島津製作所、高精度ながら分析時間を短縮した超高速液体クロマトグラフを発売
液体クロマトグラフの分析時間を1/10に短縮!
超高速液体クロマトグラフProminence UFLCを発売
―超高速と分析精度・信頼性を両立―
島津製作所は、高い分析精度と信頼性を保ちながら、分析時間を1/10に短縮できる、超高速液体クロマトグラフProminence UFLC(Ultra-Fast LC)を発売します。
近年、医薬品等の研究開発や品質管理において、分析業務の効率化が強く求められており、中でも、精度、感度、信頼性、その応用範囲の広さから、他に代替のない分析技術として広く普及している液体クロマトグラフ(以降LC)のさらなる高速化への要求が高まっています。
LCでの分析を高速化するためには、分離カラムに超微細粒子充てん剤を使用し、溶離液の流速を上げることにより可能となることが知られており、この原理を用いた専用装置も市販されています。しかしながら、これらの専用装置は非常に高い圧力を使用するため、ハードウェアへの負担が大きく、分析精度と信頼性は、従来のLCよりも劣るという側面があります。
そこで当社は、分離カラムに粒子径の均一性が高い2.2μmの充てん剤粒子を採用することで、2μm以下の粒子を使用した市販の超高速LC専用装置と同等の超高速分析が、1/2程度の圧力で可能な超高速分析用カラムXR-ODSを開発しました。同時に、このカラムの特徴を生かし、分析時間を汎用LCの1/10に短縮しながら、市販の超高速LCでは困難であった、汎用LCと同等の再現性と信頼性を両立させた超高速液体クロマトグラフProminence UFLCを開発しました。
超高速LCの需要は世界的に拡大しており、現在、通常のLC市場の10%を超える規模になっています。当社は、新たに開発した超高速LCを市場に投入することで、ユーザーの分析業務の飛躍的な効率化を実現することで、LC製品の更なるシェア拡大を図ります。
【 新製品の主な特長 】
・高速試料注入により、超高速分析でのトータルスループットを改善
Prominence UFLCでは、試料注入機構の高速化により、わずか10秒で試料注入が可能。繰り返し分析時の無駄時間を短縮し、トータルでの分析のスループットを改善します。
・超高速分析でも優れた再現精度を長期間安定して示します
Prominence UFLCは、送液ポンプの流量制御の高速化と、高精度の試料計量機構により、超高速分析であっても優れた保持時間再現性と注入再現性を示します。また、超高圧を使用しないことから、耐久性に優れ、高性能を長期間安定して示します。
・Prominenceシリーズの優れた高性能・高機能を継承
このほか、Prominence UFLCは、温度制御機構により安定性を高めた吸光度検出器、LC-MS分析で特に必要とされる低キャリーオーバー性能、インターネットエクスプローラを利用したシステム制御、等の当社製汎用LC Prominenceシリーズが持つ優れた高性能、高機能を継承しています。
【製 品 名】 超高速液体クロマトグラフ Prominence UFLC
【定 価】 480万円~(税抜、PCを除く)
【発 売 日】 2006年11月1日
【販売計画】 年間320台