることで、低温輸送にかかる輸送コストの削減が可能
運送会社は、低温輸送(10~15℃)から常温輸送(25℃)へとすることで、「省エネ」と運送コスト(冷蔵車の本体コストも含む)の削減が可能に。
(3)光による光合成を活用することで、花の開花調整と、流通品質の向上をめざす
(4)バッテリー電源搭載の輸送コンテナによる運搬で、生産者から花店まで作業効率向上
生産者は、箱詰め作業の削減と、運搬の効率化が実現。卸市場は、箱の開梱の必要がなく、輸送コンテナごと販売できるため、作業の効率化が向上します。
また、バッテリー電源を搭載した可動式輸送コンテナのため、トラックでの輸送中においてもコンセントからの電源供給は不要です。
(5)照明器具は、「LEDタイプ」と「冷陰極管タイプ」の2種類で、省電力、DC24V電圧対応
LEDタイプ : DC24V 0.3A 、7.2W
冷陰極管タイプ : DC24V 0.2A 、4.8W
サイズ(共通) : 幅 74 × 長さ 435 × 高さ 25(mm)
(※ 画像あり。)
(※ 詳細は添付資料を参照してください。)
以上