東邦レオ、土木造成現場などの「人為的アルカリ土壌」に対応するアルカリ土壌中和剤を販売
都市で進行する「土壌のアルカリ化」を修復
-人為的なアルカリ土壌を改善する都市緑化技術を開発-
都市緑化分野において土壌改良資材の開発・販売を手掛ける東邦レオ(大阪市中央区 社長 橘俊夫 資本金 30,720万円)は、建設現場や埋立地、土木造成現場で発生する「人為的アルカリ土壌」に対応するアルカリ土壌中和剤「アルカリメイト」を開発し、11月6日より販売を開始いたします。
「建物外構・土木造成地」に新たな問題点
建設工事現場では、近年ゼロエミッション化(廃棄物をゼロに近づける活動)や、建設工事に係る資材の再資源化に関する法律(建設リサイクル法)などにより、廃棄物を有効利用する動きが活発化しています。
建物の外構分野においても、植栽に利用される土壌が、これまでの外部から搬入する良質な土壌から、コンクリート塊が多く混じった「残土(場内発生土)」へと大きく変化しました。また大規模な土木造成地では、地盤安定処理のために大量のセメント系固化材が使用されており、都市の土壌や植物を取り巻く環境が急速に「アルカリ化」に向かっています。
(※参考画像あり)
土壌pHによるハツカダイコンの根の生育状況
pHは6.0で生育が最も良く、pHが上がるごとに、根は生育障害を示しています。このことから、根は明らかにアルカリの影響を受けて障害が現れ、pHは9.0から異常、pHは10.0以上になると正常な時の半分以下しか根が発達しないことが分りました。
コンクリート塊やセメントは、pH12といった高いアルカリ性を示し、土中に入ることで、植物生育に障害が現れ、「みすぼらしい景観」を呈することもしばしばです。
弊社は20年に渡り、「人為的なアルカリ障害土壌」を改善する研究に携わってきました。そこで得た多くの知見と改良事例をもとに、アルカリ土壌中和剤「アルカリメイト」を開発しました。リン酸塩を主な成分としており、従来のアルカリ改良剤に比べ、リバウンド現象(施用後に再び高アルカリ化へ戻ってしまう現象)が極端に少ないことや、EC値(電気伝導度)を高めないことが大きな特徴です。重金属などの影響も無く、「アルカリメイト」で改良した土壌からの浸出液に魚毒性が無いことも実験で確認しており、安全性が高い資材です。
納入形態は15kg入の小袋と1000kg入のフレコン袋の2種類で、販売価格は15kg入が1袋当り3,050円。添加量は、土質やpHの数値によって異なりますが、良質土壌による入れ替える手法に比べ、最大約65%の費用で問題土壌を安全に改善でき、しかも環境にも優しい技術です。目標として、3年後に3億円の販売を目指します。社内に在籍する14名の樹木医の経験を活かし、これからも都市の緑化推進をトータル的に技術サポートしてまいりたいと思います。
※補足資料あり