MM総研、ブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果を発表
光の契約数は前年比80%増で700万回線を突破
―ブロードバンド回線事業者の加入件数調査―
■FTTH回線は半期ベースで過去最高の171万件の増加
■NTT東西のFTTH加入件数は倍増、シェアは約67%に上昇
■ADSLは半期ベースで初の減少に転じる
MM総研は、06年9月末時点でのブロードバンド回線事業者の加入件数を調査し、結果をまとめた。調査結果によると、FTTH(光接続サービス)の契約数は06年3月末時点に比べ約171万件の増加となり、半期ベースでは過去最高の増加となった。一方、これまでブロードバンドの主役として市場を牽引したADSLは06年3月末時点に比べると、6万3,000件のマイナスとなり、半期ベースで初の減少に転じた。
回線事業者のシェアを見ると、FTTHでは、NTT東西が提供するBフレッツが依然強く、05年9月末から06年9月末時点までの半年で2倍と大幅に伸びた。他の回線事業者に関しては、1.4倍程度の伸び率で、前年同期比2倍の伸び率を見せたNTT東西が、FTTH市場を牽引しているといえる。
ADSLでは、BBテクノロジー(サービス名:Yahoo!BB)が、単独ブランドとしては依然トップシェアを維持している。05年9月末から06年9月末までの伸び率をみると1.03倍となり、FTTHへの移行が加速する中、健闘している。NTT東西に関しては、06年3月末時点から半期で約10万件程度減少に転じている。これはNTT東西が積極的にFTTHの販促を行ったことや、ADSL会員のFTTHサービスへの移行が進んだためとみられる。
■ISP接続サービス会員総数ではOCNが1位に
ブロードバンド会員の合計は年々伸び続けているが、ADSLが頭打ちとなっていることから、伸び率は次第に鈍化してきた。モバイル系のインターネットサービスが充実してきたこともあり、固定系のISP接続会員数は今後も急成長することはなさそうだ。ブロードバンド会員を増やしていくためには、既存のナローバンド接続サービス会員をいかに高速系サービスに乗り換えさせるかが鍵となる。
ブロードバンド接続サービス契約数では現在、Yahoo!BBが1位だが、ナローバンドサービスを含むISP接続サービス契約数では、OCNが首位となっている。同社のブロードバンド会員は現在ADSLとFTTHをあわせて約440万件あり、首位を走るYahoo!BBサービスを追い上げている。今後もさらに両社間の会員獲得競争は熾烈なものとなりそうだ。
また回線別ISPシェアでは、ブロードバンド回線の主役となっているFTTHではOCNが、2位のBIGLOBEに対して、2倍以上の差をつけている。またADSLではADSLサービスで圧倒的ブランド力を誇るBBテクノロジーのYahoo!BBが、2位NTTコミュニケーションズのOCNに対して2倍の差をつけ首位を維持している。
■09年3月末にブロードバンドサービスの加入件数は3,590万件に拡大
06年3月末時点のFTTHの加入件数は535万件と、05年3月末時点に比べて倍増する結果となったが、今後もFTTHは順調に増加し、09年3月末には1,900万件まで拡大する見通し。一方、これまでブロードバンドの主役であったADSLは05年3月末時点で1,370万件、06年3月末時点で1,445万件と微増にとどまり、07年3月末時点では1,420万件と減少に転じる。08年3月末で1,350万件、09年3月末には1,250万件程度に落ち込むものと見られる。ケーブルテレビに関しては堅調に推移するものの、こちらもFTTHほどの伸びは期待できず、07年3月末で360万件、08年3月末で410万件、09年3月末には440万件程度になるものとみられている。
ブロードバンドサービス全体では06年3月末時点の2,315万件から、07年3月末時点で2,700万件、08年3月末時点で3,110万件、09年3月末時点で3,590万件と契約数は順調に伸びるものと見られる。特に、急激な増加をみせるFTTHのブロードバンドサービスに占める割合は、06年3月時点の23%から09年3月末時点では53%にまで拡大し、ブロードバンド回線の半数以上を占めるものと予想される。
※添付資料を参照