日本TI、開発者のプログラミング作業を容易する低消費電力のプログラマブルDSPを発表
日本TI、業界で最も低消費電力のプログラマブルDSPを発表
ポータブル機器のバッテリ寿命を最大化
~新DSPの『C5506』、USB接続を備え大容量メモリも搭載、超低消費電力と低価格の両立が求められる新市場を開拓~
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、『TMS320C5506』DSP(以下、『C5506』)を発表しました。現在、業界で最も低消費電力を実現する製品です。
『C5506』DSPは、節電機能によって待機時のコア消費電力をわずか0.12mW(ミリワット)に抑え、消費電力量をクラス最小としています。またチップ上に128KBのメモリを搭載しており、開発者側のプログラミング作業を容易にします。なおPCとの接続に有効なUSB 2.0インターフェイスも備えています。
対象アプリケーションは、タッチスクリーン・コントローラ、USBヘッドセット、コードレス電話、ハンズフリーの電話機など、超低消費電力と低価格、および外部との接続が求められるポータブル機器です。本件に関する詳細は www.ti.com/c5506pr (英文)から参照できます。
■ 低消費電力性能、接続性、設計資産に優れる『C5506』
新製品『C5506』は、超低消費電力かつ豊富な機能を搭載した『TMS320C5509A』『C5507』『C5503』をはじめとする日本TIのマルチメディア・プロセッサのラインに連なる新製品です。低電圧で低価格の『C5506』により、開発者はシステム全体の消費電力をより一層削減し、バッテリ寿命を最大限に引き出せるようになりました。
『C5506』は次のような特長により低消費電力を実現しています。
・ 業界最小のコア待機電力(108MHz、1.2Vで0.120mW)
・ 極めて低いコアとメモリ動作電力(例:108MHzで58mW)
・ 周波数と電圧の動的なスケーリング
・ 個々のペリフェラルや内部機能を個別にオンオフするスタンバイモード
・ コード読み込みを効率的に行い、チップ外メモリへのアクセスを最小限に留める128KBのSRAM
・ 低消費電力設計を支援する電力消費最適化ツール
また、『C5506』にはUSB 2.0ポート、3つのMCBSPポート、3つのタイマ、I2Cバス、6チャンネルDMA、16ビットEMIF、36個の汎用I/Oを備えています。I/Oポートが多数用意されているため、周辺機器との接続も容易になります。さらに『C5506』は、現在TIの『TMS320C54x(TM)』世代のDSPを使用している顧客の移行ニーズ(USB接続、高性能化、またはSDRAMメモリ接続の追加など)に、低消費電力かつ低コストで対応可能です。
『C5506』を使用する設計者は、市場での実績ある『C5000』DSPプラットフォーム上の多数のアルゴリズムを利用できます。従ってより短い期間での製品開発が可能で、結果的に設計の簡素化とシステム・コスト削減にも寄与できます。
■ 対象アプリケーション:コードレス子機などの待ち時間の長いポータブル機器に最適
『C5506』は、低消費電力でリアルタイムの信号処理が必要なポータブル機器に最適です。
例えばタッチスクリーン・コントローラは、精度向上や低コスト化、機能拡大を実現するためにDSP制御が一般的になってきています。また、PCに接続するUSBヘッドセットは、ノイズ削減、エコー除去、オーディオ・ストリーミングに多くの処理を必要とします。ハンズフリーの電話キットやワイヤレスLAN、VoIP電話機、および電話機などに付属するコードレス子機などは、実際の使用時間よりも待機時間の方が圧倒的に長いため、待機電力の小さいモデム・シグナル・プロセッサを必要とします。
『C5506』は上記のアプリケーションのいずれに対しても、低消費電力、MIPS、メモリ、接続性、小型、低価格といった点において最適の製品です。『C5506』が持つメリットにより、これらの機器を含むポータブルシステムの開発者は、より堅牢で安価な製品を提供できます。
■ 消費電力を最適化する開発キットを提供
『C5506』を使用する開発者は、『TMS320C55x(TM)消費電力最適化DSPスタータ・キット(DSK)』を利用できます。これは設計における電力関連のボトルネックをすばやく検出するための包括的なツールセットです。このツールに関する詳細は www.ti.com/lowpoweroptimizationpr (英文)で参照できます。
『C55x DSK』を使用することによって、開発者はリアルタイムの電力消費を正確に計画、分析、管理、かつ最適化することができます。主な機能は次の通りです。
・ パワー・プランニング・ツール:メモリと周辺デバイスのさまざまな組み合わせについて、容易かつ迅速に消費電力を算出することができます
・ DSP/BIOS(TM)パワー・マネージャ:消費電力節減の管理をオペレーティング・システムのレベルで自動的に実装できるソフトウェア・モジュールです
・ パワー・スケーリング・ライブラリ:アプリケーションのモードと性能要件に基づいて、ランタイム時のコア周波数と電圧の動的なコントロールを可能にします
・ National Instruments製LabView(TM)によるパワー測定ツール:視覚的な計測・分析機能により、アプリケーションの実際の動作に基づいて、消費電力を正確に測定できます
■ 電源管理のリファレンス・デザインも提供
TIは『C55x DSP』のサポートに最適化された、包括的な電源管理のリファレンス・デザインによって、ポータブル・アプリケーションにおける電源システム設計をより簡素化します。リファレンス・デザインはTIのホームページ( www.ti.com/dsppower 英文)から入手可能です。開発者は高効率で小型化され、かつ機能満載の、低消費電力DC/DCコンバータ、LDOレギュレータ、電源電圧監視用ICなどを選択できます。なおTIでは、インテリジェント・バッテリ管理チャージャ、キャパシティ・モニタおよびプロテクションといった電源関連の各種ICも取り揃えており、電池寿命の延長とシステム保護を実現します。
■ 供給、パッケージ、価格について
『TMS320C5506』DSPは、日本TIおよび日本TIの販売特約店から本日より量産出荷します。パッケージは12mm角のmicroBGAパッケージと20mm角のQFPパッケージで、1万個受注時の参考価格は5.75ドルです。
本件に関する詳細は www.ti.com/c5506pr (英文)から参照できます。日本TIは『C5506』DSPと併用することのできる、電力管理製品の完全なポートフォリオも提供しています。
※TMS320C54x、TMS320C5000、TMS320C55x、およびDSP/BIOSは、Texas Instruments社の商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します
<テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて>
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、CEO:リッチ・テンプルトン、略称: TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル家電、ワイヤレス市場などに向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほかE&PS(教育関連)事業を展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は362億5,000万円です。大分県日出、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。
TIに関する情報はインターネットでも発信しています。( http://www.tij.co.jp )
<読者向けお問い合わせ先>
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
プロダクト・インフォメーション・センター(PIC)
FAX:(0120)81-0036 URL: http://www.tij.co.jp/pic/
以上