日立、日本版SOX法への対応としてeラーニング「内部統制基礎」を提供
内部統制関連研修サービスを提供開始
文書化の事例を纏めた「内部統制テンプレート/JSOX」も提供
日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:篠本 学/以下、日立)は、このたび、金融商品取引法による内部統制報告制度*1(通称:日本版SOX法)への対応として、企業の内部統制整備の推進者向けに、推進のための具体的な方法やノウハウなどを習得できる集合型研修「内部統制整備実践研修」と、全従業員が内部統制の基礎を学ぶことができるeラーニング「内部統制基礎」を提供します。
また今回、内部統制整備で必須となる業務プロセスなどにおける文書化の事例を纏めた製造・流通業向け「内部統制テンプレート/JSOX」を作成し、それぞれ11月22日から販売を開始します。これらは日立グループの米国SOX法対応で培ったノウハウを集約したものです。
*1 内部統制報告制度:金融商品取引法に「財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制の評価制度」として盛り込まれる制度のこと。これにより上場企業の経営者による財務報告に係る内部統制の有効性評価、及び外部への報告、および監査人による内部統制の監査が義務付けられる。2002年7月に米国で制定された「証券法に基づいて作成公開される財務諸表の精度と信頼性を改善することにより、投資家を保護することを目的とした法律」(サーベンス・オクスリー法;企業改革法)にちなみ、日本版SOX法と呼ばれている。
2006年6月に金融商品取引法が成立し、2008年4月以降に始まる会計年度から、財務報告に係る内部統制の整備状況などの報告が、上場企業及びその連結子会社に義務付けられることとなり、対象企業はその対応に迫られています。準備期間が短い中、迅速に内部統制の整備を進めるため、内部統制関連のコンサルティングや教育サービスへのニーズが高まっています
今回、内部統制関連研修サービスとして、企業の内部統制整備の推進者向け「内部統制実践研修」と全従業員向け「内部統制基礎」を提供します。推進者向けの「内部統制整備実践研修」は、整備の方法論や推進上のノウハウを習得するための集合型研修です。本研修の講師は、株式会社日立コンサルティング(代表取締役社長兼CEO:ポール 与那嶺)のコンサルタントが行ないます。そのため、短期間で実践的な手法を習得できます。一方、全従業員向けの「内部統制基礎」は、従業員一人一人が内部統制の基礎を学ぶことができるeラーニング研修です。コンテンツは企業ごとにカスタマイズできるため、内部統制整備に関する企業固有の取り組みなども含めて、全従業員が内部統制の重要性を学ぶことができます。
また、内部統制整備に必要な文書化の事例を纏めた製造・流通業向け「内部統制テンプレート/JSOX」を提供します。これは、文書として明示することが求められている業務フローチャートやリスクコントロールマトリクスなどを記載するための参考として利用できるものです。あわせて、日立のERPソリューション「GEMPLANET Ver.2」に適用可能な「GEMPLANET Ver.2ソリューションツールズ」も提供します。これらのテンプレートを参照することで、一から文書化作業を開始する必要がないため、作業工数を大幅に軽減できます。
日立では、2006年4月に内部統制整備を支援するコンサルティングサービスを中心とした「内部統制再構築ソリューション」を販売開始して以降、日立グループ一体となってソリューションの提供体制を強化してきました。日立は今後も、日立グループにおけるノウハウの共有や製品・サービスの相互活用により、企業の日本版SOX法対応を支援していきます。
内部統制関連研修サービスの特長
1.企業の内部統制整備の推進者向け「内部統制整備実践研修」
内部統制の整備対象の絞りこみ方などを学ぶ計画策定コース(1日間)と、文書化の事前準備からその実施方法を具体的に学ぶ文書化コース(2日間)を用意しました。本研修では、業務領域のみならず、ITに係る統制整備の方法を学ぶことができるほか、理解を深めるための演習問題も設けています。これにより、短期間で実践的な手法を習得でき、内部統制整備を迅速に進めることが可能になります。
2.全従業員向けeラーニング「内部統制基礎」
内部統制は、従業員一人一人が意識すべきものです。そこで全従業員が内部統制の重要性を学ぶことができるeラーニング研修を提供します。コンテンツは企業ごとにカスタマイズすることが可能であるため、自社特有の内部統制整備に関する取り組みを学ぶことができます。また、章末には確認問題を用意しており、おのおのの修得レベルの確認も可能です。
文書化テンプレートの特長
1.「内部統制テンプレート/JSOX」
「内部統制テンプレート/JSOX」は、日立が内部統制整備を進めるにあたり作成した文書を汎用化し、文書化の事例として纏めたものです。これは、全般統制編、業務統制編、IT全般統制編、英語版の4編から構成されており、チェックリストや業務フローチャート、リスクコントロールマトリクスといった主要な統制文書を提供します。特に業務統制編には、販売や棚卸資産管理などの11プロセスを対象とした59の業務フローチャート、リスクコントロールマトリクスのほか、各業務プロセス別に代表的なリスクとその統制方法などを纏めたものが含まれています。これらを利用することにより、一から文書化作業を開始する必要がなくなり、作業工数を大幅に軽減できます。なお、「内部統制テンプレート/JSOX」には、活用方法などを解説する教育プログラムが含まれています。
2.「GEMPLANET Ver.2ソリューションツールズ」
「GEMPLANET Ver.2」の会計管理や債権債務、販売の各モジュールに、標準で搭載されている機能のアプリケーション統制の範囲において、業務フローチャートやリスクコントロールマトリクスを例示したテンプレートを、画面・帳票一覧やシステム導入・運用支援ドキュメント群とセットで提供します。アプリケーション統制を文書化するための参考として本テンプレートを利用することで、「GEMPLANET Ver.2」導入企業の迅速な文書化作業を可能にします。
価格及び提供時期(*添付資料参照)
関連情報
内部統制/日本版SOX法対応 ホームページ http://www.hitachi.co.jp/Prod/it/agenda/compliance.html
以上