カシオ、ドイツ鉄道が車掌用端末としてハンディターミナルを採用
カシオのハンディターミナル「IT-3000」
ドイツ鉄道が車掌用端末として採用
カシオ計算機は、Deutsche Bahn AG社(以下ドイツ鉄道)が車掌用端末として、当社ハンディターミナル「IT-3000」を採用しましたので、ご案内いたします。
ドイツ鉄道は、ヨーロッパ最大の鉄道輸送会社のひとつで、売上251億ユーロ、従業員数216,389人を抱えるドイツでも最大の企業のひとつです。毎日、多くの列車が34,211kmの路線を走行し、年間のべ17億8,500万人の乗客が利用しています。現在、ドイツ鉄道を利用する場合、乗客は以下の4つの方法で切符が購入できます。
(1)カウンターで購入する
(2)車内で車掌から購入する
(3)インターネット上で購入して切符をプリントアウトする
(4)インターネット上で購入してテキストメッセージとして自分の携帯電話で受け取る
車掌は、車掌用端末を使って、上記の方法で購入された切符の確認や精算、発券をスムーズに行わなければならず、車掌用端末には一台で複数の業務をこなすことが求められていました。
当社では、今回、ソフトウェアとスマートカードリーダーの開発を担ったドイツのチューリンゲン地方のSYSTEMTECHNIK GmbH社と協力して、汎ヨーロッパ規模で行われたドイツ鉄道の車掌用端末の入札に「IT-3000」で参加。優れたソリューション提案と、以下の特長がドイツ鉄道から評価され、納入が決定いたしました。
■車内でのクレジットカード支払いに対応する磁気カード読み取り機能と月間契約カードに対応するスマートカード読み取り機能
■インターネット切符の2Dバーコードを読み取れる内蔵イメージャー
■ロール紙の交換が簡単でインクカートリッジが不要なサーマルプリンター搭載(車内で切符やレシートをスムーズに印刷できるため)
■ドイツ鉄道の全路線を収録できる2GBのSDカード搭載
(乗り継ぎ案内が確実に行える)
■見やすいTFTカラー液晶の搭載と入力しやすいキーボードの装備
■携帯性に優れた約800gの軽量ボディを実現
■長時間使用が可能な省電力設計
(乗務を開始すると充電場所へ長時間戻らないため)
当社は2006年2月から「IT-3000」の納入を開始。本年9月に納入を完了しました。ドイツ鉄道では、7月から車掌用端末として「IT-3000」の運用を開始しており、現在、12,000人以上の車掌全員が、切符の確認や精算、発券、時刻表の確認など、様々な業務を「IT-3000」で行っています。ドイツ鉄道からは、「IT-3000」の導入により、車掌の業務効率化と乗客へのサービス向上を実現できたと高い評価を得ています。
当社では、今後も世界中の鉄道輸送会社に対して、当社のハンディターミナルを車掌用端末として積極的に提案し、事業の拡大を図ってまいります。
補足
■磁気カード読み取り機能によるクレジットカード支払いとスマートカード読み取り機能
車内で車掌から切符を購入する場合、支払いは、現金でも、クレジットカードでも行えます。乗客がドイツ鉄道カードを持っている場合、情報を「IT-3000」からシステムに転送することもできます。これによりドイツ鉄道カードのポイントを貯められるだけではなく、運賃が25%または50%安くなります。
■内蔵イメージャーによるオンラインチケット上の2Dバーコード読み取り対応能力
インターネット切符は、認証用に2Dバーコードがプリントされています。車掌は「IT-3000」に搭載されているイメージャーを使って切符を確認します。携帯電話経由での切符も処理方法は同じで、ドイツ鉄道からのテキストメッセージ上の2Dバーコードを携帯電話の画面を通じて読み取ります。