アキレス、環境に配慮した車輌内装用合成皮革の生産可能な最新鋭製造設備を導入
環境に配慮した車輌内装用合成皮革の生産に向け25億円の投資により最新鋭製造設備を導入
車輌内装用合成皮革の高機能高品質化、車室内VOC低減への要求に応え足利第一工場にて来年10月より新設備稼働開始
アキレス株式会社(本社:東京都新宿区 社長:中田 寛)は、中期経営計画の目標実現のため、車輌資材、電子材料、住宅資材といった成長分野への積極的投資を計画し推進しています。その一環として、このほど、25億円を投資し、環境に配慮した車輌内装用合成皮革の生産を可能とする最新鋭製造設備を当社足利第一工場に導入し、来年10月から稼働を開始します。
当社の合成皮革は「カブロン」の商標で、靴、鞄、家具などさまざまな用途分野に使用されています。 中でも、車輌内装用合成皮革は、各種車種に採用され最も品質物性要求の厳しい座席メインサイド部にも使われ、年々、着実に需要を伸ばしています。
車輌内装用合成皮革「カブロン」の需要が伸びているのは、その高摩耗耐久性能もさることながら、軽量で表面タッチに温もり感があり、汚れによるメンテナンスを容易にし、クルマのリサイクル、廃棄時に環境に及ぼす有害物質を含んでおらず、環境に配慮した素材であることが挙げられます。
さらに、近年、自動車メーカー各社は、室内環境におけるシックハウス症候群の一要因として問題視されるVOCについて、車室内の環境に配慮したクルマづくりを進めています。そして自動車メーカー各社を中心に厚生労働省の定める13物質の室内濃度指針値に準拠する「車室内VOC(揮発性有機化合物)低減」に対する自主取り組みが顕著となってきています。
また、2007年度発売の新型乗用車からは、メーカー各社がさらなる車室内のVOC低減に務めるべく、自主取り組みを強化することが明らかにされており、今後、車輌内装用素材についてもVOC低減への要求の厳しさが増すことが予想されます。
当社は、このような市場環境の変化を開発の重要テーマと受けとめ、2年前から研究を開始し、さらに開発のスピードを上げるべく、今年1月に本格的なプロジェクトを立ち上げ、製品の開発と設備の検討を進めてきました。そして、この度、製品化の見通しが立ち、今回の最新鋭製造設備の導入を進めるに至りました。
今回の最新鋭製造設備は、今後ますます増加が予想される環境に配慮した製品の需要に対応するだけでなく、自動車メーカー各社からの、さらなる車輌内装用合成皮革の高機能、高品質ならびに高意匠化の要求に応える製品を製造することを可能とし、
1.無溶剤化製法により自動車メーカー各社のVOC低減への要求へ対応した環境に配慮した合成皮革の提供。
2.高機能、高品質化のニーズに対応。(耐久性、風合い・肌触りの優れた合成皮革の提供。)
3.高意匠化のニーズに対応。
4.世界に通用するグローバルな製品要求に対応。
などの効果が期待できます。
なお、当社では、2010年度の車輌内装用合成皮革の年間売上げを50億円と見込んでいます。
参考資料
1.無溶剤化製法:VOCを使用しない合成皮革の製造方法。
2.採用車種 :当社の車輌内装用合成皮革の採用実績は、
日産自動車株式会社・・・ティーダ、エクストレイルなど
本田技研工業株式会社・・・S2000、欧州アコードなど
が挙げられます。