NEC、携帯電話上でパソコン向けWebページを快適に閲覧する技術を開発
携帯電話上でPC向けWebページを快適に閲覧する技術を開発
~縮小画面イメージ上でのブロック選択によりキー操作を大幅に低減~
NECはこのたび、携帯電話の画面上に表示したPC向けWebページの縮小イメージ(オーバービュー画像)から閲覧したいブロックを選択することにより、該当部分の詳細情報を効率的に表示する技術を開発し、携帯電話向けブラウザとして実現しました。
このたび開発した携帯電話向けブラウザは、画面上にWebページのオーバービュー画像とブロックのタイトル文字列を表示します。サーバ上の「レイアウト解析エンジン(注1)」が、Webページを表示内容ごとに区切ったブロック構造の情報を抽出することで、この表示を可能にしています。利用者は、Webページの縮小イメージとブロックのタイトル文字列を参照し、方向キーでブロックを選択することで、目的の情報を快適に閲覧できます。本ブラウザは、アプリケーションをダウンロードして使用する形態を取っており、携帯電話の機種に依存することなく利用できます。
本ブラウザを用いてWeb閲覧のためにかかる操作を、従来のモバイルブラウザを使用した場合と比較したところ、約1/15の操作(注2)で目的の情報まで辿り着くことができました。また、本ブラウザを用いてWebページ閲覧する際、コンテンツを全てダウンロードすることなく効率的に目的の情報に辿り着くことができるため、パケット通信量を約60%低減することができました。
近年、携帯電話の性能向上とともに、携帯電話からのPC向けWebページ閲覧へのニーズが高まり、携帯電話へのモバイルブラウザの搭載が進んでいます。しかし、従来のモバイルブラウザ機能では、1ページを描画するまでに非常に時間がかかる、目的の情報に辿り着くまでに何回もカーソル位置移動のためのキー操作を必要とする、などの課題がありました。
このたびの開発は、これらの課題を克服し、オーバービュー画像の高速表示とブロック移動による目的情報の効率的な選択を可能にするもので、携帯電話によるPC向けWebページ閲覧の操作性を大幅に向上しています。これにより、大量のPC向けWebページへの、携帯電話からのアクセスが容易になり、Webページの閲覧環境を大きく広げることができます。
また、本技術は、PC向けWebページをモバイルブラウザで閲覧可能な形に自動的に変換できるため、コンテンツ提供者が様々な携帯電話向けに別々のWebページを開発する必要がなくなり、通常、1コンテンツあたり数千万円かかると言われているWebページの開発コスト・メンテナンスコストを合わせて1/3程度に削減することができます。
本技術は、携帯電話だけでなく、テレビ・PDAなどPC以外の様々な端末にも応用可能です。NECでは今後、本技術の用途拡大のための研究・開発を進め、携帯電話を活用した本格的なモバイルオフィスや、茶の間でもインターネットがフルに活用できるスマートホームの実現を目指していきます。
NECは、本技術がユビキタス社会を支える高機能な携帯端末の実現に貢献すると考え、早期の実用化を目指して研究・開発を強化していきます。
なお、NECはこのたびの成果を、12月6日から8日まで東京ビッグサイト(東京都・江東区)で開催される「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2006」に出展します。
以上
(注1)
レイアウト解析エンジンとは、Webページを記述しているHTMLタグの構造に加え、Webページを構成する複数の領域やタイトルの位置関係・サイズ・色などの特徴を解析することで、人間の直感に合ったブロック構造の抽出を行うソフトウェアです。
(注2)
インターネット視聴率上位10サイトそれぞれについて、トップ画面の中央付近のブロックまで移動するために必要となった携帯電話のキー操作回数を実測。本ブラウザを用いた場合の平均の回数と、モバイルブラウザを用いた場合の平均の回数を比較した数値です。
<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>
NEC システム基盤ソフトウェア開発本部
電 話:(03)5476-1084(直通)