富士経済、ペット関連市場の調査結果を発表
ペット関連市場の調査を実施
―ペットケア用品市場は2007年552億円予測(06年比 4.7%増)―
総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役 阿部英雄03-3664-5811)は、このほどペット関連市場についてペットフード、ペットケア用品、ペット生活用品などに分類して調査・分析を行った。その結果を調査報告書「2006年 ペット関連市場マーケティング総覧」にまとめた。近年のペット飼育では、室内飼育、小型化、高齢化、肥満化など様々な要因を背景に、飼い主のニーズが多様化・高レベル化してきており、ペット保険などの周辺サービスへの関心も高まっている。
<調査結果の概要>
1.ペット関連市場
(※参考表は添付資料参照)
2006年の市場は、ペットフードはほぼ横ばいであるものの、2005年に引き続き室内飼育の増加やペットの高齢化を背景にペットケア用品とペット生活用品が増加するため、前年比2.1%増の3,781億円となる見込みである。
ペットフード市場
小型犬の増加に伴い一頭あたりの給餌量が減少していることが影響し、微増推移となっている。参入各社は売り上げの拡大を図るべく、ペットの高齢化に対応する形でプレミアムフードや機能性付加型フードへの注力度を高めている。飼い主の健康意識の高まりやペットの高齢化が追い風となり、サプリメントやミルク、特別療法食など犬猫関連フードが増加し、小鳥・観賞鳥用フードや小動物用フードなどの減少分をカバーしている。また、室内飼育の増加を背景に、スナックをしつけの際のご褒美として給餌する飼い主が増加していることから、スナック市場への新規参入や新製品開発が活発化している。
ペットケア用品市場
室内飼育の増加とペットの高齢化に伴い、清潔性の維持やしつけ、介護をサポートするトイレ用シーツやオムツ、ウェットティッシュ、ボディータオル、消臭剤の成長が見込まれている。しつけ剤やデンタルケア製品も市場規模は小さいものの、飼い主のしつけやペットの健康への関心の高まりから今後の拡大が見込まれる。ペットケア用品は消耗品であるため価格訴求を中心とした展開に陥りやすいが、今後は多様化したニーズに対応すると共に利益の確保を図っていくために、消臭力を強化するなどの高付加価値化を図ったアイテムの拡充が必要となってくる。
ペット生活用品市場
室内飼育の増加やコンパニオンアニマル化の進展に伴い、飼育用ハウスが減少傾向で推移している。その他、水槽・周辺器具も落ち込んでいるが、システムトイレやソフトキャリー、カート、アルミ製マットといったカテゴリーと、買い替え頻度の高い衣類などが拡大している。ペット生活用品は、「高くても良いものを与えたい」という意識を持った飼い主やデザイン性を重視する女性飼い主が増加していることが追い風となり、市場は拡大推移している。また、PB製品の台頭により価格訴求品を中心とした展開では利益の確保が困難となってきていることから、参入各社はデザインや素材にこだわった製品開発に注力してきている。
2.注目市場
サプリメント 2006年見込み 34億円 2007年予測 36億円(前年比 106%)
室内飼育の増加やペットの高齢化の進展に伴い、日常的な健康維持はさることながら、ダイエットや消臭、ストレス解消、毛艶、抗酸化作用、免疫活性、関節炎対応などを訴求した製品が増加している。また、今まで主流であった粉末とタブレットタイプに加えて飲料タイプが普及してきていることがプラス要素となっている。飼い主のペットの健康に対する意識の高まりや高齢化の進展などを考慮すると、需要開拓の余地は充分にあると思われる。今後市場を拡大させていくためには、科学的データに基づいた製品案内や、サプリメントの必要性を認知してもらえるようなイベントの開催など、積極的な啓発活動が必要となってくるものと思われる。
特別療法食 2006年見込み 109億円 2007年予測 117億円(前年比 107%)
特別療法食は、各種疾病を抱える犬猫の栄養管理を目的としたフードであり、流通経路は獣医師ルートに限定される。ここ数年は、猫用が犬用より高成長で推移する傾向が続いている。肥満やアレルギーなどの疾病を抱えるペットの増加や、ペット保険の普及により動物病院への来院数が増加している事が追い風となり、市場は拡大推移している。
