アンジェスMGとホソカワ粉体技術研究所、ナノ粒子のアトピー性皮膚炎への有効性を確認
ホソカワ粉体技術研究所とアンジェスMGが開発した
核酸医薬担持処理DDS用ナノ粒子のアトピー性皮膚炎への有効性を動物実験で確認
ホソカワミクロン株式会社の研究開発子会社株式会社ホソカワ粉体技術研究所とアンジェスMG株式会社とは、人工核酸デコイオリゴを担持させた生体適合性高分子ナノ粒子を用いた皮膚外用剤(クリーム製剤)によるアトピー性皮膚炎や乾癬に対する効果について動物実験を行いました。(*)
(*)アンジェス社が開発した人工核酸デコイオリゴをホソカワ社が生体適合性ナノ粒子に担持させるナノ粒子複合化技術の開発に成功したことは、昨年10月3日に発表いたしております。
その結果、本製剤は従来のクリーム製剤に比べて約10倍という顕著な効果を発揮し、アンジェスの人工核酸デコイオリゴを担持させたホソカワの複合化ナノ粒子(ナノコンポジット)が皮膚浸透性並びに細胞内送達に極めて優れていることが確認されましたのでお知らせ致します。
今後は、本改良製剤の安全性を十分に確認する等、臨床応用を目指した研究開発を進めてまいります。
なお、本成果は、10月25日、26日に開催される粉体工学会主催「第23回製剤と粒子設計シンポジウム」において発表される予定です。
今回の有効性確認は、新しいナノパーティクルテクノロジーとバイオテクノロジーを融合させた成果の一つであり、今後のタンパク質医薬、遺伝子・核酸医薬などの最先端医療技術への展開に一層の期待が生まれました。
【詳細内容】
人工核酸デコイオリゴは、アンジェスにおいて、アトピー性皮膚炎や関節リウマチなど免疫炎症性疾患に対する核酸医薬として開発が進められてまいりました。
アトピー性皮膚炎は、国内で約140万人の多くの患者さんがいると言われているにもかかわらず、まだ十分に有用な治療法がなく、新しい治療薬の開発が切望されております。
こうした背景のなか、人工核酸デコイオリゴは効果的で副作用の少ない画期的なアトピー性皮膚炎の治療薬になる可能性があり、現在、アンジェスは、アルフレッサファーマ株式会社と国内において共同開発を進めております。
一方、デコイオリゴは分子量が大きい(分子量:約13,000)ため、皮膚バリアー機能の高い部位に対しても、デコイオリゴが皮膚内部に効率よく浸透できる改良製剤の開発が有用と考えておりました。
このため、アンジェスがホソカワ粉体技術研究所の経皮浸透性ナノ粒子のDDS技術を適用したところ、前述のような顕著な効果が確認されました。
今回の皮膚疾患への薬理効果の評価については、マウスを用い、このナノ粒子製剤の経皮投与時の遅延型アレルギー反応に対する抑制効果を評価いたしました。
その結果、ホソカワ粉体技術研究所のナノコンポジット粒子を用いたクリーム製剤では、これまでのデコイオリゴを含有するワセリン軟膏製剤の約1/10の少ない量(デコイオリゴ重量換算)で同等の薬理効果を示し、このナノコンポジット製剤が皮膚浸透性並びに細胞内送達性に優れていることが確認され、本試験の目的を達成することができました。
以上