沖電気、中国の常州CATVとCAカード分離型STBの実証実験を開始
OKIと常州CATV、CAカード分離型STBの実証実験を開始
OKIは、このたび中国市場向けに分離型CA(Conditional Access)カードを開発しました。中国においてテレビ放送のデジタル化推進の先導役を果たしている江蘇省常州市の常州CATVとOKIは共同でCAカード分離型STB(Set Top Box)を使った実証実験を11月中旬より開始し、約1ヶ月をかけてCAカードの機能、性能および品質等の検証を行います。OKIでは本実証実験の結果をもとに、CAカードのセキュリティ等の機能の拡充・強化を図っていきます。
「OKIは、1881年の創業以来、進取の精神(先見性と勇気をもって自ら果敢に挑戦・行動する心)をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献することを企業理念に、事業を展開しています。中国におけるOKIのビジネスは1980年代初めからスタートし、現在北京と上海に駐在事務所があり、OKIグループとして13の現地法人を持ち、約1800名の社員が中国において働いており、私たちは情報通信など様々な分野で、先進技術を活用して、人々に優しい安全・安心な商品やサービスを提供し、中国の発展に貢献していきたいと考えています」と、OKIの杉本常務取締役中国ビジネス推進本部長は語っています。
「常州は国家放送映画テレビ総局より認定された全国初の33のケーブルデジタルテレビ放送を試行運営している都市の一つであり、全国で最も早くデジタルテレビ放送を開通した都市の一つでもあります。常州市区のケーブルテレビとインターネットのキャリアとして、積極的に「デジタル常州」の建設を推進しています。現在、常州CATVは全市に光ファイバーネットワークを敷設し、HFC網、ATM網、GE網を構築しました。江蘇省のハイテック企業とサービス業の30社を重点企業として、デジタル化領域において積極的に研究開発を行い、新技術を使用し、常州市市民に優良な品質のサービスを提供していきます」と、常州CATVの張兵董事長は語っています。
中国では、国家「第11次五年計画」に基づいて、2015年までに全てデジタルテレビ放送へ切り替えることを計画しています。常州CATVはデジタルテレビ化の積極的な推進者として、国家放送映画テレビ総局のご指導のもと、常州市の市区範囲内全体のデジタル化への切り替えの加速を推進し、そして転換の過程において、リードする目線、革新の構想で発展を加速します。
OKIが開発した分離型CAカードは、デジタル放送の番組の著作権保護や有料放送の視聴のためにSTBやテレビ本体に挿入して使用するもので、OKI独自のハッキング対策機能を搭載しています。中国では、現在CAカード一体型STBが多く採用されていますが、STBとCAシステムを独立させることで、STBの共通化が可能となり、STBのコストの低減が実現できるようになります。
「現在、デジタル放送の視聴にはSTBが必要です。STBにはCAシステムを固定的に組み込んでいる一体型と、STBに挿入する分離型がありますが、CAカード分離型はカードを取り替えるだけで、あらゆるCATVにアクセスできるようになります。そのため、これまでCATV事業者ごとに行っていたSTBの設計変更が不要となり、STBベンダーは大量生産によるコスト競争力の強化を図ることが可能となります。また、デジタル放送の視聴者にとっては、より適切な価格でSTBを購入できるようになり、CAカード分離型STBは中国におけるデジタル放送の普及・発展に大きく寄与するものと考えております」と、OKIの杉本常務取締役は語っています。
OKIと常州CATVは今回の実証実験のために共同で実験内容や、実験の指標と標準を制定し、OKIが開発した分離型CAカードと、第3者より調達したSTB、常州CATVのHFC網と信号源を使用し、常州CATVに加入している50戸を対象にそれらを実際に利用していただきます。期間は12月中旬までの約1ヶ月を予定し、映像の受信状況や著作権保護のために施しているセキュリティ技術の効果等を検証していきます。
「中国には現在約4億台のテレビがあり、2015年までに全てのアナログテレビ放送を停止し、デジタルテレビ放送への切り替えを計画しています。常州市では、2010年までに約200万台のテレビのデジタル化が計画されております。CAカードは各CATV業者が使っているCAとSTBの間の差異性を処理でき、STB自体の設計をCATV業者に関係なく統一することが可能となり、デジタル化へのスムーズな移行を後押しするものと期待しています」と、常州CATVの張兵董事長は語っています。「OKIは日本の情報通信システムメーカーとして125年の歴史を持ち、非常に優れた映像処理技術やセキュリティ技術等を持っています。OKIは1997年より常州市に進出し、通信機器の生産・販売会社である常州沖電気国光通信機器有限公司を設立し、2001年にはソフトウェアの開発会社の沖電気軟件技術(江蘇)有限公司を設立し、事業を拡大するなど、常州市の発展に大きく貢献している企業であり、常州CATVでは、最新の高度な技術を持つOKIとともに、他に先駆けてCAカード分離型STBを使った実証実験を行い、デジタル放送への移行を強力に推進していく新しい道を提供しています」。
「OKIは、このたび常州におけるテレビ放送のデジタル化において重要な役割を果たしている常州CATVと共同で実証実験を行えることを非常に光栄に思っております。弊社が独自に開発した分離型CAカードは、技術的に非常に優れたものであり、常州CATVと共に、CAカード技術の適用性、各種CAカード対しての差異性及び大規模な応用などに協業し、中国におけるデジタル放送の発展過程に安定した商用化製品を提供していきます」と、OKIの杉本常務は語っています。「中国では2008年の北京オリンピックの開催や2015年までにすべてのテレビ放送がデジタル化されることにより、デジタルテレビやSTBの需要が高まり、CAカード市場も大きく伸びると予測されています。OKIでは、今後、高成長が期待できる中国CAカード市場に向けて、今回の実証実験の成果をベースに、OKIが持つ半導体から情報通信システム機器までの幅広い分野の技術を結集し、分離型CAカードの商品化に向けて邁進し、中国の人々の心豊かで快適な暮らしに役立つ商品を提供していきます」。
【 常州CATV概要 】
会社名称:常州広播電視信息網絡有限責任公司
住 所:中国江蘇省常州市西横街10号5号楼2層
代表者 :張 兵董事長
社員数 :518名
創 立 :1999年1月29日
事業内容:CATV運営業者、江蘇省ハイテック企業、常州市の情報化建設とソフト発展先進
企業として、積極的に「デジタル常州」の建設を推進しており、2002年江蘇省発改委より全省30のサービス業重点発展企業の一つとして認定された。
※沖電気工業株式会社は、グローバルに認知される成長企業を目指し、通称を「OKI」とします。
※その他、本文に記載されている会社名、製品名は一般に各社の商標または登録商標です。