消臭剤/脱臭剤 2006年見込み 16億円 2007年予測 18億円(前年比 113%)
室内飼育の増加とコンパニオンアニマル化が進んでいることに加えて、社会全体としても清潔志向が高まる中、家庭内でのペット臭を問題と考えるケースが増加し、消臭・脱臭ニーズは高まっている。ここ数年のペット用消臭剤/脱臭剤市場の成長阻害要因は、家庭用・衣料用消臭剤への需要のシフトであった。しかし、2006年4月にP&Gが、家庭用布製品消臭・除菌スプレーのトップブランド「ファブリーズ」よりペット飼育家庭向けに特化した商品「ペット用ファブリーズ」を発売したことで、今まで一般用の家庭用消臭剤に流失していたペット専用品の位置付けが明確となり、市場は拡大している。大型ブランドの参入や既存メーカーからの新製品投入も進み市場は活性化しており、今後も市場は拡大推移すると見込まれる。一方、メーカー間の競争の激化が懸念されるため、今後は価格訴求を中心とした展開ではなく、使用シーンを想定した用途別高機能製品開発や、ブランド力の利用、効果の分かり易いネーミング、パッケージデザインなどで差別化を図るなど、他社ブランドへのスイッチを防ぐ施策が必要となってくる。
オムツ 2006年見込み 17億円 2007年予測 20億円(前年比 118%)
ペットの長寿化に伴い老齢期のペットの介護に対する関心が高まっている。介護用品の一つであるオムツは、ペット介護の必需品であることから需要増が期待される。また、室内飼育の増加により、室外犬では問題にならなかった生理の際の衛生管理や、車や列車での長時間の移動や病気療養時など、介護以外でのオムツの使用機会も増加している。高齢のペットが増加していることから、今後は「ペットの介護・専用紙オムツの使用」を浸透させることで新規ユーザーの獲得とリピート需要の拡大が可能となるものと期待されており、市場は今後も拡大すると予測される。
ペット保険 2006年見込み 40万4,000件 2007年予測 48万4,000件(前年比120%)
ペット保険に関する飼い主の関心の高まりや飼育数増加をうけて加入件数は増加傾向にある。
ペットの疾病に対して人間と同様の医療を望む飼い主は増えている一方で、高額な治療費負担から治療をためらう飼い主も多く、何らかの保障を望む需要は大きいと考えられる。また、近年雑誌などでペット保険が取り上げられ認知度が向上していることに加えて、アニコムインターナショナルをはじめとした参入各社が提携病院や販売代理店を増やしてきていることが、加入者増につながっている。
<調査対象>
カテゴリー 品目
ペットフード:ドッグフード、キャットフード、プレミアムフード、スナック、鑑賞魚用フード、小鳥・観賞鳥用フード、小動物用フード、サプリメント、ミルク、特別療法食
ペットケア用品:猫砂、トイレ用シーツ、オムツ、ウェットティッシュ、ボディータオル、しつけ剤、消臭剤/脱臭剤、防虫剤/殺虫剤、医薬品、シャンプー類、デンタルケア用品
ペット生活用品:首輪/胴輪/引紐、ハウス、水槽/周辺器具、ベッド、マット、トイレ、キャリー、ゲージ/サークル、ブラシ/クシ、食器/給水器、玩具、衣類、ペット用家電
注目ビジネス:ペット保険、マクロチップ/リーダー、ペット専用遠隔監視システム、ペット飼育家庭用空気清浄機、ペット共生住宅、その他注目サービス
<調査方法>
参入企業、業界関連企業、関連団体などに対する、直接取材によるヒアリング調査
<調査期間>
2006年8月~10月
以上
資料タイトル:「2006年 ペット関連市場マーケティング総覧」
体 裁 :A4判 273頁
価 格 :120,000円(税込み 126,000円)
CD-ROM付き価格 130,000円(税込み 136,500円)
調査・編集 :富士経済 大阪マーケティング本部 Pet Project Team
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発 行 所 :株式会社 富士経済
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