NEC、評価理由も同時に抽出・分析できる評判情報分析システムを開発
評価理由も同時に抽出・分析できる評判情報分析システムを開発
~ネット上のクチコミ情報を取り入れた市場調査がいつでも可能~
NECはこのたび、電子掲示板やブログなど、インターネット上にある多数のクチコミ情報から、調査したい対象(商品、サービス、企業、ブランドあるいは個人など)がどのような理由でどう評価されているかという情報を自動的に抽出・分析し、その結果をレポートするシステムを開発しました。
このシステムを活用することで、電子掲示板やブログなどに掲載された商品やサービスなどに関する評判情報をリソースとしたリアルタイムな市場調査を手軽に行えるため、企業はマーケティング活動に、ユーザは商品選択などの情報源として役立てることができます。
このシステムは、大量のデータ解析を通じて価値ある情報を見つけ出すデータマイニング技術を使ったもので、次の新技術の開発により実現したものです。
(1)評判の調査対象が、どのような理由で、「よい」「楽しい」「面白い」といった 評価がされているのかという評価理由の自動抽出技術
(2)それぞれの情報の中に含まれたキーワード(例えば、TV番組の場合には「出 演者」や「放送時間」など)から、調査対象分野の評判について書かれた情 報か否かを自動判定する技術。
従来のシステムでは、対象物がよかったのか悪かったのかなど、「対象物と評価」の二項目でしか評判情報を分析できず、評価理由については本文を確認しなければわかりませんでした。また、対象物名が短すぎる場合や一般的な名称の場合には、同じ言葉が用いられている名称だが無関係という情報も含めて大量に抽出されてしまうという問題もありました。
このたび開発した技術の一つは、「よい」「楽しい」といった評価が、例えばTV番組に関する記事の場合、「ストーリー」なのか「演技」なのか、何に対応する評価なのかを機械学習の手法により見つけ出す技術です。また、もう一つの技術は、抽出した情報に含まれるキーワード(例えばTV番組という分野の場合、「出演者」や「放送時間」など、特定分野で使われる特徴的な言葉)からどの分野の情報に関するものかを特定する技術です。この二つの技術により、分析したい対象物に関する情報だけを抜き出し、さらに、「対象物の」、「どういう点が」、「どうだったのか」という3項目セットで評判情報を抽出・分析することができます。
また、比較検討したい対象がある場合、その評判情報も同時に抽出・分析することも可能で、例えば、ある商品が同じ分野の商品と比較してどういった点でどう評価されているのかの分析もできます。また、売上データと組み合わせることにより、よく売れている商品はどのような点が評価されているのかといった分析も可能です。
さらに、ユーザの好みに関するデータと組み合わせた商品推薦なども実現できます。例えば、これまではレストランなら料理の種類(和洋中)や予算、旅行プランなら地域や時期、パソコンなら性能や価格など、一般的な項目でしか商品やサービスを検索できませんでした。しかし、今回のシステムで得られた評判情報と組み合わせることにより、例えば、ワインの種類が多い店、露天温泉で景色が抜群の旅館、液晶のきれいなPCなど、ユーザひとりひとりが注目するポイントで検索することが可能になります。また、例えば、「液晶のきれいな」PCを望む顧客には「音質のクリアな」ホームシアターセットをお薦めするなど、きめ細かな商品推薦をしたり、どのような点を重視する顧客が増えてきたのか、どのような点をお薦めすると購入につながったのかという情報から、新しい商品やサービスの開発につなげることも可能になります。
NECでは、今回の成果により、インターネット上のクチコミ情報をリソースとする新しいユーザ評価分析のソフトウェアやサービスの実現、さらにユーザの好みや商品特性に合わせたきめ細かい商品推薦サービスの実現に大きく貢献できると考えています。
本システムは、NECビッグローブが提供する評判分析サービス「BIGLOBEサーチ評判分析β」(http://drama.guide.search.biglobe.ne.jp/)に使われています。今後は本システムの利便性を高め、さまざまな分野への適用拡大を目指して研究開発を強化していきます。
なお、NECでは、12月6日から8日まで東京ビッグサイトで開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2006」にて、本システムを「リアルタイム情報活用ソリューション」として出展する予定です。
以上
本件に関するお客様からのお問い合わせ先NEC 研究企画部 企画戦略グループ
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