三洋半導体、車載オーディオ機器向け電子ボリュームLSIを開発
有信号時のノイズ低減機能充実
車載オーディオ機器用電子ボリュームLSI開発
製品名 LV3311PM / LV3320M
サンプル出荷開始 2007年1月
生産計画 2007年末 20万個/月
サンプル価格 150円 / 300円
三洋半導体株式会社はこのほど、SCF(Switched Capacitor Filter)技術※1の採用などにより、少ない外付け部品で充実した音楽信号コントロール機能を実現する、車載オーディオ機器用電子ボリュームLSIを開発いたしました。
当社は、新ビジョン「Think GAIA」のもと、快適空間をつくり出す機器開発を支え、環境保全に貢献する半導体製品を提案してまいります。
※1 LSI内のコンデンサ切替制御によるフィルタリング技術、外付けのコンデンサが不要となる。
◆主な特長
1.3種のノイズ対策機能を搭載
2.SCF技術の採用でグライコ部の部品点数ゼロを実現
3.独自のBi-CMOSプロセスにより低消費電流を実現
I.概要
車載用オーディオ機器は、より高い音質と臨場感で音楽を楽しみたい、という市場ニーズに対応して、車内環境に合わせた最適な音場つくりのために、スピーカーを4個以上配置するマルチスピーカーシステムの普及とともに、デジタル処理によって個々のスピーカーから出る音の最適化などが追求されています。
こうした背景のもと、音量を制御するボリュームコントロールも、以前の可変抵抗素子から最近ではほとんどが接触構造を持たない電子ボリュームへと変わり、その制御LSIもワンチップでマルチスピーカーに対応し、さらには音量だけでなく音質も同時にコントロールするといった高機能対応となってきています。
進展著しい電子ボリュームですが、音量のコントロールはゼロからMAXをステップコントロールで行います。そのため、音声有信号が流れている時に音量増減の操作を行うと、ステップアップあるいはステップダウン時にノイズが発生してしまいます。このノイズを抑えるために、ゼロクロス回路、ソフトステップ制御等の対策が施されます。
このほど当社は業界で初めてゼロクロス回路とソフトステップ制御、ソフトミュート回路といった豊富なノイズ対策機能を搭載した電子ボリュームLSI LV3300シリーズを開発しました。LV3300シリーズは、SCF技術の導入により、これまで数個~十数個必要とした外付けコンデンサを不要としたため、回路部品点数を削減するとともにパッケージの小型化も実現し、回路基板の省スペース化に貢献いたします。
LV3300シリーズは、ステレオ4チャンネル入力対応のLV3311PMと、SCF対応のフィックスイコライザを内蔵したLV3320Mの2機種で構成され、ユーザーニーズに対応いたします。
II.主な特長
1.3種のノイズ対策機能を搭載
有信号時の切り替えノイズを最小とするために、ゼロクロス回路※2、ソフトステップ制御※3、ソフトミュート回路※4の3種の対策機能を搭載。回路ブロックに応じた機能選択により最適な制御を実現。
※2 音声波形がゼロレベルとなる瞬間に音量切り替えを行う
※3 音量切り替えのステップコントロール時にステップ切り替えをさらに細かく段階的に行う方法
※4 ミュート(消音)機能のオン・オフを緩やかに行う
2.SCF技術の採用でグライコ部の部品点数ゼロを実現
SCF技術の採用により、従来グラフィックイコライザー部を構成するために必要とした外付けのコンデンサを不要とし、その結果パッケージの小型化も実現。
3.独自のBi-CMOSプロセスにより低消費電流を実現
アナログ回路とデジタル回路を合理的に混載した独自のBi-CMOSプロセスにより、業界最小レベルの低消費電流化(20mA(LV3311PM)、30mA(LV3320M))を実現。
III.主な仕様
主な機能: ステレオ4cH入力、入力ゲイン可変、ラウドネス、イコライジング(バス、ミッド、トレブル、フェーダー)、ミュート、フィックスドイコライザ(LOW、MID、HIGH(LV3320M))
電源電圧: 7~9V
消費電流: 20mA(LV3311PM)、30mA(LV3320M)
パッケージ: QIP44M(10mm ×10mm ×2.6mm (ピンを含む:13.2mm x 13.2mm))
IV.主な用途
車載用オーディオ機器、ホームオーディオ機器
< お客様からのお問い合わせ先 >
三洋半導体株式会社 ミックスドシグナル事業本部
車載システム&AT事業部 車載システム情報開発部
〒370-0596 群馬県邑楽郡大泉町坂田1-1-1
TEL 0276-61-8388 FAX 0276-61-8730