ミック経済研究所、RFID関連ソリューションの市場動向結果を発表
2005年度のRFID関連ソリューション市場の市場規模は、RFIDタグをコアとしたソリューション市場と、非接触ICカードをコアとしたソリューション市場を合わせて、53,380百万円(前年比114.5%)。
2006年度以降は伸び率が急進し、年平均49.6%と高い成長率を維持し、2010年度には400,000百万円の市場規模となるものと予測。
今、注目を浴びるRFID関連ソリューション市場の実態を捉えたマーケティング資料
「RFID関連ソリューション市場の現状と展望2006年度版」発刊
情報・通信分野専門の市場調査機関である株式会社ミック経済研究所(本社:東京港区、社長:有賀 章)は、RFID関連ソリューションの市場実態を捉えたマーケティング資料「RFID関連ソリューション市場の現状と展望2006年度版」を、2006年11月1日に発刊した、と発表しました。
この調査は、RFID関連主要ベンダーを調査対象として、面接取材を中心に調査を実施、主要ベンダー35社の個別実態ベースに、RFID関連ソリューション市場の全体を推定した資料となっています。
調査結果の概要は、以下のとおりです。
<RFID関連ソリューション市場規模>
本資料では、このRFID技術を活用し、「モノや人」と「情報」とを結びつけ、リアルタイムかつ高度に個別情報を収集・蓄積・活用できるシステムを構成するハードウェアとソフトウェア、およびSI、アウトソーシングなどサービスをいずれかでも提供している市場をRFID関連ソリューションの市場と定義付けている。
ハードウェア関連売上には、リーダ/ライタ、RFIDタグ、非接触ICカード、その他ハードが含まれる。
RFIDタグには、自身に電池を持たないパッシブタグと電池を持ち自身で電波を発信するアクティブタグの両方を含み、周波数帯域も長・中波、短波、マイクロ波、UHFなどに別れているものを対象にしている。また、今回調査では、RFIDタグ用途で出るチップおよびインレットもここでカウントしている。
非接触ICカードの場合も、RFIDタグ同様ICカード用途で出るチップおよびインレットの金額も含んでいる。しかし、「Suica」、「ICOCA」、「Edy」などに使われるソニーの『FeliCa』については、既にこれだけで独自の市場を形成しているため、これを含めることで生じるバイアスの発生を考慮して、調査対象からは外している。
その他ハードは、プリンタ、サプライ、上位サーバなどが対象となっている。
ソフトウェア関連売上は、アプリケーションおよびミドルウェアのパッケージライセンスの売上が対象となっている。
サービス関連売上は、RFIDシステム構築に伴うシステムの受託開発、アプリケーションパッケージを活用した場合のカスタマイズといったSI売上、設置工事、コンサルティングを伴う導入サービスの売上、保守売上、RFIDタグ/ICカードを活用したシステムのアウトソーシングやASPサービスなどのその他サービス売上が対象となる。
調査の結果、2005年度のRFID関連ソリューション市場は、RFIDタグをコアとしたRFIDタグソリューション市場38,760百万円(前年比114.5%)と、非接触ICカードをコアとした非接触ICカードソリューション14,620百万円(前年比114.5%)を合わせて、53,380百万円であった(前年比114.5%)。
因みに、2005年度の市場規模53,380百万円は、ベンダー各社の見解を総合すると、当初想定した市場拡大のスピードより、2~3年遅いとの印象が強い。市場拡大を遅らせている要因は、(1)コストの高さとコスト負担先の不明瞭さ、(2)性能(100%の読み書きの実行)と製品の品揃え、(3)セキュリティ責任、(4)プライバシー保護などの課題がボトルネックになっていたためである。
2006年度は、これら4つの課題が解決されたとはいいがたいが、前年まで市場の中心であった実証・実験の案件以外に実用段階の案件も増え始めるとともに、経済産業省が中心となり推進している「響プロジェクト」の成果として、UHF帯のインレットが後半以降、市場に出始めてくることもあり、市場は前年比146.2%の78,060百万円にまで拡大すると見込まれる。
2007年度以降は更にEPC(Electronics Product Code)グローバルに準拠したUHF帯タグの普及に伴うコストの軽減、リーダ/ライタをはじめとする機器の充実による読み取り精度の向上、クローズドな環境中心のシステム開発からオープンな環境へのシステム開発への転換が加速されるなどの好条件が加わることが予想される。また、セキュリティ面においても、ハードウェアやソフトウェアでメモリを制御する仕組みや、RFIDタグと特定のリーダのみ交信する仕組みの概要が整備され、プライバシーについても、エンドユーザーに渡す時点でタグの情報を消去する技術と運用が確立されつつある。
これらのことを考え合わせ、2006年度以降は年平均49.6%と高い成長率を維持し、2010年度には400,000百万円の市場規模となるものと予測される。
なお、同資料の体裁はA4版311頁のファイル製本で、価格は199,500円(消費税含む)です。(CD-ROM版399,000円もご用意しております)