野村ホールディングス、米エージェンシーブローカーの「インスティネット社」を買収
野村ホールディングス、
エージェンシーブローカー大手のインスティネット社を買収
野村ホールディングス株式会社(執行役社長兼CEO:古賀信行)は、機関投資家向けの委託電子取引をグローバルで取り扱う、エージェンシーブローカー大手のインスティネット社(米国、Instinet Incorporated、CEO:Edward J.Nicoll)を買収する契約に調印したと発表した。
インスティネット社の大株主のSilver Lake Partnersと現インスティネット社経営陣の全保有株式を、野村ホールディングスがその子会社を通じて現金にて買い取る。
2005年3月、英国FSAによる規制強化に端を発しアンバンドリングの動きが海外を中心に活発化している一方、近年米国を中心にIT技術の進展とともに電子取引やアルゴリズム取引が急拡大している。こうした事業環境の変化に伴い高度なトレーディング技術、執行サービスに対するニーズが急速に高まっている。
野村グループは、従来からの強みである質の高いリサーチ情報の提供に加えて、インスティネット社の買収により、執行に関するあらゆるニーズに最適なソリューションを提供できる体制が整うと考えている。今後は高度な執行テクノロジー力を活用し、ヘッジファンドを含むあらゆる機関投資家向けにより付加価値の高いトレーディング技術ならびに注文執行サービスを提供していく。
特に電子取引が飛躍的に拡大すると思われるアジアおよびヨーロッパ市場において、野村グループの磐石な顧客基盤とのシナジーを図ることにより、成長市場でリーディング・ポジションを確保できると考えている。
1.インスティネット社の概要
(1)名称: Instinet Incorporated
(2)本店所在地: 3Times Square,7th floor,New York,NY10036
(3)代表者: Edward J.Nicoll
(4)主な事業内容: 機関投資家向け委託電子取引をグローバルで取り扱う
エージェンシーブローカー
(5)決算期: 12月
(6)事務所等:
ニューヨーク、ボストン、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、セントルイス、トロント、ロンドン、パリ、チューリッヒ、フランクフルト、東京、香港
(7)従業員数: 605人(2006年4月末時点)
2.インスティネット社の特徴
・1969年に設立された、世界で初めて機関投資家向けの電子ブロック・クロシングサービスを提供した大手エージェンシーブローカー。設立以来、執行サービスの分野における革新を推し進めてきた。
・米国を中心に世界中に1,500社の顧客基盤を持ち、先端の執行技術や執行プラットフォームを提供することにより事業を拡大。自社開発した執行管理システム(ExecutionManagement System)により世界31ヶ国、50超の取引市場に電子アクセスが可能。
アルゴリズム取引やグローバル・ポートフォリオ・トレーディング・システムといった高度なIT技術を駆使して株式委託注文を執行している。
・アジア拠点として東京オフィスを1993年に設立。アジアにおいても電子取引市場の急拡大が見込まれており、その布石を打っている。
・2006年第2四半期における米国市場での取り扱い高は1.89億株/日で、米国株売買取引株全体の3.7%のシェアを占めた。欧州市場における売買高はUS10.78億ドル/日で前年比68%増加。またアジアでの売買高はUS5.86億ドル/日となり、東京証券取引所においては2.0%のシェアを占めている。
以上