ファイザー、アムロジピンとアトルバスタチンの合剤が心臓発作などのリスクを低減させることを証明
アムロジピンとアトルバスタチンの合剤が心臓発作や脳卒中のリスクを
10年間にわたって50%以上引き下げることを新たな研究によって証明
― アジアとラテンアメリカにおける、リスクファクターを有する高血圧患者に対する有用性 ―
「フラミンガム10年冠動脈心疾患(CHD)リスク評価尺度」によると、アムロジピン(商品名:ノルバスク(R))とアトルバスタチン(商品名:リピトール(R))の合剤(製品名:Caduet(R)カデュエット)は、LDLコレステロール(LDL-C、「悪玉」コレステロールとも呼ばれる)の高い高血圧の患者さんにおける心血管(CV)イベントのリスクを10年間にわたって54%引き下げます。これは国際的なGEMINI AALA試験のデータによって明らかになったものです。さらに、Caduet(R)を服用した患者さんはどの参加国でもJNC 7(*1)と NCEP ATP III(*2)のガイドラインに示されている高血圧と脂質の治療目標を達成しました。GEMINI AALA試験の結果は、2006年10月18日に福岡で開催された、国際高血圧学会(ISH: International Society of Hypertension)の年次学術大会で発表されたものです。
今回の試験結果について、ISHの学術評議会のメンバーであるステファン・マクマホン博士(Dr. Stephen MacMahon, member of the Scientific Council for ISH)は次のようにコメントしています。「GEMINI AALA試験は、実際の医療現場におけるアムロジピン/アトルバスタチン療法の臨床的効果を評価するためにアジア諸国とラテンアメリカ諸国の両方で実施された初の大規模臨床試験であり、国際高血圧学会としてもその重要性を認識しています。本試験の結果が示すところによると、患者さんはCaduet(*2)によって血圧と脂質の目標値を達成してそのレベルを維持することができますが、さらに重要なのは、10年間にわたる冠動脈心疾患のリスクが下げられるということです」。
心血管疾患(CVD)は、アジア全域にわたる人々のなかで増加しつつあります。アジア/太平洋地域のCVDは世界のCVDの半分近くを占めています。そして中国とマレーシアでは、CVDは最大の死亡原因となっています。 ラテンアメリカとカリブ海地域では、CVDが2001年の全死亡の30%以上を占めました。さらに、この比率は2020年までに38%に達するものと予想されています。
香港大学でGEMINI AALA試験の治験担当医をつとめたHung Fat Tse医師は次のように付け加えています。「高血圧と高コレステロールは、いずれも心臓発作や脳卒中などのCVイベントの発症を高めるリスクファクターですが、それらをコントロールすることは不可能ではありません。医師として、私たちが認識しなければならないのは、心血管リスクファクターを個別に治療するという考え方から脱却し、CVリスクをトータルに治療するためのよりシンプルで効果的な方法を見つけ出す必要があるということです。GEMINI AALA試験の結果、高血圧以外にもリスクファクターを抱える高血圧の患者さんの治療にアムロジピン/アトルバスタチン療法を行うことに説得力ある根拠が与えられました。これは患者さんの疾病管理が進歩する過程での重要な一歩です」。
GEMINI AALA試験について
GEMINI AALA試験はファイザー社が資金提供して実施したものであり、中東、アジア、オーストラリア、アフリカ、ラテンアメリカの全域におよぶ27カ国1,649名の患者さんを被験者として14週間にわたり実施されたオープンラベル/多施設共同/titration-to-goal試験です。この試験は、民族的バックグラウンドが多様な高血圧の患者さんでコレステロール値も高い(すなわち高脂質血症)の被験者におけるアムロジピン/アトルバスタチン合剤の臨床的有効性と安全性を評価するために設計されました。有効性の一次エンドポイントは、JNC 7とNCEP ATP IIIのガイドラインが示す血圧とLDL-コレステロール(LDL-C)両方の目標値に達する患者さんの比率でした。14週間の治療後、患者さんの55.2%が血圧とLDL-コレステロール両方の目標値を達成していました。一般的に、高血圧と高コレステロールを両方ともコントロールできるのは患者さんの9%に過ぎませんので、55.2%は有意な結果です。患者さんの平均血圧は20.2/11.4 mmHg (約13%)下がり、平均LDL-コレステロールは1.1 mmol/L (44.2 mg/dL) [約29%]下がりました。さらに薬剤の忍容性も良好でした。
また、(インドとパキスタンを除く)東アジア諸国における患者さんのサブグループについて実施された事後分析では、一次および二次有効性の測定値が同サブグループと他のすべての国々からなる「非アジア人」患者サブグループとの間で比較されました。アジア人サブグループ(n=694)においては、患者さんの56%がBPとLDL-Cの治療目標を達成しました。「フラミンガム10年冠動脈心疾患(CHD)リスク評価尺度」では平均値が56%低下しました。
本試験における薬物治療の忍容性は良好であり、有害事象に起因する脱落患者数は60名(3.6%)でした。最も多かった有害事象は末梢浮腫(9.8%)、呼吸器感染症(5%)、頭痛(3.3%)、目まい(3.1%)、筋肉痛(1.5%)でした。これらの事象はアムロジピンおよびアトルバスタチンの製品情報に記載されている有害事象と一致しています。
(*1) Joint National Committee on Prevention, Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Pressure
(*2) National Cholesterol Education Program (NCEP) Adult Treatment Panel III (ATP III)