富士通とアドバンテスト、LSI試作サービスの新会社「株式会社イー・シャトル」を設立
LSI試作サービスの新会社「株式会社イー・シャトル」を設立
~電子ビームによる65nmウェハ直接描画を世界で初めて商用化~
富士通株式会社(代表取締役社長:黒川博昭、本社:東京都港区、以下 富士通)と株式会社アドバンテスト(代表取締役社長:丸山利雄、本社:東京都千代田区、以下 アドバンテスト)は、最先端LSI試作サービスの新会社「株式会社イー・シャトル」(以下 イー・シャトル)を11月1日に設立します。
イー・シャトルは、最先端の半導体プロセス技術と電子ビーム露光装置を組み合わせたウェハ直接描画(注)技術を活用し、2007年4-9月期より65ナノメートル(以下 nm)プロセスの新しいLSI試作サービスを提供します。
エレクトロニクス市場の多様化により、ますます機器開発のスピードアップが求められています。その中で、最先端の半導体プロセスによるシステムLSIの開発においても、短期間で少量の試作チップを作製して、製品に組み込んで機能や性能の検証を行う必要性が増大しています。
これらの動向を踏まえ、今回設立するイー・シャトルでは、機器メーカー、研究機関、大学など幅広いお客様が、最先端の半導体プロセスを手軽に活用できる開発環境づくりを目指し、これまでよりも短期間で開発が可能な新たなLSI試作サービスを提供します。
イー・シャトルは、65nmおよび45nm製造プロセスに対応する電子ビームによるウェハ直接描画(以下、直描)技術を開発します。この技術は、富士通の最先端半導体プロセス技術と、アドバンテストが10月24日に発表した電子ビーム露光装置「F3000」とを組み合わせて実現するものです。イー・シャトルは、300mmウェハ、65nmプロセスにおける電子ビームによる直描技術を世界で初めて商用化します。
イー・シャトルは、この電子ビーム方式に加えて、従来富士通が展開してきた光露光方式による試作サービス「SiExpress(TM)」(シリコンエクスプレス)を将来的に引継ぎ、お客様の多様なニーズに対応できる総合的なLSI試作サービスの展開を検討してまいります。イー・シャトルは、2007年4-9月期に65nmプロセスの試作サービスを新たな開発環境としてお客様に提供し、さらに将来、45nmプロセスにも対応したサービスも予定しています。
【イー・シャトルの概要】
商号: 株式会社イー・シャトル
本店所在地: 神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1(富士通川崎工場内)
代表者: 取締役社長 土川春穂
(つちかわはるお、株式会社富士通研究所 取締役 兼 富士通 電子デバイス事業本部 副本部長)
資本金: 設立時1億円(2007年度までの総出資額25億円)
株主構成(出資比率): 富士通(55%)、アドバンテスト(45%)
設立日: 2006年11月1日
事業内容:
65および45nmにおける、電子ビームによるウェハ直描技術の開発。および半導体の試作サービスの構築と提供。
【注釈】
(注) ウェハ直接描画:電子を加速・収束してビーム状にしたものを用い、半導体デバイスの回路パターンなどをウェハ上に直接描画すること。
【関連リンク】
アドバンテスト 電子ビーム露光装置「F3000」:
http://www.advantest.co.jp/products/F3000/index.shtml
以 上