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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.26.Tue
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2007'04.26.Thu

メルシャン、「甲州」ぶどうに「バラ」の香りに含まれる物質が存在することを確認

「甲州」ぶどうに新たに「バラ」の香りを発見
~ 11月25日(土) 「日本ブドウ・ワイン学会(ASEV JAPAN)2006年大会」で発表 ~


 メルシャン株式会社(本社:東京、社長:岡部 有治)は、メルシャン勝沼ワイナリー(山梨県甲州市)と商品開発研究所(神奈川県藤沢市)及びボルドー大学(フランス・ボルドー市)との共同で行っている研究において、日本固有のぶどう品種「甲州」に、“バラ”に含まれる香りの一つである「ベータ・ダマセノン」という物質が存在することを確認し、この香りを特徴とする甲州ワインを醸造することに成功しました。
 この研究成果を、11月25日(土)に奈良県の近畿大学にて開催される「日本ブドウ・ワイン学会(ASEV JAPAN)2006年大会」にて発表します。

 「ベータ・ダマセノン」は、香りの高いバラとして珍重されている“ブルガリアン・ローズ(学術名:Rosa damascena)”のエッセンシャルオイルから、1970年代に発見された香りの物質で、ワイン中の香りとしては“コンポート・ド・ポム(りんごのシロップ煮)”と表現される、優雅で甘美な香りを発現します。
 当社では、2005年に発売した「シャトー・メルシャン 甲州きいろ香」の研究段階で、甲州ワインのアロマの中に「ベータ・ダマセノン」が含まれている事を発見。今回の研究で、果汁を搾る段階の醸造技術を工夫することにより、ぶどうの果皮・果汁中に香らない状態で存在する「ベータ・ダマセノン」の素(前駆体物質)を、より多く果汁中に残し、香りとして発現させることに成功しました。このワインは、従来の製法で醸造した「甲州」ワインに比べ「ベータ・ダマセノン」を3~6倍含むことが確認できました。
 この研究成果は、これまで「甲州」の“味わい”を追求して醸造してきた「シャトー・メルシャン 甲州グリ・ド・グリ」の2005年ヴィンテージに既に活かされていますが、本年さらに改良・進化させた技術を用い、2006年ヴィンテージを醸造中で、来春にも発売する予定です。

 「甲州」は、1000年以上前に山梨県勝沼の地で誕生し、山梨県を中心に脈々と栽培されてきた唯一の日本固有のワイン用ぶどう品種です。当社では、1984年に日本で初めてシュール・リー製法を用いて造った辛口甲州ワイン「甲州東雲シュール・リー」を発売するなど、「甲州」による高品質なワイン造りに取り組んできました。近年は「甲州」ぶどうの価値を高め、山梨県延いては日本ワインの活性化に貢献したいという事業理念のもと、2000年より「甲州プロジェクト」を発足し、研究を続けてきました。
 2004年には、ボルドー第二大学醸造学部デュブルデュー研究室の協力を得て「甲州アロマプロジェクト」の共同研究を新たに開始し、「甲州」にグレープフルーツなどの柑橘類の香りの素となる物質(3-メルカプトヘキサノール)が含まれていることを発見。この香りの特徴を表したワインを「シャトー・メルシャン 甲州きいろ香」として2005年春に5000本限定で発売し好評を博しましたが、当社はその「甲州果汁中の香りの素の推移」の技術を山梨県ワイン酒造組合を通じて、山梨県内のワイナリー及び公的機関に対して公開しました。

 当社では日本固有のぶどう品種「甲州」をワイン醸造用品種として世界レベルへ引き上げることを使命と考え、今後も更に研究を進め、それを公開していくことで、日本ワインの発展に貢献してまいります。


以 上

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