富士経済、オーラルケア関連市場調査結果を発表
オーラルケア関連市場の調査を実施
― 口中清涼菓子市場は2007年に300億円予測(前年比 107%) ―
総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役 阿部英雄03-3664-5811)は、このほど、「トイレタリー」、「機器・用品類」「食品」「医薬品・医薬部外品」のオーラルケア関連市場の調査を実施した。また、同市場をキッズ市場、シニア市場、歯科ルートなどに分けて分析を行った。その結果を報告書「オーラルケア関連市場マーケティング総覧 2006年」にまとめた。本調査報告書では、消費者のオーラルケアへの意識や購買実態についてもインターネットアンケートによってまとめている。
< 調査結果の概要 >
1.オーラルケア関連市場
2006年のオーラルケア関連市場は、各カテゴリー共に微増で推移すると見込まれ、前年比4%増の4,029億円の見込みである。今後もセルフケア意識の高まりから安定した成長を維持すると予測される。今後は、高齢者関連として、歯周病予防関連や口腔乾燥対策関連が有望市場になっていくと予測される。また、近年は食品カテゴリーを中心に「美白」、「ダイエット」、「芳香」といった多彩な製品が登場している。これらは一過性の製品として市場から撤退するケースも多いが、市場の拡大や活性化に寄与していることから、新コンセプトや新機能を有する製品の上市が期待される。
●トイレタリー市場(6品目)
飽和気味の歯磨、歯ブラシの市場が増加、横ばいを維持したことに加え、新規参入や新製品の発売などによって市場が活性化している洗口液市場が牽引役となり市場が拡大している。また高齢者人口の増加を背景に安定した成長基調にある義歯安定剤や義歯洗浄剤が市場を下支えしている。口中清涼剤市場は、近年の口臭ケアに対する需要の拡大を背景に、新規参入や新製品の上市などで市場は順調に拡大してきた。現在はヘビーユーザーが需要の中核を担っており、今後も「口臭ケア」に対する需要に支えられて安定した市場の拡大が予測される。
●機器・用品類市場(6品目)
2003年前半まで市場の牽引役だった電動歯ブラシ市場が2003年後半以降縮小に転じたため、2005年の全体市場は縮小した。今後拡大が期待できる市場としては、口腔乾燥対策製品や舌クリーナーが挙げられる。口腔乾燥対策製品は市場形成段階にあることなどから、市場規模はまだ小さい。舌クリーナーは「口臭ケア」に対する需要の拡大を受け、認知度も高まっており、今後も新規参入や新製品の上市などによって、市場の拡大が見込まれる。電動歯ブラシも参入メーカーから新製品が発売され、プロモーションも積極的に実施されていることから、2006年は拡大に転じると見込まれる。また消費者側でも高価格電動歯ブラシへの回帰が見られ市場は回復が予測される。
●食品市場(3品目)
機能性キャンディ、口中清涼菓子市場ともに拡大したものの、2004年頃まで市場の成長を支えてきた機能性ガムが微増だったことから2005年は微増に留まった。口臭除去ガム市場が「口臭ケア」に対する需要や新製品の登場によって需要が喚起されたことなどから、2006年以降は順調に拡大すると見られる。また、のどの保護キャンディや清涼感・眠気防止ガム市場は、定番アイテムの安定した需要によって拡大している。
●医薬品・医薬部外品市場(8品目)
歯周病薬市場やトローチ市場は好調に拡大しているものの、メーカー側が製品の出荷を自主規制していることから実績が縮小している鎮咳去痰剤市場や需要が減少している殺菌塗布剤市場の縮小の影響を受け、2005年は減少した。しかし、歯周病薬市場が今後も5%前後での成長が予測され、全体では微増ながらも拡大に転じると予測される。今後は高齢化の進行とともに「歯周病治療」に対する需要も拡大すると考えられる。
2.注目市場
●のど清涼剤・口腔咽頭剤(医薬部外品)
2006年見込み 50億円 2007年予測 55億円(前年比 110%)
のど清涼剤・口腔咽頭剤とは、のど清涼剤(ドロップ)と2004年に医薬部外品に移行した口腔咽頭薬(液体、トローチ)を対象としている。医薬部外品ののど清涼剤・口腔咽頭薬は2004年に口腔咽頭薬として新範囲の医薬部外品へ移行したことにより急激に規模を拡大した。2006年も主要ブランドが好調で堅調に推移する見込みである。今後の市場拡大のカギは、コンビニエンスストアなどの非薬系チャネルにいかに製品を卸していくかにかかっている。医薬品市場から医薬部外品市場への新規参入により、製品のバリエーションが広がっている。
●マウスウォッシュ(洗口液)
2006年見込み 94億円 2007年予測 103億円(前年比 110%)
マウスウォッシュは、口をすすぐだけで口臭の防止や口中の浄化、また製品によっては歯周炎の予防や歯垢の付着防止ができる。参入メーカー各社は新製品の発売に積極的であり、また消費者の口腔ケアに対する意識が高まっていることから、市場は引き続き拡大すると予測される。今後高齢社会の中で、歯を磨くことができない人も増えてくると考えられる。このような時にすすぐだけで口中の汚れを落とすことができるという便利さに加えて、刺激の少ないノンアルコールタイプの発売によって高年齢層を取り込める可能性がある。この世代を取り込む事で市場は更に拡大すると予測される。
●口中清涼菓子
2006年見込み 280億円 2007年予測 300億円(前年比 107%)
口中清涼菓子は、清涼感を訴求するミント系の錠菓を対象としている。市場は、「フリスク」(カネボウフーズ)によって中高年男性の需要を獲得し、近年では「ピンキー」(フレンテ)が若年女性、「ミンティア」(アサヒフードアンドヘルスケア)が若年男性というように、「清涼感」に対する需要層を順次拡大してきた。各社とも新たなフレーバーを追加することで、継続的な需要喚起を図っている。また従来口中清涼菓子といえば「清涼感」訴求がメインであったが、近年は「口臭除去」を訴求する製品も登場しており、更なる需要層の拡大が期待される。
●口臭除去(機能性ガム)
2006年見込み 222億円 2007年予測 240億円(前年比 108%)
口中清涼菓子や口中清涼剤のマウススプレーなどの台頭を受け、市場の需要は奪われつつあった。しかし、2002年以降、ロッテやキャドバリー、江崎グリコといった主要メーカーが、各々のブランドでの新製品やリニューアル製品を発売したことから市場は活性化している。口臭除去への関心が高まるなか、フレーバーや製品・容器の形状(粒・板、ボトル・スティック)などにおいて選択肢が多様化していることが需要喚起につながり、市場は成長している。
●美白(歯磨)
2006年見込み 141億円 2007年予測 144億円(前年比 102%)
美白市場は、お茶やコーヒーのブームや女性の喫煙者の増加によって再び活性化してきている。オーラルケアや歯の美白に対する意識の高さは今後も続いていくと考えられる。また、アンチエイジングにホワイトニングが組み込まれていることから、年齢層の高い女性からの関心が高まると考えられる。さらに、500円以上の高価格製品が伸びており、市場は今後も拡大すると予測される。
< 調査対象 >
(※ 関連資料を参照してください。)
<調査方法>
弊社専門調査員による面接、電話取材。注目カテゴリー編と需要動向に関しては、インターネットのアンケート調査を実施
<調査期間>
2006年7月~9月
以上
資料タイトル:「オーラルケア関連市場マーケティング総覧 2006年」
体 裁 :A4判 382頁
価 格 :97,000円(税込み101,850円)
調査・編集 :富士経済 大阪マーケティング本部 第四事業部 オーラルケアプロジェクト
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